言語にかかわる脳の機能局在と 私の指導実践

 2009-06-04
言葉の獲得は、私たちにとって大切なテーマです。

たとえ現時点で表出言語が少なくても、コミュニケート自体は可能ですし、例えば数概念を形成できないということではありません。

しかし、言葉があることによって、コミュニケーションが豊かになったり、思考力が高まったり、世界が広がっていったりして、可能性のスケールが次々に大きくなっていきます。

何とかして、子どもに豊かな言語の世界を

それは親として、当然の願いとなるわけです。


脳の機能局在の面から見た場合には、ブローカー(表出・運動性)言語野と、ウエルニッケ(受容・感覚性)言語野とに分かれます。

左半球、側頭葉の中心よりっちょっと左が表出言語、ちょっと右側が理解言語をつかさどる領域です。


ある日食べた、黄色くて長くて、おいしい食べ物。

それには、バナナという名前が付けられていて、実際にそこにバナナや絵カードがなくても、言語を使えば、相手にそのことをきちんと伝えることができる。食べたいと要求することができる。大きなストレスを伴うことなく、すぐに自分の意志を相手に伝達できる。

話し言葉なら、書き留めたり、カードを選んだりしなくても、すぐに、多くの人に、その場ですぐにその意志を伝えることができる。


言語の獲得に向けては、様々要素が複合的に存在しており、発達特性や環境など育ちのストーリーが千差万別なこともあり、なかなか課題部分を特定するのはむずかしいし、一朝一夕に行かないことも多いようです。

STや言語の先生をはじめとする専門的な指導も必要でしょうし、学校・園での集団生活やコミュニケートする場の構成も重要です。 本人の言語にかかわるモチベーションも大切です。

A=B みたいに単純に整理できないのが、言語指導のむずかしさでもあります。


一文字一文字は読めるのに、それが 「ばなな」 というカードになると、とたんに苦手になる子もいます。

まとまりでは、すらすら文章を読めるのに、一文字一文字の形の識別が苦手な子もいます。

Aちゃんに使えた指導法が、Bちゃんにはまったく合わなかったこともあります。 また逆に、それがCちゃんにはパワーアップして、どんぴしゃりとはまったこともあります。

いかに言語に関わるメカニズムが奥が深く、複雑なものであるをがうかがいうことができます。


今、3Dのレプリカと、2Dの絵カードと、文字情報のひらがなと、この3つを、ていねいにより合わせる学習をしている子がいます。

色の認知、識別、形の識別、カテゴリーの理解など、きっとこの子の言語習得の過程はこうではないのだろうかという自分なりの仮説をもとに、毎回・毎回、中心課題に向けて、簡単な型はめパズルからスタートして、慎重に慎重にその子の思考の流れに添って、指導を組み立てていきます。

そして中心課題をスモールステップでクリアさせ、たっぷりと強化します。

ここまで来るのに、何ヶ月もかかりました。


手探り状態から抜け出し、何かしっぽをつかんだ感覚が、私にはあります。

細いパイプが、やっとつながった感じです。


細くともパイプがつながったことで、指導自体に余裕と見通しがもてるようになってきました。

指導中の雰囲気が、お互いにあたたかい感じになってきて、何だかとっても良い感じです。

ちょっと前の、ギスギスした緊張感が、なくなってきました。

このイケテル感が、コミュニケーション自体にも、情緒の安定にも、大きな影響を与えているのは確かです。

指導後のお母さんとの会話も、少しだけれど希望の光が見えてきたせいか、私自身がとても楽しみな時間に変わってきました。

「今日は、ここまで来ましたよ」 

そう伝えられる内容があることが、私には何よりの喜びなのです。


指導の中での気づきもたくさんあります。

例えば、バナナひとつにしても、私の教室では、 「絵カード」  「文字付き絵カード」 「文字カード」 「ペアペアパズル (一方にバナナの絵、片方にバナナの絵がかかれたもの)」 3D立体バナナパズル(4分割したバナナを磁力で再構成できるもの) 「リアルなイミテーションフードとしてのバナナ」 「ひらがなボードのバナナ」  「ひらがなつみきのバナナ」  と数種類以上のものがあります。

これらのそれぞれに、バナナとしてのシンボル機能があるわけです。

その接続は、私たちは概念として明確で揺るぎないのですが、未分化な子どもの場合、時としてはそこが甘かったんだなって、いうことが指導中はっきりとわかることがあります。

どうして分からないのかが分からないから苦しいのであって、何で分からないのかが見えた瞬間、その指導法は100通りだって工夫できます。

それまで暗闇の中で闇雲に矢を放っていたのが、的は東の方向であるとか、あの明かりの方向に射よ、となると、俄然その確率も、モチベーションも向上します。

まるで、脳の中のシナップスやニューロンの動きが、音を立て、目に見えるかの如く感じる瞬間です。


以前にもふれましたが、子どもの目には、ビアジョッキがコップの仲間って思えなかったり、お月様とバナナが同じに見えたりするステップが存在するということです。


ブローカー領野とウエルニッケ領野の間には、聴知覚に深いつながりのあるヘッシェル回があり、話し言葉の受容・理解の出発点とされています。

また、ブローカー領野からウエルニッケ領野まで、言語関連部位は、弓状束といって繊維状に結合されているのです。


いろいろな所に種まきをすることを忘れてはいけません。

水をやらなければ、枯れてしまいます。

そして、出てきた芽を育て、バラバラだったものをうまくつなげていくことも重要です。


本丸の芯は時間をかけてしっかりと

核ができれば、それを雪だるまのようにぐるぐる回転させていく、そんな指導イメージでしょうか?

だからこそ、マルチに、しかもていねいに取り組んでいかなくてはならないと、私は考えています。


特定の指導法を検証していく演繹的な手法も存在します。

私は自身は、実践を編み上げていく、帰納法的なスタイルがお好みです。

何を差し置いても、実践ほど尊いものはないと、思っているからです。

これもすべて、ご家族の皆さんの願いに支えられていることをいつも感謝しています。

なかなか結果は出せていませんが、今日も真心を込めて、1回1回の指導に取り組みたいと願っているのです。

今後とも、どうぞよろしくお願いします。




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