継次処理タイプの子どもの読解指導のポイント

 2009-07-11
昨日指導した小5の女の子は、私のところに来てくれるようになってもう1年になります。

ブログをご覧になってお申し込みをいただいた第1号のお子さんです。

昨日は海の学校から帰ってきたばかりでしたが、「ここに来ると全然眠くなるなる!」 と、言ってくれます。

「勉強、わかるから楽しいんよ」

と、本当にいつも可愛いこと言ってくれます。

だから私も、指導の工夫にも自然に力が入ります。


昨年は、学校での行動面含めた適応の課題もありました。

私も、何度か学校を訪問させていただき、校長先生・教頭先生・担任の先生・コーディネーターの先生(支援学級の先生)と、相談をさせていただきました。

以前は、毎日のように学校から電話がかかってくる時期もありましたが、今では全くそう言うことがなくなってきました。

「あまりにも何もなくて、びっくりしています。去年までの事は一体何だったのだろう」

お母さんは、そういう内容のことを私に伝えてくださいました。

学校での適応の問題が、その子だけの問題ではなくて、関係性の課題であることがこのことからも分かります。

問題のすり替えがあってはいけません。 まずはここの精査があっての、関係機関との連携です。


この子が入会してくれた当時は、私は3人の子どもの指導を行っていました。

この頃は、毎週図書館に行き、10冊の専門書を借り、教材もすべて手作りのものでした。

今は、市販のプリントを利用させていただいていますが、この頃の経験が、教材選択の大きな力になっていることは間違いありません。

自分で作るとしたら、という視点が明確ですので、そういうも教材に出会うととても儲けた気分になります。 


ご家族の願いは終始一貫、「見せかけではない本物の学力=生きて働く力をつけて欲しい」ということでした。

単調な記憶に頼る学習は、年月が経つと忘れてしまいます。

また、問題がちょっと変わっただけで、まったく歯がたたなくなることもあります。

8+9が17と覚えることと、それを数理的に処理することは、全く別物ではありませんが、全く同じではないわけです。

たとえて言うなら、17と覚えるのではなく、17と数えられる子どもに育てて欲しい、ということでした。


算数の指導でもありとあらゆることを試みてきました。

そして究極は、「あるものを一つの単位として見ることができる力」

つまり 「10」 が一つの単位になるという十進位取り記数法の原理を、体験を通して、多面的に理解させることが重要であるということがわかってきました。

これさえ本当に理解できれば、小数も面積も大きな数も、本質はそんなに変わりませんから。

お買い物ゲームの10年玉のやりとり、実践の場で、ロールプレイの場で、ねらいにそったスモールステップが刻めるかどうか、そしてそれが多面的な理解につながることができるかどうかが、私の大仕事なわけです。

私は手応えを感じています。


昨年の今頃は、音読に大きな抵抗感をもっていました。

逐次読みで、学校で一文ずつ順番に読んでいく、いわゆる 「丸読み」 が、大嫌いだったと聞いています。

今では、そのころがウソのようです。 昨日は、抵抗感も無く、新しい説明文も読めるようになりました。

コミカルな題材を選ぶと、ケラケラ大笑いをしながら、学習に取り組んでいます。

手作り教材をやっていた頃の事がとてもなつかしく思えます。

聴覚メモリーを生かした、二系統同時刺激がおもしろいようにはまった子です。

最近は、自分で読書に親しむこともできるようになりました。



マンツーマンの読解指導をしていて、昨日私にとって大きな気づきがありました。

それは、継次処理の子は、アウトラインをつかませて、だんだんと枠を狭くしていくような迫り方ではなくて、一文一文をきっちり順序立てて精査していくと、面白いように力が発揮委出来る、ということでした。

助詞でも、形容詞でも、一個何かつまずく言葉があれば、どうやらそこで思考が大きく後退してしまうようです。


5年生ですから、結構長文に出会います。

まずは、ざあっと読んでそれから・・、というのがセオリーのようですが、この子にとっては、その長文を読んでいる時間は、それほど意味のある時間になっていない。

その時間があるのなら、一文一文の意味を正確に押さえながら、次の学習の学習に進めさせたい。

こっちの方が、大きな効果があることが分かりました。


それをやって問題に向かわせると、何と自力で次々に問題をクリアしていきます。

以前のように、設問を見て、それからもう一度原文に帰るようにしていたときは、私の支援なくしては出来ないような問題ばかりです。

自力で次々に問題をこなしていくその子の横顔を見ながら、私は小躍りしたくなうような気分になりました。

正直、「もっと早く気がついてあげられなくて、ごめん」 そんな風にも思いました。

でも、もしこれが真実だとすると、打つべき手はいくらでも考えられる!


この日の私は、少し興奮気味でした。

気分はもう、来週の指導にぶっ飛んでいます。

この仕事、これがあるから止められない。

この夏に、彼女がさらに大変身してくれたら、どんなにすばらしいことでしょう。

教育の仕事には、夢があります。

とてもステキな仕事です。



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コメント
お世話になっています。

うちも同様の方法です。「まず、ざらっと読んでみて~。さあ、何が書いてあった?」では全く歯が立ちません。なので一文一文を丁寧に読み取り、組み立てていく方法です。

が、なにせ視覚認知力の弱さを抱えているため、目で見えるものは当てにならない場合があって・・。黙読では内容理解に困難を示します。
なので「目がダメなら耳を使え~!!」と使える部分を生かした学習方法をとっています。

音読は上手ですから、自分の口から出力した言葉を自分の耳に入力することで内容理解を図ったり、公式を覚えたりすることが出来ています。

因みに本を読むときも(漫画本でも)音読で対応します。楽譜で和音が出てきた時は実際に音を聞いて自分でコード記号を書き込みます。目で見ることによる苦痛と困難を軽減させるための本人なりの工夫です。

が、通常のペーパーテストでは音読に頼るわけにもいかず、目で見える情報のみを頭で処理しなければなりません。今、ここがネックになってきています。

高学年にもなるとテスト用紙の「文字は小さい、言葉は難しい、文章は長い」の三段攻撃でどうしても焦りが先に出て、時間が足りなくなってしまうと・・・。

テストの点数云々とはあまり言いたくはありませんが、頑張ってるけど最後まで解けないとなると、少し可哀想な気がします。

いつもながらSHINOBU先生はさすがですね。次々と子どもたちの可能性を引き出してあげて。

「見ることの困難を抱えながら、黙読での内容理解。」
今年の夏休みの大きな課題になりそうです。
【2009/07/13 12:56】 | ごまたろう♀ #- | [edit]
そうそう!
と、また手を打ってしまいました。

自分が手探りでやって来た事が、SHINOBU先生のような方(専門家と言うだけの意味ではありません。「熱いハートの実践者」という意味で心から「先生」と呼ばせていただいています)のお考えと一致する(或いは似ている)事が、素直にとても嬉しいです。

娘も「全体」を一気に読んでしまっては、その1部しか頭に残らず、ちゃんとした意味がつかめませんでした。
一文ごとに、何が書かれているかを確認していくやり方で、算数の文章題も、国語の読解も、いえ、社会も理科も英語も勉強しています。

国語の読解テストでは、
順番に読んでいって、問題の印(波線だったり、実線だったり、四角だったり、「ここは、問題だ!」とという印です)を見つけたら、その時に文章途中でも記号で指示された問題を読み、回答するという姑息な手段も教えています。

小学校の子ども達も、同じような特徴を持つお子さんが、毎年一定数います。
一番教えやすくてやり方が掴みやすい、算数の文章問題で、
一文ずつ絵にして、着実に内容を掴んでいくという方法を身に付けてもらっています。
絵にしていく事で、その子のボキャブラリーの弱みも見つけやすいので、小学校低学年の指導では、かなり役立つように感じています。

【2009/07/13 17:55】 | sei #- | [edit]

私、こういう内容のこと、ご家族の皆様とのやりとりの中から、たくさん教えていただいています。

個別指導と言えども、ことそのお子さんのことを一番知っているのは、ご家族の皆様です。

いわば、その子理解のプロは、ご家族の方を置いて他には考えられません。


学校は、学校教育のプロ集団です。

このレベルの内容になると、さすがに画一的な方法で、個の特性に寄り添うことは不可能です。

しかし、例えば低学年のお子さんであったら、その子の最近接な領域を夏休みの課題として先生に提出していただき、家庭で具体的に支援するなどの連携も考えられます。


学校の先生のシールやはんこは、何よりの強化になります。

それに、最近接の内容を先生と共有すれば、何かのことでじわりと効いてくる可能性だってあります。


学校・家庭・専門機関の内容的連携

こういう観点で歯車がかみ合えば、意外な発展もあるかも知れません。

まかぬ種は生えません。

何事もそうですが、最初の一手はは大変だけど、そこから先は分かりませんよ。


ある学校の特別支援学級の先生、すごい盛り上がり方をしていると聞きました。

連携の歯車、がっちりかみ合わせて行きたいものです。


「保護者とつくる個別支援」

私にとって 、それは最も大切なコンセプトの一つです。
【2009/07/13 18:43】 | SHINOBU #- | [edit]












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