我が子の発達のストーリーに寄り添うこと  (見通しをもつという支援・待つという支援・組み立てる支援)

 2009-08-10
イチロー君 (小2) の1学期の最も大きなテーマの一つは、「繰り上がり・繰り下がりの筆算」でした。

もともと、「やりたい」 「できるようになりたい」 という気持ちの強いお子さんですから、苦手な課題に対しては、どうしても揺れますし、あせりを感じます。

その結果、当然家族も、そして私のような指導者さえも、どうしても揺れますし、あせりを感じないと言ったらウソになります。


今回のケースでは、よかれと思い取り組んだことですが、ちょっと強引に進めて、気持ちを少し痛めた局面がありました。

私には他の子への指導の実践がありますから、「こうすれば、君なら必ずできる」 という見通しがあります。

ですから、それを早く実施して成果を上げたいという野望?があります。

この部分が、子どもの気持ちから離れてしまうと、自分の実績のために子どもをダシにするという逆転現象が起こり、目先は良くても、一番大切な子どもの心のつぶだちが失われてしまいます。

子どもを育てるのが目的であって、計算はそのたった一つのスキルにしか過ぎませんから、これでは何にもならないわけです。

私は計算ができることも、とても大切なことだと考えていますが、目標は、この子を社会の中で活躍できる子に育て、幸せに暮らしてもらうことです。そのために、この子には、肯定的な自己理解をどんどん深めていってほしいと願っているのです。


この子が混乱した原因の一つは、学校でのやり方が減加法であるのに対して、私は彼の認知特性を考えると、減減法で取り組ませたらどうかという気持ちがあったことです。

そこでご家族には、「こうすればこの子はできる」 というという私の考えをお伝えしました。


ちょうど夏休みになって、学習内容も時間的に少し整理されてきます。

そういうこともあって、時期を見て、そして彼の目を見て、夏休み期間中にはチャレンジしよう、私はそう決断しました。

宿題もあるので、そこはひとつ、ご家族に任せてみようとも思いました。


先週の土曜日に、イチロー君はやってきました。

教室の扉を開けるや否や、「繰り下がりの筆算の抵抗感が少なくなりました」 と、お父さんが伝えてくれました。

私はその瞬間、「来た!」 と思いましたし、何が起こったのか大体わかりました。

そして、「待って本当に良かった」 と、心から思いました。


早速、繰り下がりの筆算をやらせてみると、学校で学習した 「減加法」 を、彼の思考に合わせてていねいにアレンジした手順が身についていました。

結局ご両親は、学校で習ったことを、イチロー君の思考回路に合わせて、ていねいに示し定着させたようです。

私は、正直夏休みの期間中にはここまでは来れないのではないか、と思っていましたので、もっと単純に答えの出る方法を先に身につけ、そこから数の量的なイメージを形成していけばどうかと考えていました。

完全な、ご家族の勝利です。

そして、今後もこんな形で、ご家族の方と連携や工夫ができていったなら、どんなにすばらしいだろうと感じました。


ひき算の計算が終わった後、イチロー君は、「たし算のひっ算もやりたい」 と、言い出しました。

この繰り上がりのたし算で、1学期どんなに揺れたことでしょう。

そこには、自信満々で、あっという間に計算を成し遂げる、目の輝いたイチロー君の表情がありました。

お楽しみの遊びより、できるようになった計算をやりたい。

イチロー君、自分に自信もちましたね!

これぞ、肯定的な自己理解の第一ステップです。


先日、花子ちゃん (小3) の指導の時、お母さんが妹さんのトイレを借りに来られました。

指導時間終了の15分くらい前の時間だったと思いますが、花子ちゃん、お母さんが来たので、もうすぐに帰らなくちゃいけないのかと勘違いし、その場で泣き始めました。

最後の10分で、私に折り紙ができるようになったことを伝えたかったのです。

まだ教室で勉強できるとわかった瞬間、花子ちゃんは泣くのをやめて、できるようになった折り紙を、私の前で得意げ教えてくれました。

私は、平面認知の苦手だった花子ちゃんが折り紙をするというのは、画期的なことだと思っています。私はその10分間で、そのすばらしい成長ぶりをたっぷり味わうことができました。彼女の字が上手になってきたことと、この折り紙とが密接な関連があるのだと、私は信じています。


ひらがなの学習にはまっているはるかちゃん (小1) は、時間が終了してもなかなか帰ろうとしません。 来るときも、気持ちがはやり、車の中でやる気満々だったと聞きました。

みんなみんな自分の成長が、何よりの喜びなのです。


「何もしないノーケア」 と 「待つ支援」 とは、天と地の開きがあります。

太郎君 (小2) も、算数の筆算を指導していますが、彼の場合は、状況からして先に 「減減法」 を入れた方がよいのではないかと見ています。

これも、しっかり彼の目を見ながら、進めて行こうと考えています。


苦しんだケースであればあるほど、子どもは大きな喜びと幸せを運んでくれます。

決して、あきらめてはいけません。

今回のケースからも、時には、「何のために?」  「誰のために?」  をしっかり見つめてみることも、大切なのではないかと、改めて感じることができました。


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