3年・5年・・ 継続的に子どもの学びを支える支援者の必要性

 2011-02-18
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お父さんが、初めてつよし君 (小3) を私の教室に来られた時、彼はまだ1年生でした。

支援学級に在籍しているお子さんですが、友達とのトラブルや、衝動的な行動が多く、何度も学校から電話がかかり、相手側の家庭に頭を下げるという日々だ、と伺いました。


私が、日曜日のレッスンを始めたのは、このつよし君のご相談を受けてのことでした。

こうして、隔週90分のレッスンを始まったのです。


当時はまだ1年生ということもあって、プレイセラピーの時間の方が多く、教科学習をする時間は、半分にも満たない状態でした。

予想したとおり、一見たくましそうな外見とは裏腹に、デリケートで繊細な子どもでした。

それを、言葉で素直に表現することが、苦手な、とてもシャイな性格でもありました。


どうしてそれが衝動的で、乱暴な行動に結びついてしまうのか?

私は、そんな場面が目の前に浮かんでくるような気がしてなりませんでした。


私は、情緒障害児短期治療施設の派遣学級の担任を3年間させていただいた経験があります。

この子の育ちの方向性がある程度見えていましたら、こりゃ結構大変だとは思いましたが、この環境なら、必ず通じ合うという自信をもっていました。


「ここに来始めてから、つよしは変わった」

いつ頃からか、つよし君のお父さんは、何度もそう伝えてくださるようになりました。

「字がていねいに書けないの、直りますか?」

「お父さん、もうちょっと待って。必ずていねいに書くような子に育てますから」


上の画像は、先週つよし君が書いた漢字プリントです。

「これ、つよしが書いたのか!」

お父さんは、笑みを浮かべながら、何度も何度もお子さんの顔を見つめていました。


3年生ともなると、つよし君は、私の決めたプログラムを最後まで集中してやり遂げるようになりました。

以前には涙を流していた、かけ算も、割り算も、自信満々で取り組むようになりました。

「交流学級での勉強が増え、学校でも頑張っているようです」

「もう、学校からの電話におびえることもなくなりました」


デリケートな子、不安感の強い子ほど、衝動的な行動を起こしやすいのです。

つよし君、以前は、出来ない問題、わからない問題があると、固まって動かなくなることも多くありました。

今も、自信が無いときには、独特のサインを出します。

でも、そこに一緒に培ってきた安心感があるから、それとなくいつの間にか、私に質問したりすることも出来るようになってきました。

関係が育つと言うことは、こういうことです。


子どもとの関係づくり一つにしても、一定の時間は必要です。

もしも、すべてを1年の単位としてすべきであるなら、もしも関係づくりに9ヶ月かかったらなら、もう残りの時間は、たったの3ヶ月しかないのです。


やっと子どものこと、わかってもらえたと思ったら、また春には1からやり直し、

1度お伝えしたこと、お願いしたことを、何年も何年も伝え続けなければならない、

私の耳に届くのは、そんな言葉です。


もちろん、1年を単位として、オフィシャルな組織として、系統的な教育を実施する学校の存在は絶大です。

しかし、何らかの課題に向き合っている子どもには、発達の連続性という観点から、縦の軸を通す支援者の存在も必要です。

私の目から見れば、それは明らかに構造的な欠陥です。


1年を単位とする系統的なプログラムという横糸に、個の特性理解と発達の連続性という横軸を通すことにより、きっとより豊かな学びの場が構成されていくに違いありません。


そういうご工夫をされている学校も、増えてきていると聞いています。

そこに果たす、ご家族の役割も、重要です。

しかし、そのことを、ご家族だけに背負わせるのは、本来の姿ではないと思います。


つよし君は、毎回、隣接する市から通ってくれています。

先日、仕事の関係で、お父さんが送り迎えが出来ない日がありました。

電車を乗り継ぎ、駅から歩いて20分以上の道程を、寒い中、おばあちゃんが付き添ってくださいました。

経済的な負担も、決して軽くはありません。


このご家族の願いには、何としても応えなければならない。

子どもと、そして家族と共に歩む、支援者の存在の大切さ

その一つのモデルを、私は実践を通して、広く伝えていきたいと願っているのです。



この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-02-21)





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