かれんちゃん 絵カードと出会う (多感覚刺激とその統合)

 2009-05-28
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実はかれんちゃん、先週の指導の途中で調子が悪くなってしまいました。 教室に入った時は、元気もりもりに見えたのに、いつものはずむような感じがありません。 指示の入りも悪く、あまり言うことを聞きません。 どうしたものかと、困っていたら、そのままマットでうとうとし始めました。

こらこら寝るなよ~、と抱き起こすと、何だか少し熱っぽい・・

これは大変と抱っこすると、ぐんにゃりしてしまいました。

来たときは、あんなに元気だったのに・・

体温計で熱をはかると、ノーマルレンジよりやや高い。

すぐにお母さんに連絡をして、病院へ直行です。

もしかして、新型インフルエンザ??

私もお母さんも真っ青です。 色々なことが頭を駆けめぐります。

すぐに総合病院で診察を受けましたが、インフルエンザの心配はないとのこと、ほっとしました。


かれんちゃん、しんどいのに、がんばってたんだ~

いつもと違うかれんちゃんを、きびしく叱らなくてよかったと思いました。

もし、信じる気持ちと、子どもの気持ちを感じ取れる感性をもちあわせていなかったら、紡いできた心の糸も一瞬で切れる。

子どもって、本当にデリケートだと思いました。



さあて、この日のかれんちゃんはどうかというと、いつものように元気一杯、笑顔はじけるかれんちゃんの復活です。

90分の間に、二人でどれだけ大笑いしたかわかりません。

年齢は大きく離れていますが、誕生日がいっしょなので、相性が良いのでしょうか??


この日も、いくつかのメニューを用意しておきましたが、どのメニューの入りも抜群でした。

まずはイントロの手作業課題、

本日は、ひも通し (↓下の画像) を用意させていただきましたが、食いつく食いつく・・

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パズルは時々投げてしまうときもありますが、このひも通しは楽しいようです。

うまくできないときは、私が支援して達成させ、その支援を段階的にフェードアウトしていきます。

どうしても無理してひっぱりたくなりますが、楽しい感覚と達成感を残して、すぐに次の活動に移るの方が効果的です。

2回目は必ず、今回よりも感覚が統合整理され、スムーズに、主体的に活動に取り組みます。

私は、週1指導者で、そのことを体験的に知っていますから、おいしいところでさっと切り上げます。

来週以降の活動が、私にはこの時点でイメージ化できているからです。

次回は、遅延プロント+強化

ちょっと間を置き、できるだけかれんちゃん自身に取り組ませ、ためこんでたっぷりほめる手法をとります。

きっとうまくいくはずです。


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この日の予期せぬクリーンヒットは、「おしゃべりあいうえお」 の活動です。 (↓下の画像)

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かれんちゃんの場合は毎週90分というたっぷりの指導の時間をいただいていますから、基本私は、取り組ませたい活動を事前にいくつか用意していおき、それをかれんちゃんに選ばせるようにしています。

この日、かれんちゃん、自分から 「おしゃべりあいうえお」 を持ってきました。

きっとひらかなに対する興味や関心が強くなってきたのでしょう。

自分でキーボードを押して、勝手に 「あ」 とか 「い」 とか言っています。

(大げさに言うと、腰が抜けそうになるくらい、びっくりしました。 = この子の能力と魅力を改めて感じました。)

「わんわん」 「かお」 「かさ」 「ばなな」 「パンマン(アンパンマン)」 など、表出言語も増えてきました。

私、毎週会っているのに、びっくりするやら、うれしいやら、ちょと目頭熱くなってきました。

おまけに、「あぞぶ?」 → 「うん」   「まだやる?」 → 「うん」 など、言語による応答コミュニケートも、かなり自然にできるようになってきました。

太郎君の表出言語の爆発は小学校入学後でしたから、将来、かれんちゃんと楽しくお話できるようになる日が来るかと思うと、期待で胸がいっぱいになります。

教育ってすばらしいですね。 ますます、やる気モード、「スイッチ・オン」です。




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さて、今回の中心課題は、「カードとイミテーションフードのマッチング」 です。 (↓下の画像)

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実は、この教材は養護学校に通う自閉症のお子さんのために開発したものです。

「1音、1音の文字は読めるのに、まとまりとしての文字や単語が機能的に使えない。文字や言葉による世界の広がりを、何とかこの子に与えてやりたい」

それが、終始一貫したお母さんの願いでした。

この1月に相談に来られ以後、毎週欠かさず教室に通ってきてくれています。

いろいろな教材を試してはやり直し、工夫してはトライする・・

その繰り返しで、もう半年近くになってしまいました。 

やっと、やっと手応えを感じた教材、それがこのイミテーションフードの教材です。

私にとって、重い言葉の壁をこじ開ける鍵、それがこの教材なのです。


(ごめんなさい、半年もかかってしまいました。でも、 そのお母さんは、「もう何年もここで止まっているので、半年でここまでしてくださったことを感謝しています」 と言ってくださいました。)


その男の子に指導がに入ったと感じた瞬間、私の心の中で何かがはじけました。

その子その子の発達段階に合わせて提示法を工夫すれば、すべての子どもに適応できる。 そしてその応用や発展も工夫次第でいくらでもアレンジできるのでは? という感覚です!



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さっそく、かれんバージョンに適応させてみました。

かれんちゃんは、空間認知が得意です。

ならば、まず、以前に行ったイミテーションフードによる仲間わけを

(事前に種をまいていますからね、一瞬とまどいましたが、すぐに学習でき、「ばなな」 と 「りんご」 の仲間分け、大成功です)

で、今度は同じかごに入れておいたカードも仲間わけをさせます。 が、この時点では、かれんちゃん、ばななのカードとレプリカとがつながっていません。

でも、事前にアンパンマンの人形とカードの対応させていますから、やってできないはずはありません。

かれんちゃんが、りんごのカードをばななの箱に入れると、私は、「りんごはこっち」 と言ってやり直します。

この時、一瞬かれんちゃんの動作が止まります。

カードの絵にりんごという意味があることと、りんごの仲間はこちらの箱に入れるんだ、ということを学習した瞬間です。  かれんちゃんにとって、シンボルとしてりんごのカードが初めて意味をもったのです。

このカードには、ひらがなを添えているものと、添えていない物があります。

次のステップは、絵と同じように、ひらがなに 「りんご」 という命を吹き込んでいくのが私の仕事です。

養護学校の男の子には、この日、ここを指導したわけです。

支援つきではありますが、かれんちゃん、カードの仲間分けに成功しました。 

たったこれだけのことです。

でも私にとっては、予想を超えた、大切な大切な一歩です。


この日は、それこそ、「もっとやりたいな~」 というところで終了しておきました。  

(こういう時に、指導者としてはどうしても、一気にやってケリを付け、出来た出来たと喜びたいところですが、私はあくまで子どもの温度に寄り添いたいと思っています。 積み木崩しにしないため、結局、それが近道だと体感しているからです。 これは極意です。)




こうして90分の、それはそれは楽しい時間が過ぎました。

この日は、お母さんのお仕事の関係で、お父さんが迎えにくてくださいました。 


某国立大学、臨床心理の教授のお父さん

でも、当たり前の事かも知れませんが、かれんちゃんとっては、大学教授ではなく、大好きなお父さんそのものでした。


子どもに合った指導者は選ぶことができますし、もしも合わない場合は選び直すことができます。

私は、選ばれたことを誇りに思いますが、丸投げの方はお断りですし、もし私より合っている指導者に巡り会えたなら、子どものために、どうかためらうことなくその方の所へ行っていただきたいと思います。

そうした競争の中でこそ、私の力量も高まるし、特色も明確になると考えています。

どんな料理にも、個性と特色があって然るべきだと思っています。

同じ中華でも、四川には四川の良さがあり、広東には広東の味があります。



すべての価値基準は、「我が子の最善の利益」

時代は、まさにそう言うところに来ています。


これからは、保護者が、指導者を選ぶことの自由と責任を負う時代がやってくると、私は考えています。

指導者に丸投げで、愚痴ばかりこぼしてもなかなか前には進みません。


ご家族は、唯一無二の大切な存在です。

だからこそ、私のなすべき役割が、より明確になってくるのだと考えています。



※ この実践記録は、適切な教育によるダウン症児の成長の可能性を、より多くの方に理解していただきたいというご家族の願いと要請を受け、かれんちゃんの表情なども含め、リアルな指導の様子を公開させていただいております。また、平成21年度、福武教育文化振興財団による研究助成をいただいています。


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コメント
お久しぶりです。最近、近所の3歳の男の子と遊ぶせいか 時々 遊ぶ 公園に行くと、途中から 自分から寄って行き、幼稚園の子と遊んでました。私も「あれ!びっくり。」太郎君は、いつもまにか 自分より年下の子を可愛いと思えるようになり 遊べるようになった事。いつか、かれんちゃんと遊べる日を。
【2009/05/28 12:23】 | まーちゃん #- | [edit]
こんにちは。
双子のためのネットワーク作成をずっと続けてきて思ったこと。

支援実現、継続には支援者と親が子どもをはさんで「相思相愛」でないとむずかしいことかなと。

「発達障害」への認知、支援の必要性が語られるようになり、
学校での支援の実行が可能になったことで
逆に「他人(学校)任せ」「下駄を預ける」保護者の方が結構多いです。

今日も、専門機関でカウンセリングを受けてきたのですが
「親が動かずして、だれが動く」という話になりました。

でも、学校も支援機関も
「懸命な親」「ともに歩む親」にこそ支援を実現してくれている。
日々、悪戦苦闘しつつ、涙の毎日でとても大変な作業の繰り返しなのですが
(それゆえ、私自身がカウンセリングを受け、自分のありようを整理しつつの日々です)
そこにこそ「親の成長」「子どもの成長」そして、学校・専門機関での「支援の成長」があるのだと思います。

ここにいっらっしゃる親御さんのように
自分もいつもありたいなあと思っています。

「中学での普通級での特別支援」
多分、文科省があげる形とは全く違うスタイルですが
我が家の息子には「心の支援」として
「中身のあるもの、彼の将来にわたり応用できるもの」として実行されています。
「心に寄り添い、気持ちを育てる」。
ずっとつづけていきたいと思っています。

そこの部分でつながり
継続支援をしてくださる
すべての人に感謝しています。



【2009/05/28 17:57】 | 双子の母 #PNOQ3fDM | [edit]
私が今、もしこの仕事をしていなければ、生気のないぼんやりとした毎日を過ごしていたことだろうと思います。

人は、自分のためには力が出ない。

私をいつも、強く強く突き動かすエネルギーは、我が子のために、自分を捨て、何もかも捨てて、懸命に取り組まれているご家族の皆様の熱い思いに他なりません。


> お母さんがそこまで思われるのでしたら、私も一緒にその川に飛び込みます


そうやって今日まで活動を続けてきました。

私に命の息吹を与えてくださった皆さんのご期待に応えるために、何か一歩でも前へ進み、希望の光を灯したい。

小さな小さな私ですが、志だけは大きくもちたい。


子どもの笑顔と、成長、そしてご家族の幸せ

何にも勝る私の宝物です。
【2009/05/29 11:08】 | SHINOBU #- | [edit]












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