先生の その一言を待っている

 2010-12-15
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この日、ある男の子が着席すると、すぐに後を向いて、すねたようなしぐさをしました。

保育園に通うお子さんです。


見方によっては、「 先生は嫌い、ここに来て勉強したくない 」 というようにも見受けられます。

私としては、あまりいい感じのスタートではありません。


しかし、その子が後ろを振り向くその時に、アンパンマンのタッチボードに、一瞬目をやったのに気が付きました。

この日の私は、休養十分。 体調もよく、明るい気持ちで、心に余裕がありました。

「これ、やりたいの?」

私がそう尋ねると、その子は、横を向きながらも、コックンと大きくうなずきました。


これまで、言語表出もコミュニケートも、それほど表に出なかった子です。

男の子は、これまで見せたことのないような笑顔で、それはそれは楽しそうに、アンパンマンのタッチボードで遊び始めました。

それをきっかけに、あれがやりたいと次々に指さしを始めました。


「これかい?」


それが自分の求めているものと違う時には、しっかりと首を横に振ります。

こんな風に、意思表示ができたのは初めてのことで、レッスン自体も、これまで以上に活気のある、内容の豊かなものになりました。




「言葉の少ない子でも、心は通い合うよね」

先日、私の敬愛する友人と、そんな話をしました。


この子には言語もなければ、感じる力も無いのではないか?

周囲からそんな風に見られていた子と、しっかりと意思が通じ合った体験を、彼は次々に紹介してくれました。


この活動を始めて以来、私は何度も似たような場面に遭遇してきました。

表出言語は無くても、信じられないほど豊かな内言語と感受性をもった子どもに、何度も出会ってきました。

そして、心が通い合うということ、意思を伝え合うということの素晴らしさと大切さを、しっかりと感じてきました。


これまで、多くのすばらしい先生方にご指導いただいた私ですが、ダイレクトにこうした体験をもっている人と、それほど多くは出会えませんでした。

彼は、全国的に活躍していますし、実践をベースとした何冊かの著書を出版しています。

私はまだまだ、彼の領域までは達していませんが、こうしたことを、リアルに共有できる友人がこんなに身近にいることを、とてもうれしく、誇らしく思いました。


一見マイナス行動に見受けられた後ろ向きのポーズは、勉強したいという強い気持ちの裏返しであったわけです。

「もしかして、これやりたいの?」

その一言を、この子はずっと待っていたのです。


この子とのレッスンは、これまでにない最高の達成感をもって終えることができました。

こんな風にインタラクティブに通い合うことができるなんて、正直、先週までは思っていませんでした。

うれしい気持ちと同時に、私じゃなかったら、もっともっと早く通じ合うことができたのかもしれない、という自責の思いも込み上げて来ました。

だとしたら、恐ろしいことです。


教育は、ネガティブな面を指摘するだけに終わらず、まず子どもを信じること、子どもの可能性を信じることからスタートする。

それを信じられないものは、教育者と名乗る資格はない。

私は、いつもそう自分に戒めています。


「この子に勉強教えたって、ちっとも効果が上がらない??」

仮に成果が表に出にくい子タイプのであっても、内言語が驚くほど豊かに育っている子は、たくさんいます。

そんな子の目に、そう思う先生の姿は、一体どのように映っていると思いますか?


先生の、その一言を待っている。

そんな場合もあるのです。

すべての子と、豊かに通う力量と感性を、もっともっと高めていかなければと願わずにはいられません。




この記事は、「 特別支援教育 記事ランキング 1位  」に選ばれました。 (2010-12-15)


※ この記事は、4531もある教育サイトのうち、「 教育ブログ 記事ランキング1位 」 にも選出されました。 (2010-12-17) 

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