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子どもの可能性の芽を育む (2年生太郎君の実践から)

 2010-03-12
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太郎君が、図書室から本を借りてきました。

国内で生産された車が何千台も載っている、車のカタログのような本です。

車の大好きな太郎君らしい選択です。

2人で何気なくそのカタログ図鑑を眺めていました。

すると太郎君、「これ、先生の車!」 と、言って何千台もの車の中から、私の車をピックアップするではありませんか?

私の車、3月に買ったばかりで、そのことを詳しく太郎君に教えたわけではありません。

私はメーカーも、車種も知っていますが、このカタログ図鑑から見つけ出すのは容易ではありません。

この子、どうしてこんなことが出来るのでしょう。

信じられないような気持ちです。


その太郎君にひらがなパズルをさせてみました。

ご覧のように、決して五十音順に攻略しているのではありません。

この子、パズルの形を見て、次々にはめていくのです。

たぶん、文字がなくても出来るのではないでしょうか?

以前に、言語に課題はあるけれども、裏返してでもパズルが出来る子に出会ってきましたから・・


その太郎君、また2年生ですが、パソコンのキーボード入力で、アルファベットを識別しながら、Googleで検索したりすることもできます。

辞書を勝手にカナ変換して、50いくつのキーを選択することもできます。

まさに恐るべき能力です。


今日、私が学校にお迎えに行った時、あるひょうきんな男の子が、妙なテンションでからんできました。

太郎君は、半分迷惑そうな、半分うれしそうな顔で、やりすごしていました。

「仲がいいなあ」

と、私が言うと、「仲がいいけど、時々ケンカする」 と、その子は返しました。

「そんなんだ~」

私は、そんなふうに自然に接してくれるこの子の存在を、心の芯からうれしく思いました。


「通常学級は無理」 「2年生ではどうなるかわかりませんよ」

その時、そんなふうに言われてきた言葉が、私の頭の中をよぎっていきました。


この日の指導中、太郎君はしゃべり続けました。 おいコラ、少しは黙っていなさいっていうくらいしゃべり続けました。

何がそんなに楽しいんでしょう。 ニコニコ笑顔で、とても楽しい時間でした。

保育園の時は、ほとんど表出言語が見られなかった子が、今は、「なんでやねん」 と、私のボケにツッコミを入れるまでになりました。


計算は苦手です。 これだけ文字の形を見分けることができるのに、数を量としてとらえることが苦手なのです。

視覚入力ですが、数処理は継次的です。

ですが、継次的に攻めれば、たし算の計算の答えが出せるところまでたどり着きました。


私、機会と環境さえ与えていただければ、ひき算でも、筆算でも、必ずこの子が答えを出せるようにする自信があります。

道筋は、しっかり見えています。

後は、その道を歩むだけです。

極論ですが、数唱と一対一対応さえ出来る子なら、どんなに大きな数になっても、たし算とひき算ができるようにさせることができると思っています。

ただし、時間は必要です。


何か苦手なことがある子は、それを補うかのように、必ず何か別な部分が発達する。

それは、私が心の拠り所としている仮説の一つです。


私が出来ないことを、太郎君は、当然のような顔で平気でやってのけます。

先日、私が体調が悪くて指導をお休みしたとき、すごく私のことを心配してくれたのも、この子です。

この真心と才能に、ぜひとも花を咲かせたい。


君が命を輝かす場所が、どこかにきっとあるに違いない。

誰と比べることもない。

あなたが、あなたらしく、今のままですくすくと大きくなっていってほしい。

私は、この子と一緒に勉強できることを、何よりの幸せに感じているのです。


リスクを精査して洗い出すことも、一方で大切な事だと思いますが、可能性を信じて取り組むことこそ、教育の王道であると心得ています。

指導者が出来ると思わないでいて、どうして甲子園に出場することができるでしょうか?

結果として、例え甲子園に出られなくとも、それを信じて日々取り組む練習こそ、人を育てていくのではないでしょうか?


どんなにそれが遠い道程であったとしても、私はご家族と共にその道を歩んでいきたい。

私、この子が計算できるようになると、心の芯から信じていますから。




【追伸】

この記事を書いた翌日、朝教室に行くと、扉の所に小さな袋がかけてありました。

中を開けてみると、きれいな包装紙にくるんだ手作りチョコレートと、色紙の裏に書かれた太郎君のメッセージが添えられていました。

男の子だけど、私の小さな恋人からの、とてもうれしいホワイトデーのプレゼントをいただきました。

この気持ちに応えたい。

自らが育ち、学ぶ手応えのないところに、決してこういう気持ちは芽生えてこないはずですから・・


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