ダウン症児の課題とその魅力

 2011-03-10
昨日は県外でのレッスンの日でしたが、1年生の女の子のレッスンを、小学校の先生が見に来てくださいました。

特別支援だけでなく、学校のリーダーとしてご活躍の先生と伺っていました。

とても光栄で、またとない大切な機会ということもあり、私は、普段以上に気合いが入っていました。


これまで私は、ダウン症のお子様に対する個別レッスンを、何度も学校の先生に公開してきました。

下手くそなレッスンを公開するわけですから、まったくプレッシャーがなかったわけではありません。

でも私、きっとうまく行くだろうと、とても楽しみにしていました。

もしも、お母さんだけでなく、お父さんも参観に来てくだされば、それはさらに完璧だと思っていました。


その確信は、どこから来るか?

もちろん、学校の先生に見ていただくわけですから、当然、私自身の準備にも力が入るし、この子が、この状況でがんばらないわけがないと、心の底から信じていたからです。


その子がレッスンの部屋に入ってくると、いきなり私と、目と目がばっちり合いました。

素晴らしい笑顔と、はずむような挨拶から、この日のレッスンはスタートしました。

1秒で、私は彼女のやる気を感じることができましたし、彼女もすぐに私の願いを感じ取ってくれていました。


ダウン症のお子さんの中には、場の空気を読む力、人の気持ちを感じ取る力、メタ認知(客観的に自分を見つめる力)が、優れてる子がとても多いのです。

この子もその一人で、始まる前から、すっかりお互いの気持ちが通じ合っています。


個別のレッスンでは、その子の発達の最近接領域を、子どもの学びのストーリーに合わせて、うまく提示していくことが求められます。

しかし、いくらテクニカルにその内容を精査しても、子どものモチベーションが伴わなければ、何にもならないのです。


また、達成動機が高いのも、ダウン症のお子さんの魅力の一つです。このことをを単なる意固地や頑固で終わらせるようでは、タウン症の特性理解を語る資格はありませんし、実践者としての力量が問われます。

ダウン症のお子さんの場合は、特に、その子の内発的な学習意欲を感じ取り、その子の学びのストーリーに寄り添った学習内容の構成が、大切になってきます。

個別指導というのは、単に、マンツーマンですればよいということではなく、深い子ども理解に根差した明確な目標設定や、そこに至る学びの道筋を、子どもに伝わるよう明確に精査していくことが求められるのです。


小さな部屋に二人っきりで、楽な気持で、テキトーにやれると思ったら大間違い、

そんな構えでいたならば、ダウン症の子どもなら即座に見抜き、ほどないうちに学習は成立しなくなってしまいます。

算数の計算が苦手な子どもでも、お買いものゲームや、具体物で指導すると見違えるように理解が深まることは、日常的に起こります。


メタ認知力を侮ってはいけません。

工夫のないプリントばかりでは、子どもに力量を見透かされます。

このへんは、容赦ないのも特性です。


この日、仕事の関係で、お父さんがレッスンをご覧になることはできませんでした。

この子のお父さんは、医療チームのドクターです。 

変な言い方かも知れませんが、私は、このお父さんを、何故だか、まるで古くからの友人のように思えしかたがなく、大変親しくさせていただいています。


私の力量は、たいしたことはありませんが、この日、子どもの気持が最後まで1秒たりとも離れることはなく、それはそれは楽しい50分間のレッスンが終了したのでした。

満面の笑顔で、ちぎれるほど手を振り、その子はレッスンの部屋から、家に帰っていきました。

今日勉強したプリントを脇に抱え、それをパパに見せるのが、楽しみで楽しみで仕方がないようでした。

何てステキな、何とすばらしい、子どもとご家族なのでしょう。



ダウン症の子どものそれぞれの課題を、決して軽く扱うことがあってはなりません。

ダウン症だから、将来は云々と、決めつけることがあってはなりません。

ダウン症だから、すべての子が同じでは、決してありません。

ダウン症だから、こうすればいいというような、安易な方法論が先行することがあってはなりません。


今、求められるのは、深い特性理解と質の高い教育が、どれだけダウン症児の可能性を拓き、豊かな未来につながっていくかを、実践を通して広く世に示していくことだと、私は信じています。

それが私に与えられた役割だと自覚しているのです。


神様、この子に会わせてくださいまして、ありがとうございました、

多くの子どもたちとの出会いの中で、私は何度もそんな気持ちになりました。


私は、出会えた子どもたちの先生であることを、何よりの誇りに思っています。

もちろん、ダウン症であってもなくても、みんな大好きになっていきます。

みんな生きることに、真正面から向き合っている子どたちばかりですから、必ず心が通じ合うのです。


それぞれの子には、それぞれの子の課題があり、魅力があります。

子どもを育てる立場の者なら、専門分野から見た一般的特性を十分ふまえた上で、誰よりもシャープにその子の今をとらえ、より深く理解する才覚をもつべきであると思っています。


ダウン症の子どもには、どの子にも共通する輝きがあること

それは、臨床実践者として、ダウン症の子供だけで毎月何十人ものレッスンを直接行っている、私だからお伝えできる内容だと思っています。


この子に出会えて、私は本当に幸せです。




この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-03-15)




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