物を投げるという 子どもの行動を読み解く
2009-09-16
人間にとってコミュニケートは、とても大切なことです。狭義では、言語コミュニケートが中心になりますが、動作・しぐさ・表情・それまでの展開なども、コミュニケートの大切な要素となります。
言語を媒介としなくても、通じ合う心というものはあるはずです。
人間の集団所属要求を司るのは、大脳辺縁系といって、食欲や睡眠など、人間の生存にかかわるぶぶんなのです。
それだけ、通じ合うと言うことは、人間の存在そのものに深く関わっているということができます。
私の指導のねらいと子どもの心が一致しない場面があるとします。
そのことを言葉で言う子もいれば、そうでない子もいます。
たとえ言葉では言わなくても、表情や鉛筆のスピードなどで、そのことは伝わってきます。
何でもかんでも子どもに迎合するわけにはいきませんから、キリのよい所までは続けますが、次の指導にはそのことを踏まえて、何か一工夫するように心がけています。
私は、子ども本来の成長の願いをかなえる、ということを指導の特色と考えていますから、こういう指導のスタンスを取るのです。
先日、小さい子に、絵カードを使った指導をしていました。
動物やくだもののカードは、それは楽しそうに受け取って眺めています。
特によくわかるカードの時には、発語も見られます。
ところが、わかりにくいカードを渡すと、とたんにその子はカードを放り投げてしましました。
もちろん、行為として、カードを投げるといくことは望ましくないことですから、見過ごすわけにはいいきません。
望ましいコミュニケーション方法を教えて、やらせて、ほめて、育てていかなくてはなりません。
これが、この子の今後の課題となります。
でも、コミュニケートは相互の関係性の問題ですから、私自身が大いに反省しなければならない点が多くあるわけです。
これだけはっきり示してくれれば、次の教材作成の大きな資料となります。
もし、この子がそこまでの反応を示さない子であったら、果たして私はすぐに教材の見直しに取りかかったかどうか?
もしかしたら、レベルに合っていないつまらない教材を延々と提示して、たいくつな時間を過ごさせることになったのかも知れないわけです。
うまくいかないという反応があるからこそ、より緊急に、真剣にその解決に向けて取り組んでいくわけです。
このことは、子どもの利益という観点からみれば、むしろ大切なことではないかという気になってきました。
適応しないより、適応できたほうが良いに決まっています。
活動に目を輝かして、生き生きと取り組み、自分の力をどんどん伸ばしていく、
これが、私の目指す姿です。
しかし、何事もなければ、淡々とメニューが進んでいけば、それでいいとは思っていません。
離席をしたり、物を投げたり、活動に消極的なるのは、私への大切なメッセージであり、そこに成長の願いや欲求があるからこそ起こる出来事だと私はとらえています。
でなきゃ、カードは投げないと、私は思います。
信頼感や期待があるからこそ、投げるカードもあると私は思っています。
何事もなければそれでよい、安定していればそれでよいというのではなくて、子どもが育つのであれば、それが子どもの成長や利益につながるのであれば、そのことはむしろ大切で尊いできごとなのかもしれないと思うのです。
学校や園ではよい子なのに、家では困ることが多いというケースもよく伺います。
それは、家での対応がまずいということでは、決してないのです。
それだけ家庭が、その子を受け入れる器が大きいということなのではないかと思います。
離席などを、力で押さえつけるのは簡単です。
きびしく叱ればいいわけですから・・
勘違いしてもいけませんから、ちゃんと教えて、明確に枠組みを構成することも大切です。
与えられたメニューを淡々とこなし、受け身のままで指導が済んで、それがご家族の願いであるならば、それが子どもの利益につながるのであれば、喜んでシフトチェンジをさせていただきます。
しかし私は、子どもの心のメッセージを読み解き、子どもの本来の学びの欲求を掘り起こし、命を輝かせるような指導を行いたいのです。
次の指導の日、新しく作った絵カードで、あの子がどんな反応を示すか、私の心はドキドキです。
そして、生き生き笑顔でカードの活動に取り組んでくれたなら、きっと私とその子とのパイプは、一回りも二回りも太くなっていくのではないかと思っています。
それが簡単でない作業であることは、百も承知です。
困難指数が多ければ多いほど、それが育ての主体者であることを示しているのでないでしょうか?
不適応な行動は、子どもの願いの裏返しに違いありません。
そのしんどいところに、ご家族とともに、真っ正面から向き合っていく自分でいたいと思います。
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