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子どもの今が見える才覚

 2010-05-04
私の所には、広島から通ってきてくれる子もいます。

昨年も、連休中にレッスンがありました。

かなり時間に余裕をもって出発していただいたのですが、高速道路の大渋滞に見まわれ、朝11時の予定の時間に岡山に到着することができませんでした。


今年は、どうかなと思って心配していましたが、11時前には、園庭の遊具で遊んでいる声が聞こえてきました。

「何時に出発されましたか?」

そうお尋ねすると、

「実は、朝の5時に出発しました」

というお返事が返ってきました。

ありがたくて、ありがたくて、本当に頭の下がる思いでいっぱいになりました。


広島から通ってくれている女の子は、インプットは得意ですが、アウトプットは苦手な子です。

文字も読めるし、理解言語も豊富、数量の同時的理解力もとてもすぐれています。

でも、会話や書字、プリント類となると、そのすばらしい能力を表現することがなかなかできません。

当然、検査等でも、この子が理解している内容より、ずっと下の数値が出てしまいます。


検査の数値は、何かの申請に使うだけなら、低い方が補助や支援の対象になります。

しかし、いくら補助や支援を受けられても、予想より低い数値が出た場合、親としては、我が子の能力を断定的に突きつけられているようにな気持ちになり、心理的なダメージを強く受ける場合も多いのではないでしょうか?

私は、何度も何度も、ご両親に、この子のもっているすばらしい理解の力について、ご説明をさせていただいてきましたが、早くそれを形としてお返ししたいと願っていました。


最初の頃のレッスンは、なかなか形になりませんでしたが、さすがに1年過ぎるとそれも形になってきました。

わかりやすいレッスンの構成をして、その枠組みを崩さない。

それを数回続けていくと、何度も説明しなくても、私の意図がこの子にはちゃんと伝わるようになりました。

私は指導者ですから、言語ではなく、学習の構成そのもので、この子とコミュニケートできるようになってきたのです。

つまり、場の構成がメインで、言語を補助刺激として使うようになってきたのです。

机の上に新しい教材を置いておくと、「次は、新しいアンパンマンのパズル!」と、この子から声をかけてくれるようになってきました。

これを続けているうちに、1年前はほとんどおうむ返しだった言葉のやりとりが、今ではかなり応答的になってくるから、不思議なものです。


この子の数量の同時性は、まちがいなく1級品です。

まだ就学前です。

この年齢なら3~4が同時的にぱっと分かればよいと思っていますが、この子の場合、8でも9でも、一瞬で読み取ります。

それが順序よく並んでいなくても。「これは7だね」 「これ9だね」 と瞬時に見分けるので、私が指で継次的に「1・2・3・4・・・」 と数えて確認をしています。

まず、間違えることはありません。

すごい才能です。


こういうことが、ずっとパソコンソフトでは出来ていましたが、プリントになると、なかなかうまく行きません。

あれやこれやと工夫はしてみました。

しかし、それはちゃんと認知しているはずなのに、何故かドットの 「・・・」 と、数字の 「3」 を線でつなぐことが出来ませんでした。


隔週で来てくださっています。

先週、その芽がちょこっと出かかったと思っていましたが、今回そういうことが、ちゃんと形になってきました。

鉛筆の動きが、全然違うのです。

ついに、私の意図が、この子に届いたのでしょうか?


これまで体の中に蓄えてきた理解のエネルギーが、いよいよデビューの時を迎えようとしています。

1年前と違う子が、今、私の目の前で、それはそれは楽しそうに90分間の学習活動を楽しんでいます。

このことががつながりさえすれば、きっとこの子は、もっともっと変身する、と私は思っています。

なんて魅力のある子どもでしょう。


どんな子の指導の時もそうですが、ここまで来るのは大変です。

以前は60分を過ぎると、集中力が切れて、もう帰りたがっているようすがみえみえでした。。

どうやって場をキープしようかと、あぶら汗が出たものでした。


やっと土台が一つできた。

朝の5時に出発して、広島から来てくださったご両親に、少しだけ恩返しをすることができました。

さあ、積み上げはこれからが本番です。


うまく行っているときは、私も子どもも楽しいものです。

そういう指導をずっと続けていられるよう、進化していかなくてはなりません。


子どもの今が見えれば、簡単ですが、なかなかどうしてそれがむずかしい。

その才覚に、もっともっと磨きをかけていかなくてはなりません。

真剣に子どもの今に向き合うこと、

その気持ちと情熱さえあれば、技術も方法もきっと見えてくる。

道はきっと、そこから拓けていくのだと思います。


いくら経験や知識があっても、既製品や決めつけでは、たかだか知れています。

子どもと共に、未来をつくる先生であり続けたい。

楽しい勉強は、きっとそんな気持ちからスタートするのだと思っています。


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コメント
SHINOBU先生 いつも有難うございます。

ブログ読みました。
ありがとうございます。うれしくて涙が出ました。

朝5時に出るのもなんてことないですよ。楽しいですよ。
それより遅刻や渋滞で時間が少なくなる方が悲しいです。
「娘もSHINOBU先生のところ行くよ」と言うとパッと起きるのです。

恩返しなんて・・・こちらがしないといけない事です。
先生はいつも私たちを勇気付けてくださいます。
私にわかりやすい様に説明もしてくださいます。ほんと嬉しいです。

うちの子を見て「これはできるよね、でもあれも出来ない、これも出来ない」という先生はたくさん出会ってきました。

「同時処理が出来る、すごい能力」などいってくださる先生はSHINOBU先生だけです。

娘が自閉症だと聞いて途方にくれ、それから少し落ちついて来た頃
「この子は普通の子供とは違う、だから普通のやり方の教育は合わない、
あんたの仕事は日本中からこの子に合う先生を探すことだ」といわれました。
決してアリキタリの特別支援級が良いという意味ではなく、ひとりひとりにあった違うや
り方ができる先生のことなんだろうなぁと思って探しました。

そしてSHINOBU先生に出会いました。
この一年、先生のおかげで娘は成長したと思います。

5月小学校の特別支援級を見学に行きます。
でもこの小学校は受験があります。毎年2名くらいしか取らないそうです。
毎年の採用テーマがあってそれに当てはまれば良いみたいです。

先生にも一緒に見学に来てもらいたい気分です。
また感想をメールします。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
【2010/05/05 07:19】 | 広島のママ #- | [edit]












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