「見える」と「分かる」 子どもの認知の確かな育ち
2009-06-09

いつの時だったか、太郎君が1年生の時、担任の先生と教室で情報交換をしていたら、「太郎君は、教科書の文字を写すのは苦手だけれど、黒板の文字を写すのは得意です」 と、伝えてくださいました。
入学したてのころは、ひらがなの学習に苦労しましたし、今も文章を読むのは好きな方ではありませんが、この日も、漢字練習の宿題には、バリバリの意欲をもって取り組みました。
書字は得意で、何度も連絡帳に、「字がきれい」 とほめていただきました。
反対に、しゅう太君や花子ちゃんは、それはそれは、本読みが上手です。 とても上手になってきましたが、それでもやっぱり字を書くのは得意な方ではありません。
昨日のごほうびタイムで、太郎君は、机の上にあったくもんのステップアップパズルに挑戦していました。
うちの教室、このパズル、2ピースから48ピースまでのシリーズ全部そろっています♪
まさにステップアップで、時間が来るまで太郎君は快調に、次々とパズルをクリアしていきました。
パズルの得意な子には、書字の得意な子が多いです。
ですから、就学前の子どもを指導していても、この子は将来、ここは得意で、ここは苦手だろうなあ〜、ということが、イメージとして思い浮かべることができるようになりました。
パズルでも、読字でも、計算でも、子どもはまず必ず得意なルートを使ってチャレンジしてきます。
ごくごく当たり前のことです。 色認知優位な子では色を手がかりに、図柄認知優位な子は図柄を、形認知優位な子は形を手がかりに、その課題に取り組みます。
でもね、やがては、色も形も図柄も統合され、多面的な理解に深まっていきます。
大人はすでに多面的に、総合的に見ますから、子どものつまずきが理解できにくくなっています。
以前、ペアペアパズルの半分が上下反対になっていたあきなちゃん。 この段階では、色・形認知でした。
でも、今ではりんごもバナナも上下逆さまになることは、一切ありません。
図柄の認知が入った証拠です。
私、指導の途中にこの子に図柄が入った瞬間をしっかり見届けました。
ですから今、ひらがなの学習に強烈な意欲を見せています。
だからこそ、あのカラーボールとペアペアパズルの学習に、時間をかけておいて本当に良かったと思っています。
今では、それが大きな武器になっています。
やがて子どもの認知の世界は、広がっていきます。
だからこそ、その時に、その子の得意なルートで、たっぷりと体験を積んでやることが、その後の大きな財産になっていくということが、私は体験的にわかってきました。
しゅう太君のお母さんから、またまたメールをいただきました。
「先生、目先のプリントではなく、マンツーマンでゲームや算数的活動、ロールプレイでのコミュニケーションの時間をたくさんとってください」 と、言われたお母さんです。
ここまで理解してくださるなら、ということで、私はじっくり構えてみることにしました。 やはり、そのことは、かなりよい方向に発展していきました。
「SHINOBU先生のところいったら、がんばりたくなるんよな〜」
帰りの車の中で、しゅう太君、そんな可愛いこと言ってくれたようです。
帰りには、深々と礼儀正しく挨拶をし、後片付けもそれはそれは、はりきってきびきびしてくれます。
しゅう太君は、先日の運動会をはじめ、学校での適応状態がとてもよくなってきたようです。
「以前では考えられないことです、これもすべて先生方のおかげです、恵まれました」
と、お母さんはおっしゃいますが、これは、このお母さん自らが構築された環境だと、私は思っています。
しゅう太君の担任の先生が、このブログのしゅう太君の記事をご覧になり、「とてもよく観察されて、綿密に分析されており、SHINOBU先生に敬意を表するともに、自分の力不足を感じ、しゅう太君にとても申し訳なく思う」 と、連絡帳に書いてくださったそうです。
私、どうしてしゅう太君が、学校での適応が改善されたか、すべてがわかるような気がしました。
こんなにも謙虚に、こんなにも前向きに、こんなにも愛情をもって接してくださる担任の先生で、しゅう太君が良くならないわけがありません。
日本の教育のすばらしさを、改めて感じることができたのでした。
とにかく、学ぶ意欲・モチベーションを下げるようなことがあってはならない。
様々な活動を構成して、認知の世界を広げて行けば、必ずそれは多面的に構成されて、やがては深い理解へと結びつく。
たまたま今、別ルートを使っているのなら、それで当座をしのいで、多面的構成を図る。 これぞ、長所活用型指導であると、私は考えています。
漢字から、パズルから、国語の好きな太郎君を育てる。
しゅう太君や花子ちゃんは、読解力と継次性を武器に、数量の感覚に迫る。
それが私のやり方です。
「がんばりたくなるんよな〜」
しゅう太君は、また一つ、私に大切なことを教えてくれました。
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