移りゆく時の流れの中で 人が育つということ

 2010-03-16
先ほど、6月から通ってくれるようになった3歳の男の子の、最後のレッスンが終了しました。

この春の異動で、ご家族が広島に引っ越されることになったのです。


「やっと、保育園が決まりました」

そう、お母さんは伝えてくれました。


この子が広島に行くにあたり、私は保育園の先生や関係機関の先生宛に、簡単な報告書を作成しました。

わずかA4用紙2枚程度の簡単なものですが、なるべく断片的な活動の数値のようなものではなく、この子の育ちのあゆみが感じ取れる心の通った文書になるよう配慮したつもりです。


報告書を書き終えたあとに指導を行うと、反応がいつもよりしっかりと返ってくることに、すぐに気がつきました。

私の頭の中で色々なことが整理され、指導のねらいも方法も、以前より精度が上がったのに違いありません。

少し前までは手こずっていたパズルやカードも、「えっ、君ってこんなに出来たっけ?」 と、驚くような場面が何度もあったし、表情も生き生きとして、いつもよりも多くの言語表出が見られました。


「やっと、ここまで来られたのに、ちょっともったいないですね」

この子が生まれ、この岡山の地で、このご家族はどのように歩んで来られたことでしょう。

これで最後というレッスンを終えたあと、私は涙をこらえるのに必死でした。

通い始めたころは、まだまだ幼い感じの子でしたのに、すいぶんとお兄ちゃんらしく、しっかりとしてきました。

それに、このまぶしいような、あふれるような笑顔。

その笑顔から、また、私の胸に熱いものがこみあげてくるのでありました。


このようなご家庭ですから、きっと新しい土地でも、この子の学びの場、育ちの場をしっかりと構成されていくことでしょう。

「単発でもいいので、また岡山に来られる時があったら、レッスンを受けにきてくださいね」

私は、そうお母さんにお伝えをしました。


ご家族に手を引かれ、初めて私の教室に入ったときに、とても不安な表情を浮かべる子がいます。

私は、そんな子の目を見る度に、「それは小さい頃の自分の目の色と同じだ」 と、感じることがあります。

私は、この活動を行うために、この世に生を受けたのだと本気で思っています。

あの不安で押しつぶされそうだった少年のころの私は、多くの人々、多くのできごとを通して、やっと自分の生きる意味を自分自身で受け止めることができるようになったのです。


先週の月曜日、私は体調を崩し、2日間、指導をお休みさせていただきました。

心に弱いところがあったと、とても恥ずかしく、悔いを残しています。

もっともっと強い気持ちをもって、1回1回のレッスンにきちんと向き合っていかなければなりません。

本当に、深く反省をしています。







できることであれば、5年・10年とずっとこの活動を続けていたい。

「今でも、こんなにたくさんの子どもを教えているんだよ」 と、この教室を卒業した子どもたちが再び尋ねてきてくれた時に、胸を張って笑顔で迎え入れてやりたい。

「先生、オレ今、ここでがんばっているよ」 と、きちんと報告に来られる場所に、ずっとずっと立ち続けたい。


どんな人生だって、決して一本調子であるわけがない。

人は色々な体験や出来事をくぐり抜けることによって、初めて自分の生きる意味を見つけていくのだと思っています。

私は、そうやって、多くの人に支えられて、やっとこの道を見つけた。


多くの人に支えられての私の今があるように、私は君の見えない手となって、ずっとずっと君を支え続けたい。

どんなに時が流れていこうとも、共に過ごした時間は決して消えない。


君は、きっと本当の自分を見つけたときに、それまでのご両親の深い愛情や、すばらしい先生方のことに感謝するに違いない。

そして、今度は自分自身が、誰かの幸せのために働き出すに違いない。


君にそんな日がやって来るまで、先生はずっとこの教室で子どもたちに向き合っていきたい。







45分という私たちに与えられた時間は、そういうことの積み重ねで生まれた必然なのです。

君とは今日まで全部で15回、そういう時間を一緒に過ごしたことになります。

たとえささやかであっても、わずかであっても、私たちにいただいたその時間を、これからも大切にしていきたい、そう願っているのです。

新しい土地で、弾むように躍動する、君の笑顔が目に浮かんできます。

人生は、ステキです。

今度会える日を、ずっとずっと楽しみにしています。


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コメント
先生の熱い思いが伝わります。。。。

どうかお体を大切に。私には何もできませんが、子どもが元気に教室に入っていく後姿をみるたびに、感謝の気持ちでいっぱいになります。。。
【2010/03/17 08:44】 | kainuma #- | [edit]
岡山の教室は、2階にありますから、元気に階段を駆け上がってくてくれる子どもの気持ちが、その一歩一歩の足音から伝わってきます。

時には、門からダッシュで走り上がって来る子もいます。

何よりの喜びです。

これもご家族のご協力と熱い思いがあればこそです。

私は、ただただそのお気持ちに応えようとしているに過ぎません。

これからも、どうぞよろしくお願いします。
【2010/03/18 16:26】 | SHINOBU #- | [edit]












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