行動改善という視点から見た太郎君の成長

 2010-03-27
下の画像は、太郎君 (小2) が学校で書いた図工の作品です。

表情がステキでしょう?

今の太郎君の表情も、とても柔らかで、この作品にも、そんな太郎君の心がにじみ出ているようです。


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以下で紹介する記事 ( 2008-07-01 )は、太郎君が1年生の時の、衝動性改善に向けての取り組みを紹介したものです。






 

太郎君(仮名=小学1年生)は、笑顔の可愛い、すばらしいお子さんです。

4歳の時までは、あまり表出言語が見られず、ご家族の方は大変心配されていましたが、年長から1年生と、言葉の面・コミュニケーションの面は大きく改善されてきました。

学童保育での時にも、友達といっしょにごっこ遊びをするなど、社会性もだんだんと育ってきています。

こうして行動や活動の範囲が広がって行くにつれて、太郎君に新たな課題が生じるようになりました。

それは、自分で理解できない状況に遭遇したり、予測や期待を違ったことが起こった場合に、突発的に、人をたたいたり、物を投げたりしてしまう、ということです。

このところ、そんなことが何回かあり、学童保育の指導員もお母さんも、さすがにちょっと参ってしまいました。

そこで、今回、この太郎君の衝動性の改善をターゲットに、応用行動分析の手法を中心にして、ライブでみなさんにお知らせしていこうと考えました。

もし、おなじような課題をお持ちのお子さんがいらっしゃたら、ぜひ参考にしていただければ、と思います。

今日はその取り組みの設計図編です。

まずは、直接指導に当たっている指導員(3人います)に、次のようなことを書いてもらい、それを整理してみようと思っています。

① 太郎君が、どんなときに問題となる行動が見られたか(見られるか)、その個人的な要因(体調・本人の状態)を書き出して整理する。

② どんな活動、どんな友達といる時、どんなことをきっかけに問題行動が起こるか、環境的な要因を書き出し、整理する。

③ 問題行動が起こった時、周囲はどうのような対応をし、結果として、太郎君にどのようなことをもたらしたか、書き出し整理する。

①~③を整理して、見えてくる物があれば、その要因に対するアプローチが可能になってきます。できるだけ、そういう環境を作らないようにすれば、それだけで、かなり改善できることになるかも知れません。

次に、「あやうくなった時には、たたいたり、物を投げたりするのではなく、こうしましよう」ということをきちんと教え、できたらちゃんと形としてほめるシステムを作ります。このブログでも話題になっている、キャラクターごほうび制度のようなものです。

3つめは、被害を最小限にとどめるための、スクランブル体制です。太郎君があやうくなったときの、先生・周りの子・そして太郎君自身の身の処し方について話し合って基本形をつくります。

最後は、ご家庭との協力です。

学童保育としての設計図ができた時点で、お母さんと作戦会議をして、ご家庭での協力もお願いしようと思います。

こうした衝動性は、10歳を過ぎると、かなり改善される例も多いようです。2次災害を引き起こしたり、自分に対するマイナスイメージを増幅させたり、友達関係を悪くしてしまわないよう、小学校低学年での関わりが大切になってくると考えています。

うまくいくと期待していますが、これから随時、このブログで報告をさせていただこうと思っています。ぜひ、いいアイデアや感想などありましたら、お知らせいただければと思います。






先日、その太郎君が通知票をいただきました。

図工のAが、一つ増えたそうです。 それに、「生活のようす」 の 「関心・意欲・態度」 にもAがついたそうです。

昨日、うちの学童保育の指導員にもようすを尋ねたら、「この子は、ホントに変わった」 と笑顔で答えてくれました。

私も、この頃、何てやさしい表情になったんだろうと、驚いているのです。


この子の指導を始めた頃、私はどうしてよいかわからなくなってしまい、「私ではダメかも知れません」 と、お母さんにお伝えしたことがあります。

その時、お母さんは、「先生、何行っているんですか? この子が、どれだけ先生の事を慕っているかご存知ですか?弱音を吐かないでください」 と、叱られたことがあります。

あの時のことを、決して忘れることはできません。


この子、担任の先生には、とても恵まれました。

1年生の時の先生も、すばらしい先生でした。 

「いつまでも、この先生が担任でいられるわけではない」 とか 「2年生になったら、どうなるかわからない」 と言われたことがあります。

リスクを事前に指摘くださって、本当にありがとうございました。

ですが、2年生の時の先生は、タイプこそ違いますが、すばらしい教育実践と、あたたかい教育愛に満ちた、それはそれはすばらしい先生でした。

ご家族を始め、多くの方の豊かな愛情とご努力によってこの子の心は育っていったのだと思いますが、この担任の先生の教育的愛情をなくして、この子の心の育ちは決して語ることができないと私は思っています。

私は、この先生にお願いして、太郎君への特別プリントを学校で出していただき、それを私の教室で使って個別指導をしてきました。

当初、「勉強せん」 と言って、私の教室で涙を落としたこの子ですが、学校の宿題となると、頑張って取り組むことができました。

そうしているうちに、あれだけ固く閉ざされていた数認知の扉に、やっと私の指先がかかるところまでこぎ着けました。

時間はかかります。

でも、私は引っかかったこの指先を、絶対に離すことはないと心に誓っています。


2年生の学習到達目標という上から目線で見ると、まだまだ到達できていないところが多くあります。

しかし、この子が1年でどれだけ育つことができたかという 「下から目線?」 で見ると、そのクオリティの高さは、相当なものであったのではないかと思います。

それは、2年生なんだから、ここまでやってみよう、みんなと一緒にがんばっていこうという、学校での取り組みがあったからこそ、なしえたことではないでしょうか?


この子、ラジコンの車、一発で縦列駐車ができます。 1㎝の余裕があれば、ぴたりとその中に入れることができます。 私なんか、10回やっても1回も成功することができません。

苦手な事もあります。

しかし、得意なことだってあるのです。


この才能を、何とかこの子の肯定的な自己理解の支えとしたい。

学校の教育課程の指導目標は、特別の意味をもつ価値の高いものではありますが、それだけが唯一無二の絶対的な尺度ではないはず。

学校の成績だけで、未来が保障されるというものでもないはず。

それは、子どもの幸せを育むための、最も大切な営みの一つして、これからもずっと子どもの成長を支え続けて欲しいと思います。


一方で、ご家族や子どもの成長を支える立場にある者は、決して一般化してとらえることのできない、その子自身の良さや可能性をしっかりと見据えていくことが重要だと思います。

こうした肯定的な自己理解なくして、行動改善も、学びの意欲も、他者への愛情も、育むことはむずかしいのではないかと私は感じています。


自分の苦手なことも受け入れた上で、自分が好きになれる子

太郎君は、私の夢を叶える、なくてはならない子に、今でもずっと成長し続けているのです。


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