何が子どもを育てるか?

 2010-11-15
しんご君は、小学1年生、

年中組の終わりくらいから、毎週1回、私の教室に通って来てくれるようになりました。


昨日、繰り上がり計算の問題をやってみました。

先週、お母さんから、繰り上がりの計算の時に、数の構成分解ができていると聞いていたので、とても楽しみしていました。


私の教室で繰り上がりの計算をするのは、初めてでした。

たまに指を使っているのですが、それはこれまでの経過から形式的に指を使っているだけで、計算の手順も、正確さも、念頭操作も、予想を超えた完成度でした。

同時的にも、継次的にも数をしっかりとらえて処理することができるようになり、1学期からみても、すばらしい成長です。


初めてお母さんが私の所に来たとき、しんご君のIQ値とプロフィールを伝えてくださいました。

その時の感じでは、とてもこんな風に、繰り上がりの計算ができるようなものではなかったように思っています。

就学前には、担当の先生から強く支援学級を勧められましたが、ご家族は通常級を選択されました。

当時、お父さんも交えて、何度かご相談を伺った時のことを、忘れることはできません。


幼稚園の卒業式の際にも、行動面でのことで、お母さんはずいぶんご心配をされていたようでした。

入学後も、給食当番や掃除当番など、生活面での課題に何度か向き合って来られました。


「先生、よろしくお願いします。」

「ありがとうございました。」

幼稚園の時には、おうむ返しやトンチンカンな挨拶が多かったように思いますが、今では私の教室でも、毎回、とてもハキハキとした挨拶をしてくれるようになりました。

固かった表情も、以前と比べると、見違えるように明るく、生き生きとしたものになってきました。


「先生の所に来る日には、うれしくて、朝からハイテンションになってしまいます」

お母さんは、そう私に伝えてくださいますが、私も、正直、この子とのレッスンが楽しくて仕方がありません。

幼稚園の頃は今と比べると少し大変な場面もありましたから、こうした成長が、一層うれしく感じるのです。


「先日、家で勉強をしごき過ぎて、拒否反応が出てしまいました」

と、苦笑するお母さん。

「たったこれだけの期間に、この子をここまで育てて来られたのですから、時には調整する場面が必要なこともありますよ」

私は、そうお伝えしました。

今日、ここに来たしんご君は、また元気一杯のいつもの彼に復活していました。


就学の相談をお伺いしているときに、お父さんは、「どんなことをしてでも、この子を一人前の子に育てたい」 と、とても強い気持ちを私に伝えてくださいました。

今回のケースでは、当時、担当者が危惧していたリスクを一つずつ乗り越え、お父さんが言った通りの展開になってきました。

ある意味、ご家族の完全勝利です。

すべての場合に当てはまることではありませんが、こんなケースもあるのです。


すべての源は、こうしたご家族の強い気持ちからスタートしていたのです。

この気持ちがなければ、きっと何も動かなかったに違いありません。

この気持ちがあればこそ、深い理解も、人とのつながりも、生きて働くことが出来るのです。

私の、果たすべき役割も見えてくるのです。


私は、この先も、ありのままのしんご君を、ずっと受け入れていきたい。

たとえ少しくらい苦手なことがあったとしても、君の良さを誰よりも深く理解して、一緒に、次のステージを目指して歩んでいきたい。

小学生なのだから、色々な事にチャレンジして、その能力と可能性をうんと広げてやりたい、

と同時に、しんご君の良さを理解して、自分自身が好きになれる力を育ててやりたい、

そう、私は願ってやみません。


自分自身がが好きになれることによって、他者を受け入れ、共に育つ力が育っていくこと。

そのことを、しんご君の成長と共に見つめていきたい。

君はこの先、どんな出来事の中で、その大切なことを私に伝えてくれるのでしょう。


いつからこしんご君、こんなにおしゃべりになったのだろう?

いつから、こんなに柔らかい表情になったのだろう?

いつから、こんなに集中して勉強に取り組むことが出来るようになったのだろう?


言っておきますが、私は、ご家族のもつハンドルに、少しだけ手を添えていたに過ぎません。

それを示す検査の数値など、どこにもありませんが、私たちには今の彼がここにいるのです。


何が子どもを育てるか?

事例から、学ぶことも多いはずです。

子どもの表情は、多くのことを私たちに伝えてくれるのです。



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