果てしなき 数概念形成の道

 2009-10-02
みきちゃん (=仮名・ダウン症・小二・支援級)は、この9月から週1度90分のレッスンを受けに通ってくれるようになりました。

夏休み期間中の最初のご相談の時、「SHINOBU先生の力を借りて、どうしてもこの子に力をつけてやりたい」 という、お母さんの強い気持ちを感じました。

「形だけではない本物の力を育ててやりたい。学校を早退してでも、空いている時間に、ぜひ先生に指導をお願いしたい・・」

そうまで言ってくださいました。

いくら何でも学校を早退してまでお越しくださるのは・・ と当初はとまどっていましたが、ご縁があり、9月より毎週木曜日の放課後に90分の指導をさせていただくことが可能になりました。

いくつかの偶然が重なったわけですが、やはりご家族の強い気持ちは、運まで引き寄せる物だと改めて感じました。



昨日のみきちゃんの学習メニューです。 (1ユニット15分程度)

1 いっしょにつくろう  (昨日はティッシュの空き箱を利用したポシェットをいっしょに作りました。イントロの手作業課題です。モチベーションの高い子には、こうした活動を先に入れます。)

2 こくごプリントをしよう  (読解のプリントを3枚程度します。小さな支援をたくさん入れて達成感をもたせます。)

3 パズルをしよう  (アンパンマン30Pパズルをしました。図柄の認知力・順序立てて考えたり、手先の巧緻性を育てたいと考えています。)

4 パソコンをしよう  (学習ソフトを使って、数の認知力を養います。先週よりもかなり上達し、手応えを感じています。)

5 さんすうプリントをしよう  (導入は若干迷いましたが、先週より、学校とは違うSHINOBU流の方法で、テクニカルに正答を出させる方法を教えました。先週は抵抗感があって、3問くらいで泣きが入りましたが、今週は20問、あっという間にできました。私の方がびっくりしました。)

6 おかいものゲームをしよう  (得意のおかいものゲームです。ゆさぶりをかけながら、小さなステップを構成しながら、数概念をここで入れます。文字通りこれが今の中心教材です。先週はにんじんの葉っぱをちぎって放り投げていましたが、今週はばっちり指導に食いついてきました。)



9月の指導開始から1ヶ月が経ちました。

1週目は、お母さんが見守ってくだり、緊張感もあり、みきちゃんパキパキにがんばっていました。

2週目は、お母さんには退室していただき、基本メニューを構成してマンツーマンで指導を始めました。

3週目は、運動会を控えていたこともあってか、体調が万全ではなかったのでしょう。そんなに他意はないのでしょうが、場にふさわしくない内容の発言がいくつか見られました。こういうときは、あまりいじくらずに次の指導に賭けるのが私流です。

4週目  今週は、先週の事がありましたから、さらに気合いを入れて準備をしました。マイナス行動も1回目は仕方ありませんが、決して2週続けてはなりません。多くの場合は、次の週はうまくいくことを、私は体験的に理解しています。ですから、今週はピンチではなく、チャンスだと思っていました。


今週は、ほぼイメージ通りの指導が入りました。

こういう子は、うまく乗せると、期待以上の成果をあげてくれます。

でも、何かのことで歯車が狂うと、なかなかそれは大変です。時には、築き上げた信頼感が、たった1度出来事で崩れ去ることもあります。

それは、決して子どもの利益につながりませんから、私の立場ではどうしてもそこは慎重になります。


ご家族の皆様は、私の実践や経歴などをご覧になり、十分私のことを理解してここにお越しくださっているわけですが、子どもにとっては、これまでの実績や経歴は、何の重みもありません。

あるのはただ、先生と勉強すると何だかよくわかるとか、何かが出来るようになって楽しいとか、そういう自分が伸びていく素朴な感覚だけです。

それがなければ、こうしたパーソナルな個別指導は成立しません。

そう言う意味で、みきちゃんは、計算が簡単にできる方法を、SHINOBU流先生に教えてもらったというインパクトが大きかったのだと思います。

お母さんにも、とても喜んでいただきました。


しかし、みきちゃんがこれから歩んでいく数概念の形成は、果てしなき道です。

SHINOBU先生からまだバットの握り方を教えてもらっただけで、生きたボールが打てるようになるためには、まだまだ何千回もスイングの練習をしなければならないのです。

今やっている練習をすれば、必ず打てるようになると思えなくて、どうしてこれから毎回素振りの練習を続けることができるでしょう。

コツンとバットにボールが当たったり、練習試合で塁に出たりすることがあるから、がんばって練習ができるというものです。


自分自身で目標がもて、そこに向かって自分の足で歩めるようになれば、私の役割の大部分は終了したことになります。

そういう子に育てていくために、今は質の高い、厚い支援を施すのです。

最初は構えたバットに、私の方がボールを当ててやっているようなものです。

当たった、出来た、面白い・・

次は、少し遠くから投げてバットを振らせ、当たったことをしっかりほめます。

レベルが上がったのは誰よりも本人が自覚しますし、出会い頭のホームランが間欠強化刺激になり、やる気をさらに確かなものにしていきます。

これが私のやり方です。


こうした私のやり方を理解してくださり、その強い意志で、結果として毎週90分指導を構成されたのは、私ではなくてお母さんです。

私はそれを受けて、自分流の指導を行っただけです。 

言わば私とお母さんの共同作業で作ってきた物です。

その結果は、みきちゃん自身が享受するわけです。


その形は、百万通りあると思います。

それぞれの家庭・それぞれの地域合った形が必ずあると思いますが、まだまだ既製品は少ないようです。

それには、ご自身で作られたり、ネットで検索したり、実際に足を運んだりする努力が必要です。


決して目を三角にしてあせることはありません。

お子様のために、ていねいにていねいに作り上げていただきたいと思います。

本物を作るのは大変なことですが、それは価値ある尊いことに違いありませんから。



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