1年後には、必ずできるようにさせる

 2010-11-19
「きのうは、おもちを4こ食べました。今日は、おもちを7こ食べました。あわせて何こ食べたのでしょう。」

私は今、りんちゃん (小3) と一緒に、このような問題に取り組んでいます。


文脈を把握し、数量をイメージ化しないままに 「食べた」 というキーワードと、4 と 7 という数字に着目すると、「4 - 7」 になってしまい、誤りを指摘すると、それが 「7 - 4」 になったりします。

引き算じゃあないなら、足し算?

それで答えが出せたとしても、理解できたことにはなりませんよね。

学習を積み重ねていくうちに帰納的に、「あっそうか」 と気がつくこともありますが、一方で課題に真っ正面から攻めてみることもやはり必要です。


りんちゃんは、おしゃべりが大好きで、字がとっても上手に書けます。

向上心も強く、この子がそこにいるだけで、周囲がぱっと明るくなるようなスペシャルなオーラをもっています。

花丸をつけてやると、「やったー、先生大好き」 という調子で、90分間集中して学習に取り組むので、こちらのモチベーションも上がってしまいます。

小さいお子さんをおもちのご家庭では、「将来、りんちゃんのようになれたら、どんなにステキだろう」 と思っておられる方も多いようです。


そんなりんちゃんですが、りんちゃんにはりんちゃんの大切な課題があります。

字はとっても上手です。1画1画、ていねいに書くことができます。

しかし、昨日 「色」 という字を書くのに、とても苦労しました。

微細の形の認知が、得意ではないのです。


問題文を読んだりするときには、「先生、読んで」 とよく言います。

目で、文字を追ってはいますが、認知のメインは聴覚性のものです。

音声言語から、アバウトに文脈を理解するのは得意ですが、内言語化したイメージを、もう一度、文字言語と照合して切り取ることができにくいのです。


足し算なのか、引き算なのか、演算決定ができにくい。

問題文を読んで、演算決定ができにくい背景には、こうした言語理解の特性があるのです。

ならばどうするか?

得意な聴覚性言語をメインに、それを文字言語と対応させ、操作活動を取り入れながら、イメージ化する作業を繰り返す。

最初は支援を手厚く、やがてそれを少しずつフェードアウトして自立させる。

個別指導なら、それができます。

それが、私の考えるこの子への方略です。


この子には、他の子にはない、達成動機の高さがあります。

このことは生活場面の局面では、すべての場合に必ずしもプラスに作用することばかりではありませんが、ここでは生きます。

もしも、こうした力が付いたなら、それは国語など、他の教科でもきっと役に立つに違いありません。


「だまされたと思って、あと1年ともう少し時間をください。」

昨日、私はそうお母さんにお伝えしまいした。

4年生の終わりまでには、私の考えているところまで、何としてもこの子を引き上げてみたい。

花子ちゃんや、イチロー君や、友里ちゃんと一緒に歩んできた成果を、ぜひここでも生かしていきたい。

1年半、がんばり続けること、この子とだったら出来そうな気がしてならないのです。


「それが出来なければ、切腹です」

私がそうお伝えすると、お母さんは、笑っておられましたが、そうでなければ申し訳が立ちません。

「でもね先生、本当にそれが出来たら、この子は大きく育つことになります。4年生でなくとも、それが6年生だって構わないのです」

さすがの、一言、ますます力が入るというものです。


歩むのは子どもですから、無理に引っ張ると、ろくな事にはなりません。

「誰のために」 という目的と手段を、忘れることがあってはいけません。

子どもをダシに、成果だけを優先することがあってもいけません。

少し遠くにある頂をしっかりと見つめ、りんちゃんの心がそこに向かうよう、しっかりと支えていくのが私の役割です。


少し、豊かな数感覚を培うのが大目標ではありますが、そのためには国語の物語文から攻めてみるのも、案外近道かも知れない。

目指す所がはっきりすればこそ、いろいろなルートが見えてくるというものです。


1年後には、必ずできるようにさせる。

その決心には、強い気持ちばかりでなく、深い愛情と道筋が不可欠です。


その遠くに見え隠れしているあの山の頂のこと、

それを私は 「希望」 と呼んでいるのです。

そのために見通しがもてること、そのことが指導者の資質として最も大切なところ。

そこに、覚悟は、やっぱり必要です。



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