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子どもの心を読み解くツール

 2010-02-19
今から10年以上も前の話になりますが、私は、歩けないほどの腹痛が不定期に襲うようになり、すぐに大きな病院に行くように勧められました。

午前中から検査が始まり、午後には緊急手術をすることになりました。

私は、手術なんて思ってもみませんでした。

家族をはじめ、あっちこっちに電話をして、夕方から手術が始まりました。

その時までは、盲腸の手術と信じていましたが、開腹してみると、それは 「虫垂炎」 ではなくて 「虫垂癌」 の手術になっていました。

今でも、私の腹部には20センチ以上の手術痕が残っています。


手術が終わると、私は ICU に入っていました。

ものすごい激痛が、何度も何度も襲ってきました。

あれは、モルヒネの注射なのでしょうか? 痛み止めを打つと、うそのように痛みは一時的にやわらいでいきました。



「あなたは、この ICU の中では、一番軽いはずなのに、そんなにギャーギャーわめいて・・ もっと根性入れなさい」

と、看護婦さんに何度も叱られました。

ICU から、一般病棟に移っても、激痛はちっともおさまりませんでした。


手術の大小じゃないはずです。 痛みを感じているのは私なのに、どうしてわかってくれないのでしょう?


その後、大腸の1/3とリンパ節を切除する再手術を勧められました。

実は私、その手術は拒否しました。

幸い、癌の転移はなく、私、今でも元気に生きています。


ドクターにも、看護婦さんにもわかってもらえなかったあの痛み。

それが、今でも私の心にずっと焼き付いているのです。



先日、ある男の子のお父さんから、こんな話を聞きました。

その子は、自分の気持ちをシールの色で示す取り組みを、ずっと続けているそうです。


白   =   ふつう

ブルー =   少し不安

赤   =   すごく不安


この2月の一時期、彼の記録用紙には赤いシールが続けて貼られていたようです。

実は、その原因となる出来事は、特定できているのです。

このところ、彼がこんなに赤いシールを続けて貼ることはあまりなかったようです。

それだけに、続けて貼られる赤いシールを目にすると、今の彼の気持ちが一層深く理解できるような気持ちになるし、それを乗りこえようと懸命に努力している彼の姿が愛おしく思う・・

お父さんは、そんなふうに私に伝えてくださいました。


なるほど、続けて貼られた赤いシールから、見えて来ること、伝わってくることがあるんだ・・

もし、このシールを見なかったとしたら、果たして同じように伝わってきたか、どうか?


言語でうまく伝えにくいタイプの子がいます。

言語コミュニケートはできても、気持ちを素直に伝えることが苦手な子もいます。

受け止める家族や指導者の姿勢や受容感度も大切です。

その上で、その子にあった理解のためのツールが有効であることを、私は今回学ばせていただくことができました。


心の痛みは、客観的な状況だけで判断できるものではありません。

その子自身が、今、どう感じているかを知ることが大切なのです。

今はそこを受け止め、支え、理解してやることが、その自身が、自分の足でそこから抜け出していくための近道になるかも知れません。

受け止めるための工夫は、やっぱり必要です。


大切に思う気持ちは、言語だけでなく、何かの形に示すことも大切です。

形から伝わること、感じることも、たくさんあるのです。

思ったら、感じたら、それをどう形にして伝えるかということも、私たちにとって大切な内容なのです。


今回の場合、その形が、赤いシールという一つのツールであったのです。



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