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手をたずさえることの大切さ

 2010-01-29
今日、インターナショナルスクールに通う、ある男の子のお母さんの、ご相談を伺いました。


日本で言えば、年長組さんの年齢です、と、お母さんはお話しくださいました。

この日のために、学校をお休みし、東京から来ていただきました。


米国籍のお子さんですが、日本語でのコミュニケートはできます。 学校は、インターナショナルスクールですので、授業のほとんどすべてが英語です。

事前に、プレスクルーでの個別指導計画(IEP)を送付していただきました。

英語ですので、細かいニュアンスはわかりませんが、興味深い視点がたくさんあり、日本の個別指導計画はかくあるべしと、とても参考になりました。

当日は、今インターナショナルスクールで学習しているポートフォリオをご持参いただいてのご相談となりました。

お母さんは、日本国籍をお持ちの方です。


お子さんは、色々な事に活発に取り組むタイプのお子さんでした。

全体を俯瞰したり、理由を尋ねられたり、文脈から推測したりすることは苦手であるけれど、映像をクリアにとらえたり、内容をきちんと精査したりすることが得意なタイプのように感じ取れました。


お母さんは、ずっと私のブログをお読みくださっていたようで、私の考え方やスタンスに対して深い理解を示してくださいました。

ここまで来ると、国籍も、環境の違いも何もありません。

そこには、真剣に子どもの育ちに向き合う母と支援者の姿があるに過ぎませんでした。

私は、いつものモードで、お子さんの育ちや環境、これまでの経過を順に伺いながら、これからのこの子の学びと育ちのあるべき姿について、お母さんと一緒に考えさせていただきました。


私がお伝えしたかった主な内容は

① 私の目から見たお子さんの特性と具体的な支援

② この年齢の時に軸足を置いておくべきこと

③ 今後、進んでいくであろう育ちのプロセスについて

④ 学校・家庭・支援者の役割と、今後、親として果たしていくべき内容

⑤ 行動改善に向けてのいくつかのステップ

⑥ 肯定的な自己理解、自己有用感、長所活用型指導と支援者の存在

などでした。


うまくお伝えできたかどうか、わかりません。

予定していた2時間は、あっという間に過ぎてしまいました。

このお母さんが、聡明な方であることは、具体的な細かい内容をお伝えすればするほど、強く感じることができました。


日本で生まれ、ニューヨークに渡り、再び日本へ・・

やがてまた、日本を離れる日も、そう遠くではないであろうという現実


そんな中で、お子さんの課題に真っ正面から向かっていかなければならない母の立場

前例もなければ、支援者も少ない、環境が違えば、スタイルだって、価値観だって、教育観だって違う・・

新しい土地で、新しい出会いの中で、誤解や無理解による子どもの痛みを最小限にしていくために、親としてなすべきこと、整理しておくこと、伝えておかなければならないこと

心配事をあげればきりがないが、誰も待ってはくれない。


初めて出会う人に、子どもの課題を 「なるほど、そういう事ですか。わかります。」 と、手にとるようにわかってもらうことは、至難の業です。

細かいこと、目立ちにくい事ほど、支援者も理解者も少なく、必要な支援が受けられずに、まるで低温やけどのように、じわりじわりと深く重いダメージを子どもに与えていくものです。

それを受け止めているのが、母として自分であるのなら、なすべきことがきっとあるはず。

口に出されたわけではありませんが、学校を休んで、東京からわざわざお越しくださったその想いが、じわりじわりと私の心に響いてくるように感じました。


「これから、時々メールでご相談させていただいていいですか?」

もちろん、お断りする理由なんて、どこにもありません。


帰る間際になって、男の子がベイブレードが大好きなことが、わかりました。

「先生の教室には、ベイブレードが10個以上あるんだよ」 と、伝えると、かわいいひとみを一層キラキラと輝かせました。


心に通うあたたかいものに、国境も国籍もありません。

あるのは、これから共に歩んでいこうとする私たちの出会いそのものであったはずです。

これから私が、支援者の一人として、この子の育ちにどこまでかかわることができるのかを、はかり知ることはできません。

もしかしたらNYに行って、彼と会う日がやってくるのかも知れませんし、直接、彼と言葉を交わすのは、この日が最後になるのかも知れません。

ですが、私は、今日からこの子の育ちのチームの一員です。

たとえわずかであろうと、どんな形であろうと、私の果たすべき役割がそこにあると思っています。


今日も、真っ暗闇の中で、小さい子どもを抱え、ただひたすらに涙を流しているお母さんが、きっとどこかにはずです。


たった一人ではないことを、わずかであっても、理解し、共感し、受け止めてくれる人が、きっとどこかにいることを、私は具体的な実践を通して、世に広く伝えていくことを、自分の責務と考えています。


> インターネットの普及で、先生もお忙しくなられましたね、

そうです、ブログがなければ、この子と会うこともなかったでしょう。

運命の出会い、まさに神様が会わせてくださったのです。

だからこそ、このお母さんは、今日から私の大切なパートナーの一人でもあるのです。


私が子どもたちにために何かができることで、自分自身の存在を確かめられるのと同じように、この子が誰かのために貢献できる存在、所属する集団の中で必要とされる存在に、何としても育てていかなければならないと思うのです。


相談を終えて、私は次の日の指導のため、午後には新幹線で大阪へ。

男の子とお母さんは、停電の影響のため、東京までの上り新幹線が大阪以降不通となり、神戸にもう一泊宿泊となる、予想だに出来ないアクシデントが起こるのです。


実は、弟のいるこの子は、大好きなお母さんと二人っきりで過ごしたいのです。

今日が、この子にとってスペシャルな1日であることは確かです。

私は今、大阪のホテルでこの記事を書いていますが、神戸にいるこの子の笑顔が見えてくるようです。

今、大好きなお母さんとどんな会話をしているのでしょうか?

大切で、愛おしい時間であるに違いありません。

きっとこの子、何か強いものをもっているような気がしてします。


どんな形でもいいから、自分の命を輝かせる子に育ってほしい。

どんなに時が流れても、そこにはいつも真摯な母の想いが存在しているのです。


主体者は、ご家族。

だからこそ、決して孤独にさせてはいけない。

たとえわずかであっても、手をたずさえていくことの大切さが、

きっとそこにあるのだと思うのです。



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コメント
素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。
【2010/02/02 16:58】 | 出会いんだ #UzsS.eyA | [edit]












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