特性理解から 命の輝きに

 2010-08-23
私も時々講演会などで2時間くらいのお話をさせていただく機会があります。

お伝えしたいことの柱立てさえしっかりできていれば、後は口が勝手に動いてくれます。

下手に原稿をこしらえたりすると、それが棒読みになってしまい、大切なことがちっとも相手に伝わって行かないのです。

相手の目を見て、その反応を伺いながら、語りかけるようにお伝えしなければならないことを、その経験を通して学んできたからです。

私の場合、多くの方に、しっかりと耳を傾けていただける講演会は、苦でも何でもありません。

楽しいものです。


こんな私ですが、劇のセリフなどは、全く覚えられないのです。

それが、たったの2~3行の短いセリフであったとしても、カンニングペーパーなしでは、とても対応できないのです。

長いセリフを自分のものにして、台本通りにスラスラと言える他の皆さんのことを、私は、超能力者のように思えてなりません。

「信じられない」と、多くの方がおっしゃいますが、事実私は、台本暗記は「超」が付く位、苦手中の苦手なのです。


その代わりというのも変ですが、町探検は得意です。

どんな新しい町であっても、何カ所もぐるぐるいろいろな場所を巡ったとしても、ちゃんと元の位置に帰る自信があります。

それが、外国であろうが、どこであろうが同じです。


物事を切り取って精査に見るタイプの方には、方向音痴の方が多いようです。

逆に、文脈でアバウトに物事をとらえるタイプの方は、町探検が得意なようです。


家庭訪問の時、学校から家までの地図をかくこともあるでしょう。

かなりいい加減であっても、全体を俯瞰して、ちゃんと枠の中に道順が収まるタイプの方は文脈型。

ていねいにかこうとしたものの、学校からかき始めて、家がはみ出しちゃうタイプの方は精査型です。

物事のとらえ方の道筋の違いが、こんなところに伺えるのです。


これだけの情報があれば、指導法も変わってきます。

例えば、読解問題をさせてみると、文脈方の子は、大体のことがわかっていても、それを文章の言葉と対応させるのが苦手です。

聴覚性の言語支援を入れて、アバウトな理解と言語とを対応させる指導をします。

こうすることにより、より確かな、多面的な、読みの力が育つのです。


逆に精査型の子は、穴埋め問題は得意ですが、選択問題は苦手です。

細部にこだわるあまり、全体を俯瞰することができにくいのです。

こういう子には、場面絵などを利用して、バラバラな情報を一つの枠の中に統合化していくような学習を進めていきます。

こうすることにより、全体を俯瞰する道筋を学習させていくのです。


得意なことと、苦手なことは、表と裏の関係です。

入り口は違いますが、出口は同じです。

認知特性の違いを理解して、多面的な力を育てることが、私の指導の中身となっていくのです。

長所活用の原点は、短所矯正の道筋でもあるわけです。



みんなと同じようにとがんばらせることも大切ですし、良い意味で、競い合う事にも教育的な効果はあります。

ただし、それが行き過ぎるとと、劣等感にさいなまれ、モチベーションを下げることにもつながります。


ぼくは、これは苦手だけど、ここは得意なんだとと自信をつければ、やる気もわくというものです。

それは、やがて肯定的な自己理解力をはぐくみます。

さらには、自分をメタ認知(客観的にとらえること)ができ、他者受容のできる、ふところの深い、やさしい子どもに育っていきます。


競争も時にはいいですが、無意味な、どんぐりの背比べは、できれば避けたいものです。

行き過ぎた競争は、安物の優越感と、その裏返しの劣等感をもたらせます。

その一部のことを比べていたはずのものが、その存在までも比べることになりかねません。

極論ですが、それは、やがて命の尊さを比べることに、つながるような気がしてならないのです。


どの子にも得意なことがあって、どの子にも苦手なことがある。

命の尊さは、皆同じ。

だから、協力して、一緒に学習を進める、これが正解なのだと私は思っています。


共同学習の共同の意味は、子ども同士が助け合うということであって、支援級と通常級が場所を共同するという意味ではないと、私は願っています。

他者受容は、必ず自己受容につながります。

他者を受け入れることのできる子は、必ず、自分のことを肯定的にとらえることができるように育ちます。

交流学習のねうちは、きっとそんなところにもあるのだと信じています。


セリフの覚えられない私ですが、講演会の講師はできます。

ホームランが打てなくとも、バントができる選手は必要です。 みんがシュンとしている場面で、「元気出していこう」と、渇をいれるムードメーカーも必要です。

試合に出られないあいつの分まで、がんばらなければ・・ 

何よりこういうチーム作りが大切なのです。


この世に、意味無くして生まれた命など、決してないのです。

それぞれが持ち味を生かし、命を輝かせる場を見つけること。

他者の命を大切に思える子ほど、自分の命の尊さに感謝できるに違いありません。

幸せとは、こうしたことを感じる力なのです。

教育の大切な営みの一つは、きっとそんなところにもあるのだと思っているのです。



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Author:SHINOBU
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