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イチロー君の成長にみる 豊かな理解

 2010-05-24
イチロー君も、3年生になりました。

私が巡回相談をさせていただいていた頃は、毎回、巡回相談を終えた後に、ご自宅に伺っての指導をさせていただいていましたが、巡回相談が終了した今は、隔週で月2回、私の教室に通ってくれています。


先日、3桁のたし算の筆算の問題をしました。

1・2年生の時に、繰り上がり・繰り下がりの計算にあれだけ苦しんだ子です。

この当時のことは、2009-8-10の記事 でも触れています。


さあどうか? と、やらせてみると、ものすごい勢いで次々に問題を解いていきます。

完全に筆算の手順が身についているのです。

しかも、正答率はほぼ100%です。

もちろん、繰り上がりだってへっちゃらです。

ここまで成長しているとは、

正直、私は驚きました。


初めてのことには時間がかかるけれど、入ってしまえば誰よりも速く正確にできるタイプのお子さんがいます。

1・2年の時のテストの時には、点数はでなかったかも知れませんが、今なら決して他の子にも負けません。

学校では、短い期間に習得すると、ほめられる機会はたくさんありますが、こうしたことを評価する機会は、なかなかもてません。

でも、そのことがとれだけ尊いことで、将来に生きて働く力となることか。

私はそのねうちを知っています。

私は、イチロー君の成長を我が事のように喜び、そのすばらしさを、心を込めて本人とそのご家族にお伝えをしました。



すごろくをするとき、最初の1コマを、今自分のいるポジションから、「1・2・3・4・・・・」 と、数えてしまう子はいませんか?

これだと、5の目が出ても、4のところまでしか進めません。

「最初の1は、自分の次のところからスタートするんだよ」 と教えても、何度も同じことを繰り返します。

どうして、こういうミスをするか、わかりますか?

それは、それまでものを数える時に、必ず1対1対応で数えさせていたからです。

今、何人か数えるときには、必ず自分の数も数えさせたはずです。


すごろくの時だけ、起点となる自分の位置を数えないのは、常に 「自分の位置」 + 「さいの目」 の計算をさせているのと同じだからです。

「すごろくはたし算」 

指導者が、そういう数理的な意味を理解していれば、子どもの心にストンと落ちる指導を工夫することができます。

「何度教えたらわかるの? 自分の場所は数えずに、次から数えるのよ」

それで、分かる子は問題ありませんが、そうでない子には、一工夫欲しいところです。

ルールのわかりにくい子、継次的な処理の苦手な同時処理タイプの子は、すごろくゲームで苦労します。

ここにスモールステップを構成することで、継次処理能力を育成することができます。

「ぱっと見てわかる」 同時的な力と、「手順に従い一つずつ処理する」 継次的な力は、数量の力を身につけていくためにどちらも大切なことです。


また、「どちらが多い?」 という課題も、同時処理タイプの子には、わかりにくい課題です。

なぜなら、当たり前の事ですが、「3は2よりも多い」 くせに 「3は4より少ない」 からです。

Aという場面では 「多い」 3が、Bという場面では 「少ない」 になってしまうわけです。

こういうことが、わかりにくい子がいるのです。

当たり前だからこそ、そのつまづきは、指導者には見えにくくやっかいになるのです。

子どもが何で分からないかが分かる人ほど、そのつまずきが、自分の事のように見える人ほど、指導者としては優秀なはずです。

ここのところを、ストンと落とすことが、今の私の課題です。 


イチロー君は、文章読解問題を毎回5枚以上やり遂げていきます。

1度さーっと読むと、心の中に内言語的なイメージが思い浮かんでいて、3択問題などは得意中の得意です。


逆に、文字を皿のように見て、キーワードをピックアップするのは、苦手です。

字句の細かい形がとらえられなくて、1年2学期の漢字の書字には、かなり苦労をしました。

しかし、学習によって、苦手な微細な文字の認知力も向上してきました。

1年の漢字が書けるようになりさえすれば、あとはへんとつくりに分解して理解すれば、何とかなるのです。

大変なのは、最初のそのときなのです。


今できないからといって、ずっとできないわけではありません。

1年生の時に苦労したからといって、2年生・3年生も同じとは限りません。

今このときだけで切り取って、それを絶対的な尺度でとらえるのは、誤りです。


うさぎとカメではありませんが、多少時間はかかっても、その分豊かに育つ子もいるのです。

3年生になって、安定感が増したような気がします、とお父さんは伝えてくださいました。

当時のご家族の努力が、形となって実ってきました。

イチロー君の成長が、また一つ大切なことを教えてくれたのです。



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