教え子の就労
2008-04-29
先日のお子さんのことの続編です。きっかけは、その子のお母さんからいただいた一通の葉書からでした。
内容は「きちんとした大人、それも男性に、いろいろと話をしてもらいたい。それだけでいい。私には先生しか、その相手としてふさわしい方は思い当たらない」というものでした。
「では、一度会ってお話を伺いましょう」ということで、そのお母さんのご近所のファミリーレストランで相談を承りました。
そこで、小学校を卒業してからそれまでの彼の歩みを詳細に伺いました。直前には、菓子箱に添えて、長々とA4の紙4枚にびっしりと埋め込まれたお手紙もいただきました。概要は以下の通りです。
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小学校5年生から教室に入れなくなり、校舎内をウロウロとするようになった。中学校は、特別支援学級に行ったが、総合学習など交流授業の時間には「どこが悪いん?頭?」とか、バス停でバスを待っている時には「シンショー」と何度かからかわれたこともあり、やる気をなくし、ほとんど学校には行けなくなった。
高校は、通信制のところへ何とか入学できたが、結局は続かず中退してしまった。
深夜にどこからともなく高校へいっていない友達仲間?がやってきて、朝方まで帰ってこない日が続いた。
これではいけないと思い、母がハローワークでたまたま見つけた割烹で働くこととなった。そこでは2年近く働くことができ、その途中からバイトから見習いという形で勤めるようになった。
なかなか手順が覚えられなかったり、コミュニケーションがうまくとれなかかったり、遅刻が多かったりして、何度も親方やおかみさんから厳しく注意を受けた。もう来なくていいと、何度も言われた。
あまりにも覚えが悪いので、おかみさんから「もしかしたら発達障害じゃないの?だったらきちんとそのことを教えてほしい」と言われた。
Dr.にそのことを相談すると「発達障害であることを伝えても、結局はそのことで首を切られるだけ。とにかく、それよりも遅刻やあいさつや約束も守るように育てていくことの方が大切」と指導を受けた。
今、親方から、これまでに教えてもらった料理の手順や作法をレポート用紙数枚にまとめてこい。という指示を受けている。
手で書くことが極端に苦手なので、古いパソコンを出してきて、何とかそれをまとめたら、機械がフリーズして、そのデータの半分が消えてしまい、またやる気をなくして、ふらふら遊びに行くようになってしまった・・・・・
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とまあこんな感じです。
ここから、じゃあどうやって子のこと私との接点を、合理的に、自然に、長続きするようにつくりあげていくか?というお母さんとの相談が始まりました。最初から説教では、きっとこないのではないか?と思えたからです。
それで、出した結論は「いっしょに、つりに行く」というものでした。
つりなら、きっと自然に時間が共有できる。そして会話の中で、言葉と言葉の行間から、彼の気持ちを受け止め、そして応援のメッセージを彼の心に届けることができる。
そう考えたのでした。
約束の日。約束の時間に彼は、眠い目をこすりながらやってきました。
さっそく車に乗り、約1時間の行程の中での教育相談が始まったのですが、そこには、小学校の時、教室を飛び出して、砂場で水遊びをするような彼の姿はありませんでした。
言葉使いの丁寧な、あいさつのしかりできる(その辺の高校生よりもりっぱな)、見違えるほどしっかりとした彼の姿が、そこにはあったのでした。
これには正直驚きました。
結局、朝7時から夕方4時まで、その彼といっしょの時を過ごすことになりました。
彼と話した内容の中からいろいろと考えなくてはならないことや、大切なことが浮かび上がっていました。
そこことについては、また次回お伝えしたいと思います。
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