「ごっこあそび」の広がりと 行動の安定
2009-05-14
どうです? この表情・・・これ何の場面か、わかりますか?
実はこれ、かれんちゃん (ダウン症・4歳) が、長々と研究論文か何かを読んでいる場面です。
よく見ると、下のくちびるに小さな泡がいっぱいついているのが分かると思います。
そのことで、どれくらいかれんちゃんがしゃべり続けたかを推し量ることができます。

実は、これ、真っ白なA4用紙を手に、きっとお母さんかお父さんの真似をして、「論文発表ごっこ」 をしているのだと思います。
もちろん、意味不明言語で、何を言っているのかはさっぱりわかりません。 でも、それらしい表情で、それっぽい口調で言うものですから、ご両親のことを存じ上げている私としては大爆笑です。
究極の遅延動作模倣、そのイメージの広がりと共に可能となる、社会性を育てる遊びの幕開けです。
そのあと、かれんちゃんは、「くま」 「ねこ」 「かえる」 「ねずみ」 の輪投げのキャラクターを使って、夢中になって遊び始めました。
私は、輪投げの輪の色とキャラクターの色を対応させたいという意図があったのですが、あまりにも夢中で遊び始めたかれんちゃんのようすを見て、思いっきりねらいをシフトチェンジをさせていただきました。





この輪投げの先には、「くま」 や 「かえる」 などの動物の顔が、色別に区別して描かれており、よく考えればいまのかれんちゃんにはぴったりの、とてもナイスな教材です。
多くの子がパズルをするのを見ると、色を優先する子と、形を優先する子がいることがわかってきます。
どうやらかれんちゃんは、今のところ、色よりも形を意識しているようです。
何がそのきっかけになるかは様々ですが、その何かを糸口に、遊びの世界・イメージの世界がどんどんと広がっていくのは確かなようです。




アンパンマンの自動車、やっとかれんちゃんにも自動車として認めてもらえるようになりました。
シェイプソートも、ぬいぐるみも、本来の意図に添った使い方ができるようになってきました。
このごろ、かれんちゃん、ぐっと落ち着いてきました。
それは、私だけでなく、ご家族も、保育園の先生も、他の療育の先生も、きっと同様に感じていることだと思います。
認知力のアップが行動改善につながるということは、多くの研究から実証されています。
物を投げるなど日常生活の中の不適切な行為も、使い方が理解できていないという側面や、感情のコントロールという側面やなど、様々な方向からの多面的なアプローチから分析して、望ましい行動へバイパスをつなげて強化する、という王道を歩んでいくことが大切だと考えています。
かれんちゃんの落ち着きはも、こうした認知面の発達によるところが多いのではないかと、私は見ています。
子どもによって、発達のルートは微妙に違っています。
空間認知の得意な子もいれば、平面認知の得意な子もいます。
ここでも、得意な方から入って、スモールステップで苦手な分野も克服していく長所活用型のアプローチが有効な場面も多いのではないでしょうか?
一番避けたいのは、モチベーションの低下です。
きらいなニンジン、大好きなカレーにちょっとだけ混ぜてみませんか?
※ この実践記録は、適切な教育によるダウン症児の成長の可能性を、より多くの方に理解していただきたいというご家族の願いと要請を受け、かれんちゃんの表情なども含め、リアルな指導の様子を公開させていただいております。また、平成21年度、福武教育文化振興財団による研究助成をいただいています。
↑どうかランキングも見てやってください。はげみになりますので,ご協力よろしくお願いします。


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