文章読解指導におけるトライ&エラー

 2010-06-15
例えば 「おにごっこ」 という文字情報が、視覚から入力されたとします。

「お」「に」「ご」「っ」「こ」という文字の組み合わせから、心の中にある 「おにごっこ」 と言う単語であることに気がつき、それが 「学校でいつかみんなとやったことのあるあの遊びのこと」 だと理解します。

このように理解言語としての 「おにごっこ」 が、心の中の辞書に入力されてあると、読んでいるうちにそのことをイメージ化しながら、読み進めていく事ができます。


ところが、「Sケン」 という文字を見たとき、それを何とか 「エスケン」 と読むことができても、それがどんな遊びのことか、わかりません。 わからない単語が、一つくらいなら、まだスルーして読み進めることができても、さっぱりイメージ化できない単語の連続だと、何度か音声に変換することは出来ても、その文章が何を目的として書かれ、どんな内容を伝えようとしているのかを、つかむことができにくくなってきます。

このように、一つずつの単語を読む力と、主題や文脈理解の力は、相関性はあっても、同じではないのです。


つまり、子どもによっては、一つずつの単語は正確に読めるのに、文脈がわかりにくいタイプの子もいれば、文脈は理解できるけど、正しい言葉を正確にピックアップすることの苦手なタイプの子と、双方いるわけです。



先日、ある子が文章問題を読んでいました。

「私たちは、ボーリングゲームの後、まとあてをしました。」

問題文にはそう印刷されていましたが、その子は、「私たちは、ボーリングゲームの後、まとてをしました。」 と、間違って読んでしまいました。

「まとめて? あっ、ちがうわ、まとてじゃ」

その子は、すぐに間違いを自分で修正することができました。


この子とは、2年間に渡り個別指導を続けてきましたが、自分で読んだ文章の誤りを、自分で修正できたのは、今回が初めてのことではないでしょうか?

文脈理解ができているからこそ、「まとめて」 じゃ、変なことに気がつくことが出来たわけです。

長い期間、フルフロントでこの子の読みを支え続けてきましたが、ついに自力でトライし、そのエラーを自ら修正できるところまできました。


商品の名前を答えるべき時に、自分の名前を答えてしまう CM がありました。

自分の名前は正確に答えているのですが、「名前は?」 というのは、商品の名前であって、あなたの名前ではないわけです。

文脈理解がずれていると、こういうエラーが起こりやすいのです。


パズルにしても、何の指導にしてもそうですが、出来ないときには、支援を手厚くして達成感をもたせます。

そうしているうちに、周辺のことが整理されたり、力が付いたりと、いわゆる学習のレディネスが出来上がってきます。

そして、先行学習をちょっと使えば手の届く、「発達の最近接領域」 に迫っていきます。

解決可能と見たら、支援をフェードアウトし、自力でトライさせるわけです。

当然、多少のエラーが起こります。

このエラーに自分で気づき、自力で修正できるようになってくれば、あとは適切な課題さえ用意すれば、子どもはぐんぐん前に進んで行き始めます。

指導を行って最も手応えの感じるレベル、

一つのステージの区切りとして、稲刈りの時期、集金の時期を迎えたことになります。

ここまで来るのは大変だけど、ここまで来れば楽しいものです。


まだまだ当該学年の問題ができるということではありませんが、正直、よくここまで伸びてくれたと、とてもうれしく思っています。

やり方さえわかれば、エンジンはしっかりした子ですからね。

直線コースで、強烈な追い込みを見せてやりたいものです。


文脈から、自力でエラーを修正できる。

小さいけれど、貴重な一歩だと思っています。

この大切さを、しっかりと追体験させてやりたいと思っています。



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