やがて訪れる雲の晴れ間

 2010-07-05
先日、つよし君 (小3) のお父さんと、指導後にお話を伺いました。

つよし君、この頃絶好調で、学校で習ったことを生かして、次から次へと学習を進めていきます。

以前はわずか20分間勉強するのにも、相当な工夫と準備が必要でしたが、今では学習のモチベーションがとても高く、次々と内容が発展していくので、時間があっという間に過ぎ、90分では時間が足らなくなることさえあります。

ひき算に、あれ程抵抗感があったのに・・

この子、こんなに勉強する子だったかなと、1年生のことが、遠い昔のことのように思われます。



1年生の頃は、衝動的な行動が多く、お父さんは何度も相手のお子さんの所にお詫びに行かれていたようです。

夕方になると、学校から、また電話がかかってくるのではないかと、毎日、不安に感じていたとも言っておられました。


「最近は、交流級でも、生き生きと過ごせるようになってきたようです」

「もう、学校からの緊急電話は、一切かかってこなくなりました」


この子の表情も、そしてこのお父さんの表情も、とてもあたたかく、やわらかいものに変わっていきました。


「とりあえず、3年生までふんばってみましょう。 きっと、そこから、景色は変わるはずです」

大変だったあの頃、私がそうお伝えしたことを覚えていますか? と言うと、おとうさんは、こっくりとうなずかれました。



この子は、デリケート過ぎる、だからこそ柔軟な対応ができにくい、というのが、その時の私の見立てでした。

学校のリズムをつかみ、友達や先生、周囲の状況に慣れ、認知力が向上していけば・・

そして、自信をつけ、自分自身を肯定的にとらえることができるようになれば、きっとこの子の行動面の課題は解決できる、そう自分に言い聞かせて、毎回のレッスンに取り組んでいきました。


「ここへ来始めてから、この子は変わってきました」

半分以上の時間を、遊びの時間に費やしていたあの時期にも、お父さんは私の指導に深い理解を示してくださいました。


あの時間にこそ、つよし君は、私の信念を確かめ、信頼感を築くことができたのです。

心が満たされれば、必ず子どもは、望ましい方向に向かって歩み始める。


以前、カードゲームを持ってきて、30分以上も学習中にそれをしていた子がいます。

「大丈夫、この子はすぐにここを抜ける。この子の学びの願いを信じれば、これかきっと最短!」

私は、自分にそう言い聞かせながら、その子と一緒に学習を進めていきました。

今では、その子は集中して、入試問題級の算数を、次々に突破していっています。


別の子のエピソードです。

昨日、指導が終わったあと、その子は、深々と私に頭を下げて教室を後にしました。

何度注意しても、事務用のパソコンとプリンターばかりさわって、なかなか指導が成立しなかった時期もありました。

ほとんど言語表出のない子ではありますが、今ではしっかりコミュニケートができます。

表情がやわらかくなり、今ではいつもニコニコです。


先日、大好きなパソコンパズルの前に、いじわるで、嫌いなお買い物ゲームの準備をすると、思いっきり首をかしげで、残念そうな表情を浮かべました。

「ごめん~、そんなにがっかりするとは思わなかったよ。じゃあ、先にパソコンパズルをしようか」

そう言うと、今度は思いっきりの笑顔をうかべ、それはそれは、うれしそうでした。

この子、こんなにパソコンパズルが、大好きだったんだ・・

少し胸が熱くなってしまいました。

そう言えば、この子と心がつながり始めたのも、このパソコン学習を取り入れた頃からだった。


今では、トランジットエリアから、背中を押してやると、軽いタッチですーっと学習席に移動します。

そのあまりのタッチの軽さに、私はこの子との信頼感の深さを、感じているのです。

あの大変だったことさえ、忘れかけていました。

その時の苦労は忘れてしまえばいいのですが、心がつながったときの大切な感動を、決して忘れてはなりません。

私は、この子を抱きしめてやりたいような気持ちになりました。


また別な子の場合、外へ飛び出したその子を階段でつかまえ、かなりの時間、暴れられたこともあります。

当時は、来る度に、そんな状態でした。


危険防止のため、脱出防止用の内鍵を、子どもの手の届かない位置に設置しまいした。

鉛筆を持たすのに、何ヶ月もかかりました。

「今は、こんな状態です。鉛筆さえ持たすことができていません。あとは、私を信じて預けてくださるかどうか、そこにかかっています」

そうお伝えした日のことを覚えています。


今では、その鍵にさわることさえありません。

文章読解や計算プリントをちゃんとやってくれるのです。

昨日は、とてもきれいな字で、文章を書いてくれました。今後の発展が見込まれる大切な一歩になりました。


この子とは、バイキンマンのおもちゃから、心がつながっていきました。

今では、そのバイキンマンのおもちゃは、教室の片隅でほこりをかぶった状態です。

もう年ですね、見たら、涙がこぼれ落ちそうになります。

あの苦闘の日々も、苦しかった分、今ではなんとも愛おしい時間に思えます。

あの時があればこそ、今の学習の大切なねうちを確かめることができるのです。


前回の学習で、少ししごきすぎたかなと反省した子がいます。

なぜか、この子の指導では、きびしく言ってしまうのです。

にもかかwらず、学習後の相談で、「この子は、いつも先生との勉強を楽しみにしていて、車から降りると、早く先生の教室に行きたくてたまらない状態になるのです」 と、お母さんが教えてくれました。


あんなに意地悪なことを言って、勉強しごいたのに・・

この一言で、私は、ますますこの子が大好きになってしまいました。

昨日は、予定以上のたくさんのプリントをやり遂げさせ、これ以上ないくらいほめて帰しました。

信頼の絆が、一層深くなった瞬間です。


昨日は11人の子のレッスンをしました。

以前は、ものすごいテンションでなければ、こうしたレッスンを乗り切ることはできませんでした。

レッスン終了後は、くたびれ果てて、物も言えない状態でした。

次回のレッスンが、心に重くのしかかって、離れられないこともありました。


しかし、ご家族のご苦労を思えば、とても私が弱音をはくわけにも行きません。

そうやって、何とか踏ん張ってこれたのですが、今ではその11人のレッスンが、楽しくて仕方がないのです。

時間的・体力的には厳しくとも、心の負担感は、今ではほとんどありません。

厳しい状況を乗り越えたことが、今では大きなパワーになっています。



それぞれの子が、新しいステージへと成長していくことができたのは、家庭での並々ならぬ努力に支えられていたからに違いありません。

私は、そのほんの一部を受け止めさせていただいたに過ぎません。

家庭だからこそ、かかえなければならない多くの苦労の数々、

私は、ほんのわずかですが、これからもそのことを理解し、ずっと受け止めさせていただきたいと思っています。


どんな苦労も、決していつまでも、今のままではありません。

私は、ほんの一部ではありますが、厳しい課題に取り組んでこられた、多くのご家族と共に歩んできました。

だからこそ、声を大にして、そのことを今、課題に真っ正面から向き合っておられる多くのご家族に、お伝えしなければならないのです。


並大抵のご苦労でないことは、わかっています。

だからこそ、いつまでも今の天気ではない、雲の晴れ間も必ずやってくることをお伝えしたいのです。


今から、たった30センチ高い所に登っただけで、見える景色が全然違うことだってあります。

ますは、その30センチを目指して歩んでみましょう。

9回トライして、9回アウトでも、10回目はどうかわかりません。

打たぬ矢が、当たることはないのです。


同じ一歩でも、心の有り様で、心理的な負担感はまったく違ってきます。

どうか気持ちをしっかりもって、明るい気持ちで前へ進んでみてください。

雲の晴れ間はきっと来ます。

そう信じて歩む一歩から、奇跡が始まることだってあります。

子どもの奇跡は、起こってしまえば日常なのです。


4歳の子ですが、教室に入ると、くつをちゃんと後ろ向きに揃え、あいさつをして学習席へ飛んできます。

「家では、考えられない姿です」

と、お母さんはいつも目を丸くさせれます。

この子も、以前は、新幹線のおもちゃで遊ぶばかりの毎日からスタートしました。


なぜ、子どもが心を開き、学習をするようになったか?

それは、私が子どもの学びの欲求を、心の芯から信じているからだと考えています。


私は、多くの子にかかわってきました。

多くの事例から、一定期間受け入れると、必ずそれは卒業し、学びや自己実現という、もっと高い所へ子どももが歩み出すことが、体験的にしみついているのです。


切っても切れないな親子の絆と、海より夫深い肉親の愛情があればこそ、家では様々な課題に直面する毎日が続くのだと思います。

その家族の絶対的な愛情があればこそ、それとは質の違う、私の教育的な愛情が受け入れられるのです。

やがて子どもが成長し、私とのかかわりが、ご家族の愛情に支えられていたことを、深く理解する日が来ることでしょう。


子どもを一人前に育てること

人としてこれ以上に尊いことが、他のどこにあるでしょうか?

その大切な命を育てる営みは、今、あなた自身に託されているのです。

そのあなたの苦しさの一つ一つが、今、こうしてお子さんの笑顔につながっているのです。


私はその託されたご家族の思いを受け、自分にできることをさせていただき、主体者であるご家族を応援させていただいているのです。

この教室でのお子さんの成長も、がんばりも、すべてはご家族のご苦労が、形となって結びついたものだと思っています。


あなたが苦しまれた分だけ、きっとお子さんは育っている。

私は、そのように思っているのです。


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