個別の認知特性の観点から 通常学級の授業を見る
2009-10-29
昨日は、機会があって私が個別指導をさせていただいているイチロー君 (小2) のクラスの国語の授業を参観させていただきました。担任の先生は、すばらしいセンスをもった新進気鋭の若手の男性の先生です。
この日の学習は、物語文から主人公の特徴をまとめていく内容です。
先生は、子どもたちの発言を引き出しながら、主人公の登場人物に対するかかわりを、順に黒板に板書して、まとめていこうとされています。
挿絵を2枚用意して、時折映像でそのことを振り返っていました。
多くの子の発言があり、とても活発な授業でした。
そもそも私に公開することを前提として、こうした読解のキモの授業を設定することに、この先生の前向きな姿勢が伺えます。
しかし、当然ですが、常時発言している子は一部の子であって、途中で何が何だかわからなくなり、週末のまとめで支援が必要な子も多くいました。
支援の先生も、個別の対応をされてはいましたが、やはり後手に回っている感じは否めませんでした。
授業後、教頭先生と私と彼との3人で授業反省会をさせていただきました。
私は、子どもの多様な認知特性という視点で、子どもの立場になって、この日の授業を振り返ってみました。
「子どもの認知特性は、千差万別で、発達によって変化していくものではありますが、それをいくつかの軸にまとめて考えることもできます。例えば、聴覚性と視覚性という軸もあれば、細かいことを精緻にとらえる軸、全体や文脈を理解するといった軸もあります。例えば、視覚優位の子は、次から次へと言葉のシャワーが降り注ぐと、何が何だかわかににくくなる傾向があります。言葉を時系列に従い、順序よく整理する方がわかりやすいタイプの子もいれば、それだと情報量が多すぎてあっぷあっぷする子もいるのです。言葉の情報量が多すぎると感じやすいタイプの子には、あの挿絵を使って内容を1枚の紙に統合化する学習の方が有効です。表に時系列で言葉で整理する方法と同時に、映像に統合化する支援を組み合わせるこもは可能だと思います。もし、支援の先生にその視点があれば、支援の内容がダイナミックになったかも知れません。私が担任なら、週末のまとめの時に、イチロー君のようなタイプの子には、選択形式の補助的なワークシートを与えます。それできっと彼はさらに達成感をもつことができると思います。ちなみに私は、今日の先生のような授業がわかりやすいタイプです。だから自分の講演の時には、苦手なパワーポイントをそういうタイプの方のために補助的に使っています。それは、私と反対の認知特性の方がいることを知っているからです。教師は自分の得意な方法で指導を組み立てることが第一ですが、それをふまえたうえで、ちょっとだけそういう配慮ができると、先生の力量はさらにアップされると思います。」
この先生は、「あっ、そうか〜、と大きくうなずいてくれました。」
何かがストンと心の中に落ちたようで、もう次への一歩を踏み出しているように感じ取れました。
先生方へのご相談が終わったあと、私はイチロー君のお宅に伺い、いつものように45分の個別指導をさせていただきました。
そこには元気いっぱいの、明るいイチロー君の姿がありました。
お母さんも、この先生はすばらしい先生だと、とても感謝されていました。


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