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大切な部分を焦点化して育てる 個別指導計画

 2010-10-25
4年生になり、先日、山の学校に行ってきた花子ちゃん。

「今日くらい、SHINOBU先生の教室は、お休みにしたら?」

そんなお母さんの言葉を聞き入れず、山の学校が終わり、体操服のままで、そのまま教室に着てくれました。

さすがに、眠そうでした。

2日の日程を終え、疲れてヘトヘトだったにもかかわらず、そうまでして私の教室に来るこのエネルギーは何なのでしょう?



1年生の時には、数量のとらえがなかなか出来にくかった花子ちゃんですが、今では、繰り上がりのあるかけ算の筆算が、あと少しの所まで来ました。

あれ程苦しんだ書字も、日に日に上手になってきているのを実感できるようになりました。

もともと音読は、得意です。


「どんなに時間がかかってもいいから、文章がちゃんと読めて、書けて、計算が出来て、社会生活に困らない程度の学力を、この子に身につけさせてやりたい」

それが、花子ちゃんのお母さんの当初からの願いでした。

それはまだ、私が教室を開く前の出来事でした。

私の教室は、このお母さんの真摯な気持ちに応える形で、スタートしたのです。




例えば、文科省の示す学習指導要領には、算数科の目標は、

「量や図形についての算数的活動を通して,基礎的な知識と技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考える能力を育てるとともに,活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活に生かそうとする態度を育てる。」

と示され、1年生の 「数と計算」 の目標には

「具体物を用いた活動などを通して,数についての感覚を豊かにする。数の意味や表し方について理解できるようにするとともに、加法・減法の意味について理解し、それらの計算の仕方を考え、用いることができるようにさせる。」

と、示されてあります。


もちろん、内容を系統化して、それに準拠した教科書が示されることは、公教育の指針を示すという意味でもっとも大切なことの一つであると考えています。

他方で、教育の基本的な原理には、まず子どもの実態があり、そこに願いが生まれ、そこから教材を作成する、という考えがあります。


私は、花子ちゃんとの学習で、お買い物ゲーム、すごろくゲーム、かぞえ棒ゲームなど、可能な限り具体物を用いた算数的な活動を取り入れてきました。

個別指導の私が、この子のためにしてやれることは、これしかないと、考えていたのです。

これが、私なりの焦点化のプロセスの一つです。


教科書にも、お買い物ゲームに似た活動は、きっと取り入れられていることと思います。

大切なことは、そこに 「具体物を用いた活動などを通して,数についての感覚を豊かにする。」 という強い願いと気持ちが、どこまで息づいていたかということではないかと、私は思っています。


教科書をきちんと系統立てて順番に学んでいく方法が大切であるように、ねらいを明確に定めた上で、そこだけを目指し、焦点化し、その子に合わせて積み上げる方法だってあるのです。

私が、花子ちゃんと一緒に歩んできた道は、きっとこのようなものであったのだと思います。



「今日、学校で電卓の勉強したの~」

笑顔一杯で花子ちゃんが言うので、急遽予定を変更して、電卓を使った学習を取り入れました。

この日が、旬なのはわかっていますから、とても楽しそうに学習に取り組みました。


一方で、今チャレンジしている、繰り上がりのあるかけ算での、手順のスキルアップと、ショートターンメモリーのブラッシュアップも欠かすことはできません。


あと少し、あと少しで、この山を越せることが私にはわかっています。

そして、その次には、どんな景色が広がっているのか、次にどんな目指す頂がそこにあるのかも、私には見えています。

これは、すべて、あのお母さんの願いへ向けての道のりであるわけです。

私の活動のすべては、そこを目指しての、積み上げの歩みなのです。



個別の指導計画には、私は、たえず2つの視点が必要だと思っています。


個々の内容を精査す視点と、全体を俯瞰する視点

指導内容を系統化する視点と、個の学びの歩みを大切にする視点

課題を明確にして短所を磨き上げていく視点と、認知特性を理解しその長所を活用していく視点

そして手段としての内容をきちんと押さえていく視点と、目標としての本質をしっかりと見据える視点、などです。



「先生は、いつまで私の先生でいてくれるの?」

「それはね、花子ちゃんが、先生と一緒に勉強したいと思ってくれている間は、ずっとだよ」


みんな、分かりたいし、勉強したいのです。

私、昨日からギックリ腰で、身動きできなくなってきました。


個人でできることには、それなりのよさもありますが、同時にその限界もあります。

組織であっても通さないといけない縦の軸もきっとあるはずです。

その縦の軸を通すときに、生涯その子の寄り添って育てる主体者としての、保護者の願いを欠くことがあってはならないと思います。


大切だからこそ、明確に焦点化しなければ育ちません。

この子たちの学びの時間は、貴重です。


綿密なビジョンをもちながら、「お母さん、つまりね、こんなことを目指して、こんな風な育てをしていきたんです」 と、短い言葉で、ストンと心に落とすことができるようになれば本物です。

真実が見えることと、焦点化とは、きっとかなり近い位置にあるのです。

保護者と目指す方向が共有化できる!

相互の信頼感も、きっとこういうことから培われていくのだと思うのです。




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