「予算が無い、人がいない」 で引き下がってはいけない

 2010-08-02
私が以前、支援学級の担任をさせていただいたとき、当時の校長は、「学校で一番優秀な者を、支援学級の担任に据える」 と、おっしゃってくださいました。

前年度、たしか私は、その学校の6年生の学年主任と研究主任をさせていただいていました。

その言葉が、どれだけ私の気持ちを奮い立たせたか知れません。


その時はまだ、その学校に支援級はなく、新しく入って来るたった一人の1年生のために、新しい学級を創設するということになっていました。

たった一人のために、これだけの構想を実現させた校長、ただ者ではありません。

3人以上いないと、学級はできないなどと平気な顔で言う校長も多いようです。

その方、本当に学級を作る意思をおもちなのでしょうか?


後にこの校長は、県の校長会の会長をつとめ、様々な功績を教育界に残していくことになります。

取る気が無くて、予算は取れません。

「予算が無いからできない」 が、ただの言い訳にしか過ぎない場合だってあるのです。

物事を成す人は、万難排して、子どものために動くものです。


卒業式が終わると、私は、すぐに準備に取りかかりました。

まだ、担任発表もされていない段階 (3月下旬) に、お子さんとご家族に会い、すぐその足で療育機関に行き、担当の先生と引き継ぎをさせていただきました。

完全なフライングだったと思いますが、私には、ただできる限りの準備をしてこの子を迎えたい、その思いの外、何一つ考えることはできませんでした。

通常級の1年生担任には、前年度私と共に6年生の担任をしていた有能な女性の先生が選ばれました。

入学式では、30人以上の子の名前をすべて覚え、一切名簿を持たず、その顔を見ながら点呼をしていました。

この先生も、支援学校の1級免許をもっていました。

前年度、一緒に6年生を卒業させた大切なパートナーでしたから、無理なお願いも、いつも笑顔で引き受けてくれていました。

1学期は、多くの時間を通常級で過ごし、私は、ほとんど支援員のようにサポートに回る形でした。




「通常級在籍だと、残念ですが、特別なサポートは、行うことはできません」

そんなことを言われた方は、いませんか?

以下の内容は、今、通常級に在籍している、あるダウン症の5年生の支援内容です。 




①「言葉の教室」他校にて・・・2時間×1日
②「個別授業」2対1・・・1時間×2日
③「学生ボランティア」・・・5時間×1日
④「指導助手」・・・2時間×2日以上(授業内容により増える)






すごい充実度で、さすがの私も驚いてしまいました。

この5年生のお母さんによると、さらに行き届いた行政サービスが受けられる地域もあるそうです。

就学猶予だって、病気以外の理由で認められる自治体と、そうでない自治体があるようです。



「財政厳しい状況なので、ご希望に添うことはむずかしいです」

「そうなんですか・・」



本当に、それで、いいんですか?

知らないということは、恐ろしいことです。

その能力と特性に応じて、行き届いた教育を受ける権利を、子どもは有しているのです。

結果を受け入れるのは、あなたのお子さんです。



「そうなんですか・・」


半端な決心で、物事が前に進まないのは、百も承知です。

もう一度、腹を据えて食い下がって見る気はありませんか?

勉強してください。

調べてみてください。

足を運んでください。




何も学校と対立的になれと言っているわけではありません。

私だって、ご家族の真剣度は見ています。

子どもの最善の利益のために、あなたがなすべきことあるはずです。

次の一言が、あなたのお子さんの、豊かな学びの場を構成する大切な一歩になるかも知れないのです。


この記事は、「特別支援教育 記事ランキング 1位」 に選ばれました。 (2010-8-5)



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コメント
暑い中ご苦労様です。
この記事のダウン症の女の子の支援内容にびっくりしました。これだけの支援が可能なんですね。息子の障害がわかり何年も経ちますので、がんばって→休憩して・・・の繰り返しな気がします。私もまだまだ勉強不足なのでしょうね。時間が経つのは本当に早いです。後悔しないようにしなきゃですね。
【2010/08/02 17:49】 | ひさよん #- | [edit]
あせっちゃダメだし、あきらめてもいけない。

真剣に向かわなければならい一方で、冷静に見つめることも大切。

子育てには、単純な方程式もなければ、これですべてという王道もないわけです。

迷いながらも、様々な失敗を繰り返しながらも、愛情豊かに、真剣にお子様の育ちに向き合う家族の姿こそ美しいと、いつも私は思っています。

私は、そういう真摯なご家族の応援団です。

お子さんのためです。

これからも希望をもって、一緒に歩んでいきましょうね。
【2010/08/03 07:31】 | SHINOBU #- | [edit]
お久しぶりです。

SHINOBU先生の熱い思いの記事ですね!

子どものニードと学校の支援の現状がミスマッチな時、できるだけベストな状態に近づけるようにお願いし、環境を整えるのは親の役目であると私も思っています。

ただ、その要求が本当に今の子どもの現状とあっているのかどうか、親の主観的な判断だけになっていないか、気をつけねばならないと常々思っています。
また、その子のことをよく理解してくださっている専門家の意見を参考にすることも大事だなと感じています。

同じダウン症でも知的レベルはもちろんのこと、体力、精神力、性格は千差万別です。
そのお子さんになるべく合った環境を皆さんが手に入れることができるといいなといつも思っております。

SHINOBU先生のような先生とめぐり合えるかどうかが、親にとっても子どもにとっても、大変重要な鍵になるような気がします。
【2010/08/04 17:10】 | masami #NK5G2pe2 | [edit]
貴重なコメントを、ありがとうございました。

ご指摘の内容、心に深く留め置きました。

たとえそれが、どんなすばらしい内容に見えても、Aちゃんの枠組みが、Bちゃんにそのままあてはまるとは言えません。

時として、思いが強いがゆえに、一方的な視点に陥りやすいことも多いですから、何を差し置いても、その子の今が、いろいろな方面から、きちんと見えていることが大切なのだと思います。

masamiさんのようなお気持ちの方でしたら、それぞれの担当の先生と、きっと深い信頼関係が築かれ、そのことがお子さんの最善の利益へとつながっていくのではないかと思います。



今回、ご紹介した5年生の女の子

それはそれは、すばらしい魅力をもったお子さんです。

それが、ご家族の深く・熱く・愛情豊かな真摯なお気持ちで、育てあげられたものであることを、私は誰よりも理解しているつもりです。

ここまでの環境を、どのような思いで、どのようなご努力をされて作り上げられたかについても、何度もお話を伺わせていただきました。

このことが、きちんと皆様のお心に届くには、もっともっと質の高いメッセージや情報を、ずっとずっとお伝えしていかなくてはならないと、私は思っています。


そのことこそ、私の使命であり、このブロクの役割だと、考えているのです。

子どものために親がなすべきこと

繰り返しになりますが、その方程式も、王道もないのです。


ふとのぞかせた心のひだに、私は人として、母としての真実を垣間見てしまいました。

そのお母さんを突き動かすもの、私を実践へとかりたてるもの

その真実を、私はこのブログの実践事例のすべてを通して、皆様に感じ取っていただきたいと願っています。

すべては、子どもの成長と幸せのため


これからも、ぜひコメントをお寄せください。

本当に、ありがとうございました。
【2010/08/04 22:43】 | SHINOBU #- | [edit]












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