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心の安定と学力との相関

 2010-06-08
「私は将来、国連の職員になりたい」

昨年の春から通ってくれるようになった6年生の女の子の、将来の夢です。

先日、英検にも合格しました。

オーストラリアへホームステイした経験もあります。

ずば抜けた言語系のポテンシャルをもっています。

今は、私立の小学校に通い、来年には入試を突破して、中高一貫校への進学を目指しています。


「私は、算数さえなかったら、もっともっと上のレベルが目指せるのに」

昨年の4月、私の教室に通い始めた頃は、何度も何度も私にそう伝えていました。

確かに、言語系に比べると、算数系では苦しむ場面が多いように思いました。

そして、厳しすぎるという学校の校則や、先生の対応のことを、指導の度ごとに私に訴えていたのでした。


昨日、その中高一貫校の、昨年の入試問題をさせてみました。

一番むずかしそうな算数の問題です。

ちょっとハードかな、と思っていたので、つまずいた時の支援は、周到に用意していました。

昨年の様子を知っているので、ここでのモチベーションの低下は、何としても避けたいと思っていました。


近年の中高一貫校の問題ですから、これまでのような丸暗記式の設問ではなく、柔軟な思考力としっかりとしたスキル、そして冷静な判断力など多面的な力を必要とします。

もちろん、即答できるような問題ではありませんから、しばらく考えを巡らせているようでした。

私も、どうしようかと迷いましたが、ちょこっとだけヒントを与えてみることにしました。

とその瞬間、なあ~んだとばかりに、あっという間にその問題の正答を導き出してしまいました。

「この程度の問題なら、毎日学校でやってるもんで・・」

少しはにかみながらも、自信に満ちた表情が伺えました。


本年度になり、4月・5月と、この子の表情は見違えるように明るくなってきました。

どうやら、担任の先生とウマがあってきたようです。

この日も、担任の先生のこと、クラスの友達のこと、学校での生活について、それはうれしそうに話してくれました。

昨年の4月・5月とは、まるっきり別人のようです。

昨年の今頃は、途中で単純な計算ミスに引っかかりたりして、なかなか次のステップまで到達することができませんでした。

やらなきゃいけない、やりたくないのジレンマを、たびたびそこに感じることもありました。


この子の知識量たるや、それはすごいものです。

四文字熟語・ことわざ・地名・特産物・歴史上の人物・・・ まるで生きた百科事典のようです。

だからこそ、算数が苦手なことが、大きな心の痛みになっているようでした。


ところが、6年生になって、メンタル面が非常に育ってきました。

気持ちが安定してきたので、計算ミスも少なくなりました。

それに伴い、できる・わかるの体験が積み重なり、歯車が噛み合うようになりました。

大きな壁に向かって突進するだけでなく、自由なフィールドで加速を付けていく方が、この子の力は伸びていくような気がしています。

6年生を迎えるにあたって、こうしたご両親の深い愛情と、賢明なご判断がそこにあったのです。


話は変わりますが、先日、お世話になっているある方の娘さんが、中学校の中間試験で、学年1位をとられたそうです。

私、頭の中で、2人のお子さんの姿が重なって見えました。


力があればこそ、よりデリケートにならざるをえない部分は、誰にもあるはずです。

他人にとっては、何でもないような事が、実は、本人にとっては大問題であったりすることも多いようです。

見えにくいからこそ、理解されにくい。

理解されにくいからこそ、まるで低温やけどのように、知らず知らずのうちに重い課題として、心にのしかかっていくことだってあるのです。


ありのままの自分が受け入れられることによって、初めて人は、力を伸ばしていくことができるのです。。

6年生になり、学校が好きになってきたこの子は、ホップ・ステップ・ジャンプで、きっと次のステージへと羽ばたいていくことでしょう。


あなたがいつかニューヨークに行き、国連職員になったとしても、私は、ありのままのあなたを受け入れる先生で、ずっとこの場所にいようと思います。

自己肯定の気持ちは、人とのかかわりの中でこそ、確かめることができるのです。

ありのままの自分を好きになれてこそ、がんばる力もわくというものです。


指導が終わって、ご両親が迎えに来られると、あなたはいつも、小さい子どものような表情に変わります。

だからこそ、こんなに熱心に努力を重ねていくことが出来たと思っています。


これから、厳しい局面も、色々あるかも知れません。

先生は、ずっとずっとあなたを応援していきたいと思います。

たとえそれがどんな形であってもいいのです。

国連職員でなくったって、あなたが自分の命を輝かせる生き方をしてくれれば、先生は、それでいいのです。


そんなあなたを、先生は、ずっと応援し続けたいと願っているのです。



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