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コミュニケートの力を育む感性

 2009-11-27
昨日の指導中、ある子が計算問題をしていて、「先生、ゆっくりやっていい?」 と、私に尋ねてきました。

ためらうことなく私は、「うん、いいよ。自分のペースでやったらいいんだから。」 と答えました。


この子とは長い付き合いですから、この発言がマイナス発言でないことを、心の芯から信じています。

誰よりも、ちゃんとやりたい、という気持ちの強い子です。

そういう子が、ゆっくりやっていい?、と尋ねるということは、かなり勇気のいることだったに違いありません。

これまで、こういう内容の事をうまく伝えることができなくて、マイナスの気持ちを、一杯に詰め込んでしまって、心が折れそうになった場面も多くあったことでしょう。

「よく勇気を出して、ちゃんと言えたね」

きちんと言えたことを、私はうんとほめてやりたい気持ちになりました。



わがままなことが言えなくて、甘えることが出来なくて、自分を出し切れないでじっとしている子がいます。

それとは逆に、ちゃんと自分の事を見てくれているか、叱ってくれくれるかどうかを、確かめるようにマイナス行動を起こす子もいます。

叱るときに叱れないのは、その子のマイナスな部分を許容することになります。 その子の心のメカニズムがちゃんと見えていない証拠です。

今回のように、状況によっては、叱ってはいけない場面だって、ケースによってはあるのです。

同じ一つの行動を見ても、その子の心が見えているかどうかで、対応は全く逆のものになってしまいます。


先日、隔週で広島から来てくださっているご家族の方からメールをいただきました。

「SHINOBU先生が、ついに、この子の好きな先生ナンバーワンになった」 と、いう内容でした。

私、めちゃくちゃうれしい気持ちになりました。

この子も、上手に自分の意志を伝えるのが苦手なタイプの子どもです。

言葉の数は少なくても、通じ合うものがあれば、コミュニケートは成立します。


言語の指導というと、どうしてもS-S法のようなテクニカルなものを中心に考えてしまいがちですが、まず子どもと通じ合う中身と環境が整わないと、コミュニケーション自体が不自然なものになり、うまく噛み合いません。

私と子どもが通じ合う中身は、「楽しい学習」 の一言に尽きます。


まず、ありのままの子どもの姿を受け入れて、その心の中にある学びの欲求を掘り起こす。

そして、まずは小さな一歩からスタートして、ちょっとずつ達成感をもたせ、成長の手応えが味わえるようにしていく。

次に、自分の長所を生かし、苦手なことを少しずつ克服していく。

君がどんなに大切な存在かを、行動の一つ一つを通して伝え続け、苦手なことも含めて、自分が大好きになれる感覚を育てていく。

ずっとずっとそのことを続けていくことで、子どもは私のことが好きになっていくのだと考えています。


通じ合う中身があり、環境が整うと、多少構音などに課題があっても、子どもはどんどん私に語りかけてくれるようになります。

私の指導では、お母さんが同室される場合と、そうでない場合があります。

毎週の指導ができにくく、テクニカルな指導に重点を置く場合は、ご家族が同室された方がよいかも知れませんが、子どもと私の2人になると、子どもは急に生き生きとしゃべりだす場合がほとんどです。

教育的にかかわる者と子どもとの間に、こうした関係性が育つことは、何よりも子どもの利益に通じると考えています。

このように通じ合うものがそこにあり、気持ちを受け止めながらも、教育的にかかわるインリアルなアプローチの方が、長い目で見れば、言語の面でも、コミュニケーションの面でも、力がついていくのではないかと私は体験的に思うのです。

そのバランスは、お子さんによって、発達の段階によって、微妙に変わってくると思います。

要は向かう先がちゃんとあり、子どもの今がちゃんと見えるということに尽きると思います。


言語はコミュニケートの一つの媒体です。

コミュニケートは、通じ合う何かが子どもとの間に生じてこそ、豊かになっていくものです。

指導者と、子どもとの心に芽生えた信頼感は、やがてきっと大きな教育的な効果をもたらすことでしょう。

それを構成していくのも、ご家族の大切な役割であると、私は思うのです。


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