エラーレス学習の積み上げによる 教育的効果

 2010-09-06
エラーレス (無誤) 学習は、私のレッスンの柱の一つです。


まずは、その子の今の最近接な学習の領域を題材として設定します。

最近接領域というのは、既習学習を利用すれば解決でき、子どもが 「おや?」 「面白そう~」 「やってみたい」 と思えるよう、その子の学習の経過・特性・興味や関心をひく学習内容のことです。


題材が決まったら、その子になったつもりで、その子目線で、自分で実際に問題を解いてみます。

その子と同じ温度で、問題を解くことができるか? 平素の特性理解の深さがここで問われます。

いくら精緻な検査データをいただいたとしても、こうしたリアルな学習場面で、具体的に生かされなければ、まさに絵に描いた餅となってしまいます。


この子の場合、きっとここでつまずくだろうな、と感じたら、事前にその手だて、つまりヒントを考えておきます。

このヒントは、ほぼ答えに近いもので構いません。ただ、子どもが自分で出来たという気持ちを失わせないような配慮と工夫が必要です。


今、岡山の小学校の3年生では、算数で、長さの勉強を始めた所も多いようです。

例えば、km  m cm の単位のイメージがわきにくいタイプの子がいたとします。

同時型の子には、1km 1m 1cm の長さを、一枚の紙に簡単なイラストを添えて強調したものをヒントカードとして用意しておきます。

また、継次型の子には、「kmは乗り物に乗るくらいの長さ」「mは、手を広げたよりも長い長さ」「cmはつくえの上ではかれるくらいの長さ」と、事前に紙に書いて準備しておくのです。


子どもの学びの展開を見つめながら、上手にこのヒントカードを利用していきます。

もちろん、自力で解決可能であれば、ヒントカードを必要としない場合もありますし、ポイントとなる場面で、ちょこっとだけ形を変えて生かすようなこともあります。

要は、子どもがつまずいたときに、少しだけ泳がせて、自分の力で川岸にたどりつかせるわけです。

そして、段階的にこうした厚い支援を除去し、自分の力で問題解決できるまで、指導を継続するのです。

下手でも、手足を動かしていれば、必ずゴールにたどり着くことができます。


恐ろしいのは、もうやめた、と泳ぐのを止めてしまうことです。

何らかの課題のあるお子さんの場合は、その子どものモチベーションこそが、最大のポイントになると、私は考えています。


このように達成感のある学びを学習の一部に組み込み、それを積み重ねていくことにより、大きな成長を遂げてきた子どもに、私はずっと寄り添ってきました。

すべての子がもっている学びの意欲を、育ちの願いをかなえてやりたい、それが私に与えられた責務であると考えているのです。


先日、ある女の子の指導で、大きな失敗をしてしまいました。

これまで快調に課題をこなしてきたので、調子に乗って、これまであまり取り組ませたことのない課題を、ぽーんと丸投げで提示してしまいました。


半分くらい支援つきでこなしていましたが、ついに途中で売り切れていまいました。

一所懸命がんばりたい、そうした思いが強い子でしたから、出来ないと言うことが受け入れにくいのです。


その日は、それ以後泣いてしまって、活動は一歩も前に進みませんでした。

何度も「すみません」を、繰り返すお母さん。

事前にお母さんは、「今日は、眠いし、体調が今一歩かも知れません」と伝えてくださっていたのに、完全に見立てが甘い私のミスです。


こういう時は、正直つらいですが、私が、謝ってすむことではありません。

料金を返せばいいということでもありません。

何としても、次回には、このことを生かすようにしなければ、そうでなければ、申し訳が立たないのです。

信頼して、私の所に来てくださっているのです。

それがプロとしての責務であるし、そうでなければ、プロとは言えないのです。



私は、「どうだ、できたぞ」とばかりに見せる、誇らしげな子どもの顔を見るのが大好きです。

そのこと自体が、私の苦心の労作の結果と知っているから、余計にうれしいのです。

やがて、成長した子ども、力を付けた子どもは、眼下に私を見下ろし、私の支援を必要としないときがやってきます。

私を踏み台にして、次のステージへと歩んでいくのです。


いつかは、私を必要としない子に。

だからこそ、巣立つまで、力を付けるまでに、手厚い支援が大切なのです。

育てるという営みは、こういうことだと思っているのです。


この子に私がしてやれること。

卒園までに、卒業までに、ぜひともこれだけの力を付けてやりたい。

だからこそ、1回1回のレッスンでの積み上げがが、何よりも大切なのです。
半歩でも、一歩でも、必ず前に踏み出さねばならないのです。


研究が深まるほど、技術が高まるほど、逆に内容はシンプルに見えます。

指導者は、力を付けるほど、スタイルは自然になり、特別でなくなります。

難解な理論や、目新しいテクニックではなく、子どもの今の姿をしっかりととらえ、さりげなく大切な部分に触れている。

本当は困難なことを、ナチュラルなスタンスで、ゆっくりとやさしくサポートできる。


横でニコニコ笑っている私。

子どもは、自分の足で歩み始める。

これが、本物です。



「勉強は楽しい。また来たい。」

その子どもの言葉こそが、私のレッスンの質をはかる唯一の評価の尺度なのです。



にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

↑ 大切さを全国に伝えたい! 応援の1クリックを よろしくお願いします。 ↑
「すべての子どもに 集団での学びと 特性に応じた適切な個別指導の場を」




コメント
お久しぶりです。やっと夏休みも終わり早くも2学期です。親子共々がんばらなきゃいけないですね^^
今日の記事で先生がおっしゃった→継次型の子には、「kmは乗り物に乗るくらいの長さ」「mは、手を広げたよりも長い長さ」「cmはつくえの上ではかれるくらいの長さ」という教え方に感心しました。確かに分かりやすいですね!!うちの息子は継次型でよかったでしょうか??
CMとかを書くことも苦手なのですがやはり苦手分野ですね・・さっそく取り入れてみます。
【2010/09/07 14:09】 | ひさよん #- | [edit]
一つのことを身につけるまでには、あの手この手が必要なときもあります。引きだしがいくらかあると、そこから道が開けていくチャンスも増えていくような気がします。お子さんをしっかり見て、色々とやってみることが大切なのかもしれません。少しでもそのヒントになるようなことを、お知らせできればと願っています。これからもどうぞよろしくお願いします。
【2010/09/08 08:18】 | SHINOBU #- | [edit]












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://shinobu1.blog117.fc2.com/tb.php/849-f866d383
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
Author:SHINOBU
新大阪教室

bnr_personal-osaka.jpg

今までにご覧いただいた方
 

百万アクセスまでがんばりたい

カテゴリ
最近の記事
月別アーカイブ