数を量としてとらえさせる 算数的な活動

 2011-03-25
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紙の上の勉強では、今一歩分かりにくいことが、具体物・半具体物になると、突然目が輝いてくるタイプのお子さんがいます。

それを一般的なダウン症児の認知特性といった視点で、説明することは可能だと思います。

でも、そんな理屈より、実践事例で示す方が説得力があります。


りんちゃん (小3) の数処理は、「1・2・3・4・・・」 と数えたしていく方法から、なかなか抜けきれないでいました。

それじゃあということで、レッスンの初めには、いつも 「すごろくゲーム」 と 「数え棒ゲーム」 をイントロとして取り入れるようにしました。


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ダウン症のお子さんは、競争的なゲームになると、闘志むき出しになりやすい子が多いです(笑)

りんちゃんの場合、何度やっても、あきるということがありません。


12面体のサイコロを使っていますから、時々 「11」 とか 「12」 の目が出ることがあります。

以前は、例えば 「10」 の目が出たときでさえ、わざわざ数え棒のゴムをゴムを外して、「1・2・3・4・5・・・」 と、10まで数えていたものでした。

でも、今では、「12」 が出ると、10の束をそのまま持ってきて、それに2本足して 「12」 とちゃんと10のまとまりのよさを生かすことができるようになってきました。

小さいけれども、貴重な一歩だと思っています。

子どもに、本当に理解させるためには、このくらい軸のぶれない積み重ねが必要なことを、改めて感じさせられました。



ここまで来ればということで、今日は 「10の補数ゲーム」 を開発して、挑戦することになりました。

どうすれば、数え棒ゲームにように、10の補数を、楽しんで体験的にとらえさせることができるか・・

今回私は、こんな感じてチャレンジしてみました。

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例えば、7の補数の3をとらえさせたい場合、まず、10のブロックから3を取り除きます。

そして、取り除いた3を手で隠すのです。 (ここがポイントです)


「さて、りんちゃん、問題です。 先生の手の中には、いくつブロックが入っているでしょうか?」

りんちゃん、一瞬キョトンとした顔になり、その後必死に考え始めました。

きっと、10の補数に初めて真剣に向かい合った瞬間なのだと思います。

数え棒ゲームで、しっかり10の束を意識し始めた今だからこそ、この活動が成立できたのです。


りんちゃん、数処理は、もともと継次処理優位ですから、空いたマス目を 「1・2・3」 と数えています。

ならばということで、今度は下の画像のように、手でさわれないような位置で提示して、4の補数を考えさせてみました。


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「さてさて、りんちゃん、こんどは先生の手の中にいくつブロックが入っているかな??」


ここで、またまたりんちゃんに何かのスイッチが、かちっと入ってしまいます(笑)

これはどうしてだか、私にはまだ整理ができないのですが、あれだけ毎回 「1・2・3・4・・・」 と数えまくっていたりんちゃんが、ここからは、空いている6つの枠を見て 「6」 と、同時処理的に数をとらえ始めたのです。


> えっ、できるんだ~ (驚)

> じゃあ、今までのは、一体なんだったの??



これは、きっとダウン症のお子さんの一般的な特性である 「長い滑走路が必要で、急な切り替えに弱い」 と言うことにも、関係しているのではないかと、勝手に想像してしまいました。




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算数的な活動をたっぷり体験させた後で、プリントをやらせると、「できる」 「わかる」 の連続で、それはそれは、楽しい学習になりました。

私にとってもりんちゃんにとっても、この日の 「10補数ゲーム」 は、予想以上の大収穫に終わりました。


これなら、スタンダードな数の量的理解に迫ることが出来るのではないか?

このことを、多くの子どもたちの指導に、もっともっと生かしていきたい。


私たちはこれからも、楽しいチャレンジを、ずっとずっと続けて行きたいと思うのです。



この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-03-25)





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