「就学前・小学校・中学校」 まったく違う文化に揺れる保護者

 2009-11-09
私は20年以上、小学校の現場で働いていました。

家内は現役の保育士でしたが、実際の保育の現場の事について関心をもつことは、ほとんどありませんでした。

幼稚園や保育園へ頻繁に足を運ぶようになったのは、生徒指導主事や教務主任になってからです。学級担任時代には、幼稚園や保育園に行くこともなければ、話をする機会もほとんどありませんでした。

幼稚園・保育園・中学校の先生方と交流できるのは、中学校区で行われる同和教育の研修会の時くらいでした。実際に保育や教育の様子を見ることは皆無に近い状態でした。


生徒指導主事時代、中学校の担当の先生から是非相互交流をしようという話になり、参観日を利用して初めて中学校の授業を参観しました。

そこには6年生の時に、専科として理科を教えた子どもたちの姿がありました。私が行くと、手を振って喜んでくれましたが、チャイムが鳴るとほとんどの教室で、講義式の授業が淡々と行われ、良くも悪くも、ひたすら板書された文字をノートに写す子どもの姿がそこにありました。

活気もなければ、主体的な学習でもない。でも余計なことを言ったり、わがままな行動をする子の姿もない。6年生の時に、教室を抜け出して私と個別学習をしていた子も、ちゃんと席について一斉授業を受けていました。

逆に小学校では、ほとんど休む事も無かった子が、学習面で大きな壁にぶつかり、中学校では不登校状態になっているケースもありました。小学校の教師でありながら、中学校の授業をこの年になるまで見る機会がなかったという事に、何とも言えない気持ちを持つと同時に、近くて遠い中学校の存在を改めて知ることになりました。


教務主任時代は、就学の直接の窓口になっていましたから、幼稚園・保育園では、何度も足を運びました。クリスマス会でサンタクロースの役をしたり、もちつき大会で杵をもったりしました。

逆上がりなど幼稚園・保育園で出来ていたことが、小学校で出来なくなる場面も多く見てきました。発表会など、小学校の中学年以上の完成度という逆転現象や、あんなにきちんと出来ていた集団行動も、小学校の運動会の開会式で、砂いじりばかりしている子どもの姿をみると複雑な気持ちになりました。

年長で小さい子のお世話が出来るまでに育った子が、小学校では6年生に給食やそうじの手伝いを受ける・・

最近では、幼・保と小学校との連携が比較的進み、実際に幼稚園・保育園へ足を運ばれる小学校の先生も増え、かなり風通しがよくなったように思います。


しかし、就学前に行われていた医療や療育のサポートが、就学と同時に減少されるケースは多いようです。

特別支援学級などが、メインの教育機関として、その子の学びを支えていくことになるのですが、ここ10年で急速に進歩した発達にかかわる理念や技法に対して、小学校の現場には、それだけの専門性をもった人材があまりにも不足している現実がそこにあります。

子どもがそれまで受けてきた医療や療育のサポートを理解し、それを踏まえた上で、主体者としての教育の専門性を発揮できる人材の育成が急務となっています。

すばらしい情熱と教育的な力量をもった先生も多くいますが、現実にはそのギャップはあまりにも激しいように感じています。 「通常学級の担任ができないから・・」 という、あってはならない理由で、支援級の担任になるケースも無いとは言えないのが現実です。


最近は、相談員という形で、中学校へ公式訪問させていただく機会があります。

中学校は、独特の文化のあるところだ、というのが私の印象です。

小学校の特別支援教育の流れが、そのまま中学校には引き継がれていると考えない方が良いと思います。

当然のことながら、学校によってその取り組みには、かなりの開きがあるようです。

小学校の段階で、当該中学校に保護者が訪問されるケースも、私の耳にちょくちょく入ってくるようになりました。

中学卒業後のことが、目の前にありますから、ここの選択も迷う所です。

当然地元の中学校をベースに考えられると思いますが、そうでないケースもごく普通になってきました。

私は、同じ学年で同じようなタイプの6年生、一人は地元の通常級、一人を別の中学の支援級に進学させました。

どちらがよかったかという答えを、いまだに見つけることはできません。


こういうことに対するリアルな情報についても、皆さんにお届けする責務が、私にはあるのではないかと思うようになってきました。

私は、皆さんと同じ立場で、同じ視線でサポートさせていただきながらも、私にしかできないことで、子どもやご家族のお役に立つことができればと考えています。

皆様が平素お感じになっていることなどありましたら、ぜひお知らせいただければ幸いです。

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コメント
こんばんは。私は北九州に住んでるのでもちろん定期的に通うことは不可能だとは思いますが、機会があれば一度ご指導(相談)お願いできたらなと思っています。お忙しそうですが、現在どのくらいの待ちがあるのでしょうか?
【2009/11/09 20:44】 | ひさよん #- | [edit]
いつもコメントありがとうございます。

プライベイトなご相談につきましては、メールを通してお知らせした方がよいと思われますので、お手数ですが shinobu@mopera.net まで、ご連絡ください。折り返しご返信を差し上げます。

どうぞよろしくお願いします。

【2009/11/09 21:59】 | SHINOBU #- | [edit]
お久しぶりです。
中学は小学校とは別世界で、小学校で先送りできた問題点が一挙に噴出する時期かと感じています。

「障害認知を含めた自己認知」「自己肯定感」の両者を学校生活を通じながら学ぶことがとても大切です。「できない自分」より「ここができる自分」を大人や級友の助けを借りて伸ばすことができれば大成功かと。

過去の自分の上に今と10年先の両者を大事に考える作業が必要です。
個々でその作業は全く異なるでしょう。
普通級のお子さんもいれば、支援級のお子さんもあるでしょう。
結局個々のケースでしか物事は語れません。

そして、長いライフスパンでの支援を考えたとき
「遠くからさりげなく見守る専門家」の存在が大きいのです。

中学生以降で発達障害が判明した際に現状では
こうした専門家の見守りが過去にも現在にも未来にも得がたい。
そのしんどさは並大抵ではありません。

小学校時代からのゆるい支援が学校内外で継続されることは(我が家でもそうですが)、随分一般化してきています。そして、2次障害の問題を回避できます。本来の凹凸の問題に対応すればよいです。
適切な支援があることは「子供の財産」だと実感しています。

中学以降の問題はまだこれからです。
今、中学あたりのお子さんや関係者がよいかたちでの支援を実現することが、
いまだ未開の地の「大人の発達障害」への支援への手がかりになるような気がします。

どうか、親だけでなく、関わる人皆がなんらかの意味で長い人生を支える覚悟で支援者が当事者に関わっていってください。よろしくお願いいたします。
【2009/11/09 22:09】 | 双子の母 #PNOQ3fDM | [edit]
さすがに歩んでこられた重みが違いますね。

私の果たすべき役割も、確認させていただいたような思いです。

今回もご指摘も、きっと多くの方の指針となることでしょう。

いつも、本当にありがとうございます。
【2009/11/10 09:05】 | SHINOBU #- | [edit]












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