学習レディネスと個別支援 (イチロー君の100点)

 2010-06-28
DSC07036_convert_20100626122141.jpg


「算数で、一発100点とった!」

教室に入ると、小学3年生のイチロー君が、開口一番、私にそう伝えてくれました。

イチロー君とは、1年生の2学期より一緒に勉強していますが、私の知っている限り、一発100点は初めての出来事です。

まさに、ワールドカップ級の快挙です。


イチロー君の成長については、2010-5-24 の記事 でも紹介をさせていただきました。

初め半分信じられないような気持ちでした。

でも、ご両親のお話を伺っているうちに、私は次第に、胸が熱くなっていくのをこらえきれませんでした。


思えば低学年の頃、書字や計算でどれだけ苦しんできたでしょう。

その都度 「大丈夫です、時間はかかるかも知れませんが、必ずできるようになります、この子には他の子にはないすぐれた面がたくさんあります、可能性を信じて前へ進んでいきましょう」 と、何度もお伝えしました。


2年生の時、何かが出来ないことで、学校に行きづらくなった時期さえありました。

ご両親は、大きな課題に向き合う度に、通常学級を選択したことに対する、自分自身への問いを何度も繰り返しておられるように見受けられました。

「通常学級選択で、正解だったと思います」

いつだったか、具体的な場面で、私がそうお伝えしたとき、お母さんが目頭を熱くされたこともありました。


こうした取り組みについては、以前の記事で、何度か紹介をさせていただきました。

1・2年の頃は、週に2度指導をしていた時期もありますが、今では隔週90分のペースでレッスンをさせていただいています。

しかし、私の仕事は、直接イチロー君へ直接指導をさせていただいたことよりも、むしろご両親と一緒に支援の具体を考えさせていただだいたことだと思っています。


ご両親は、必いつも真摯にその内容を受けとめてくださり、ご家庭での学習を工夫して行かれました。

私のお伝えした内容をいつも理解してくださいましたが、主導権は必ずご両親がお持ちでした。

だからこそ、これだけの成長が育むことができたのだと思っています。


イチロー君は、3年生になっての急成長です。

私のレッスンが、毎週から、隔週に変わってからの急成長です。 (笑)


「こんな日が、こんなに早く来るなんて・・」

この日、思わず、お父さんの口から、そんな言葉がこぼれました。

それは私も同じ気持ちです。

これまでずっと大丈夫です、と言いながらも、100点のテストにほほをつねったのは、他でもない私ですから。


もちろん、これですべて問題解決、後は順風満帆なんて、思ってもいません。

これから先、新たな課題も次々と生まれてくることでしょう。

幾度となく、困難に向き合って行かなくてはならない場面もあることでしょう。

しかし、この100点が、私たちの心に大きな希望の光をともしたのは確かです。


かけ算九九で、4×7 「(よん) × (なな)」 を、「しひち」 と読み替えることに、大きな抵抗感を示したのも、イチロー君です。

微細な書字認知も、言葉の多義的意味も、数の合成分解も、時間はかかりましたが、その分じわりじわり深い理解に結びついていきました。


このご両親だって、厳しい場面だからこそ、心が折れそうになったことも、何度もあったはずです。

お父さんの、「こんな日がくるとは・・」 という言葉、私は痛いほどわかります。

半端なご苦労ではなかったはずですが、ずっと歩みを前へ進めていかれました。

すぐに成果の見えない、毎日の半歩のあゆみ、

たやすい事ではありません。

ただ、その日々の半歩の歩みの積み重ねが、ここまでの育ちにつながったのです。


子どもがその時、苦労をしたからといって、決してすべてが劣っているということではありません。

早くわかることも大切ですが、深くわかることはもっともっと大切です。

そこで培う力が、次への学習のエネルギーとなるのです。

ここが整うと、テストでも結果が出るようになります。

結果が出せるようになるために、足場を一つ一つ固めていくこと、目に見えにくいですが、この作業は大切ですね。


学習レディネスが整えば、車は発進します。

すべてのケースが、イチローくんのようにうまくいくとは思いません。

道筋が見えないことは、とても苦しいことです。

半歩進むことで、その景色ががらっと違ってみえることもあります。

苦しい場面で、その半歩が踏み出せるかどうか?

たやすい事ではありません。

だからこそ、そこであゆみを止めてはならないのです。


私は、イチロー君のご家族のあゆみにずっと寄り添ってきましたから、今、低学年で課題に向き合っておられる多くのご家族に、そのことをしっかりとお伝えしていかなくてはなりません。

1年生で、今、何かが出来にくいからといって、すべてのことが、ずっと出来ないわけではありませんよ。

苦手なことの裏に、その子の良さが見え隠れしていることも多いのです。


一歩でも、半歩でも、ずっとずっとその歩みを続けていきましょう。

成長する我が子の姿が、きっとその先にあるはずです。


静かでも、深く、強く、ゆるぎないご両親のまなざし・・

すっかりたくましくなったイチロー君の表情。

子を思う家族の愛は、本当に美しいと思いました。



にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

↑ 大切さを全国に伝えたい! 応援の1クリックを よろしくお願いします。 ↑
「すべての子どもに 集団での学びと 特性に応じた適切な個別指導の場を」


コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://shinobu1.blog117.fc2.com/tb.php/814-988a5a82
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
大切さを全国に伝えたい
Author:SHINOBU
新大阪教室

bnr_personal-osaka.jpg

今までにご覧いただいた方
 

百万アクセスまでがんばりたい

カテゴリ
最近の記事
月別アーカイブ