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教育のステキな可能性 (中学校 通常学級でのエピソードから)

 2009-11-19
昨日、ある中学校へ訪問させていただきました。

昨年に続いて2度目の訪問です。

この学校の校長先生は、特別支援教育の大切な部分を、学校教育の根幹に取り入れていこうと考えられている方です。


当然ですが、昨年1年生だった子が、2年生になっています。

昨年、訪問させていただいた時に、注目していた生徒がいます。

場の空気、細かい感情理解や、文脈の中から類推したりすることが苦手なタイプの男の子です。

昨年は、細かい部分で食い違い、ギスギスしたり、イライラしたりすることが多く、自分が受け入れられていないという思いを強くもっているようでした。


さて、今年はどうなっているかと、教室に伺ってみると、しっかりいました。 すぐに見つけることができました。

昨年は理科の時間でした。 その時は、イライラしたようすで、鉛筆を何度もクルクル回していたのが、印象に残っていました。

1年ぶりですが、しばらく観察していると、その変化にすぐに気がつきました。

何か表情がやわらかい。 英語の授業でしたが、とても一所懸命勉強している。 個別指導を受けている別の子と会話をしたり、一緒に勉強したりしている。

何なんだ、この変化は? 私は驚きました。


授業後に、先生方とケース会議をさせていただきました。

そこで、私は、彼が生徒会役員に立候補して、当選したという話を聞きました。

この学校らしいな、と、心から感じられました。


彼が、立候補したということで、先生も、クラスメイトも、きっと不安がよぎったに違いありません。しかし、結果として、彼が当選するというところに、この学校が目指している生徒中心の授業づくり・学校づくりの大きなベクトルが機能したに違いありません。


彼は、このことで自分が他から受け入れられているという思いを強くもったことでしょう。

彼の大変身が、ここからスタートしたのです。

みんなの気持ちが、形となって具現化されていったのです。



この中学校、すごく柔軟な授業づくりをされていました。

一斉授業でありながら、主体者として個々の生徒が学習に向き合っていましたし、個別学習の時間なのに、みんなで一緒に勉強しようや~、みたいなムードがどのクラスにも見受けられました。

同じ教科書、同じ題材を使って、別室で個別学習が行われていました。 担当教科の授業のない先生が、空き時間には個別指導に回られているようです。

また、一つの教室に、多いときは4名の先生が同時に指導をされていました。 チームとして、それぞれの先生方が相互に信頼しあっているようすが、様々な場面でうかがえました。

個別指導で力をつけている子の事を、クラスのみんなが知っていて、私も負けられないと感じているということも教えていただきました。

個々に目を向ければ、様々な課題・厳しい場面もあるのですが、子どもたちの表情は穏やかで、真剣だけど、どの教室にもあたたかい安定した雰囲気が漂っていました。


「私の教員生活の中で、これほど職員に恵まれたことはありません」 

「特別支援教育にかかわる先生の理念や技術を、もっともっと学ばせて欲しい」

「可能な限り、先生をお招きしてケース会を開きたい」

校長先生は、そう言ってくださいました。 学校経営に対する自信と誇りに満ちあふれた言葉です。


こういう流れは、学校でしか作れません。 これぞ、学校教育の無限の可能性であり、大げさに言えば、日本の学校が世界に誇る教育の専門性なのだと思います。


私は、個々の特性理解にかかわること、幼児期からここまでどんな認知の段階を経て、生徒の今があるかということ、認知処理様式を2つの軸で考えて指導を構成すること、T1と支援員の先生の指導の内容的な連携、そして 課題のある子どもの 家族が中学校へどんな思いをもって見つめているかなどをお伝えしました。


予定時間をはるかにオーバーしてしまい、後の予定の調整が大変でした・・

学ばせていただいたのも、収穫を感じることが出来たのも、それは私の方でした。

私は今、何人かの子どもの就学を、ご家族の方と一緒に見つめていますが、目指すべき一つの形がここにあります。


私がここで実際に見たという責任を、かかわっている子どもたちのためにも、きちんと果たしていかなければと感じるのでありました。


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