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家庭でもできる個別支援の基本テクニック

 2010-03-02
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上の画像のような、色別のカラーボールをペグに差していく課題。

私、何度も何度も、あのカラーボールを、子どもに放り投げられてしまいました。(笑)

あなたなら、どうやって子どもがこの課題を達成できるよう支援していきますか?


私の個別支援のテクニックは、簡単に説明すると、スモールステップとプロンプトフェーディング、この2つの柱で集約されます。

スモールステップというのは、いっぺんにこの課題を済ませてしまうのではなく、細かな課題に小分けして、小さな階段を一歩ずつ登らせていくやり方です。

子どもの今のレベルと、活動の目的とが見えていれば、自然に課題は小分けすることができます。

まず、巧緻性が育ってない子どもには、穴の開いた部分を上に向けて一個ずつ手渡してやります。穴を上にして握ることができれば、たいていの子がスポッとペグに差し込むことができます。

15というボールの数が、集中力の限界を超えている子、心理的な負担感が強い子には、5個ずつ3回に分けて課題に取り組ます方法もあります。

また、色の識別や認知が不十分な子には、まず青色だけを事前に選んでトレイに入れ、青色のペグにだけ提示して、あとのペグには差し込まないようにさせます。

青 → 緑 → 黄 → 橙 → 赤 というように、順々にトレイを子どもに渡すのです。


最初は、支援100%の大人のやらせでいいのです。

専門用語では、これをフルプロントと言ったりします。

こうやって最初は厚い支援を施しながら、子どもに小さなステップを一歩ずつ登らせて、達成感をもたせ、モチベーションを高めるのです。

子どもによっては、何度かこれをやると、支援を必要としなくなります。 不必要な支援を、嫌がるようになります。

子どもは、基本的に一人でできるようになりたいと願っているのです。

このことを信じているからこそ、最初はフルプロンプトで構わないと思っています。


子どもが自分でやりたくなったら、余計な支援を少しずつ除去していきます。

この手法を、プロンプトフェーディング法といいます。

支援をしてうまくいくのと、下手くそだけど自分でやるのとでは、圧倒的に下手でも自分でやるこの子の方がレベルが高いのです。

ノープロンプト (支援なし) で、子どもが取り組むようになったら、そりゃあしめたものです。 それなら、できたも同然です。

一度間違えても、再試行できるようになったら、子どもははっきりとその課題をクリアできるレベルまで育ったということになります。

こうなることを見通して、簡単なことからスタートさせる。

これが私の個別支援の基本テクニックなのです。


どんなに困難で遠い目標であっても、子どもの特性を理解し、課題分析が正しくできていたなら、時間はかかっても、いつかは必ず達成可能です。

夢のある手法だと、思いませんか?


時には、ハードな課題にチャレンジしていくことは、とても大切な事だと考えています。

ボールを放り投げたら、ちゃんと 「それはいけないことだ」 と教えてやることも大事です。

しかし、個別の指導場面では、なぜボールを放り投げずにいられなかったか? その行動の読み解きは、とても重要な要素となるのです。


個別指導場面において、たとえ小さな一歩であっても、それは未来へ、希望へとつながる大切な一歩、そう信じて取り組む指導者と、ろくな手立てもしないで丸投げしてしまう指導者。

10年後、子どもが実際に育っているのは、一体どちらなのでしょう?




昨日4年生の男の子の指導を行いました。

私の関わっている子の中では、字をていねいに書くことができる子は、同時処理優位タイプの子が多いのです。

この子は、漢字をとてもきれいに書くことができます。

しかし、一歩順序性のステップを踏み外すと、理解はそこで中断します。

算数や社会など、図式で解説すると、余計に混乱します。

言語で、ていねいに、順序立てて教えてやる方が、理解度は格段に高くなります。

完全な継次処理優位の認知処理様式です。

わかってない訳じゃなくて、知識を結びつけるのが苦手なだけです。

こういう子には、「何々の△△」 というように呼び水となるキーワードと、関連づけさせるプライミングの手法が効果的です。

漢字がきれいにかけるという事実が、逆に私に勝手な思いこみをさせ、細かい部分での理解が不十分であったと、深く反省しています。

とてもではありませんが、「何々症には絵カードが有効」 というようなレベルでは、こうした具体的な個別指導場面に太刀打ちできません。

特性理解と言いながら、むしろ、一般的な特性に対する勝手な思いこみが、その子への正しい理解を妨げる場合だってあるのです。



深い子どもの特性理解と、スモールステップ。

言ってしまえばしれだけのことですが、なかなかどうして奥は深い。

奥が深いからこそ、探求心が煽られるし、子ども自信が自らの力で、私の支援から巣立ったときの感動はひとしおです。


「お母さん、このおかしの袋、あけてちょうだい~」

「そう、じゃあ、お母さんが袋の開け方、教えてあげるね~」

お母さんは、ポテトチップの袋をちょっとだけ開けて、そのお子さんに差し出しました。

子どもは、しっかりとお母さんのやり方を見ていて、自分で上手に袋を開けることができました。

「すごいね。一人でできたのね。」

次からはもう、お母さんの支援は必要でなくなりました。


原理は単純です。

専門知識も、むずかしい言葉もいりません。

必要なのは、深い子どもへの愛情と理解、そしてちょっとした工夫だけです。


家庭には、家庭にしかできない味があります。

私には、ご家庭の味は出せません。

お子様の大好きなすてきなカレーを、是非おうちでも作っていただきたいと願っています。


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コメント
こんばんは。だいぶすごしやすい季節になりましたが風邪などおひきじゃないでしょうか?
いつもブログ拝見しています^^この記事はとてもわかりやすくなかなか先生に指導を受けれないひと(私^^)には最高です。どうしても「こんなこともできないの!」と怒ることもしばしばある私にとって勉強になりました。少し手助けしてもいいんですもんね。それを機にできるようになり自信も付くでしょうし!またよろしくお願いします。
【2010/03/04 21:02】 | ひさよん #- | [edit]
記事でもふれましたが、私はご家庭では、ありのままのお母さんでいただくのが一番だと思います。

そのいつものお母さんが、ちょっとだけ勉強されたり、反省されたりするのが一番美しく尊い姿なのだと思っています。

お母さんは、世界に一人だけですからね。
【2010/03/05 12:36】 | SHINOBU #- | [edit]












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