困難な課題だからこそ、私は楽しい学習を求める

 2009-05-01
先日、かれんちゃん (ダウン症・4歳) の14回目のセラピーを行いました。

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この日は、私たちにとっては、とっても大きな出来事がありました。

かれんちゃんが、おもちゃの入っているボックスを指さして、何か言っています。

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> これ・・  これ・・

> えっ何? これアンパンマン? これやりたいの?

> うん  (かれんちゃん、こっくりとうなずく)

かれんちゃんは、シェープソートについたアンパンマンの車のおもちゃを要求してきたのです。


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先週つながったアンパンマンのことが、しっかりとキープできていたのでしょうか。

それよりも何よりも、自分でアンパンマンのおもちゃを見つけ、私にそれを伝え、苦手だったシェイプソートを自分から進んでするなんて、ちょっと前に比べると画期的なことです。

私が、手を添えて支援をしましたが、苦手なパズル系のおもちゃに親しんでくれて、私としては大満足の活動となりました。


この日は、輪投げの輪を カエルの 「があ」 (かれんちゃんは、なぜかカエルが大好きです) の緑に入れる練習をメインにしました。

輪投げの中に輪を入れることが、とても楽しかったらしく、何度も何度も輪投げの輪を入れる活動を続けました。

私の意図は、色認知でしたが、かれんちゃんは、輪に入れる活動自体がとても楽しいようでした。

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4月から私の教室に通ってくれるようになったダウン症の1年生の男の子がいます。

パソコンのひらがなの文字を入れる学習が大好きになったので、お迎えに来た時にお母さんにその様子を見てほめてもらおうと思い、かなりその活動をひっぱってしまいました。

ところが、お母さんは、たまたま5分ほど遅れてお迎えに来られました。

その5分は、心理的にはとても長い時間です。

ひっぱりすぎて、その男の子は、楽しかったその活動が少しイヤになってしまいました。

こういう理由で活動をひっぱるのはもう止めようと思いました。


もうちょとやりたいくらいでやめるのは、極意の一つです。

活動を押しつけないで、さりげなく予告編を見せておいて、子どもに選ばせるのも大切なことです。


なぜだと思いますか?

私は、学びは、主体的な子どもの欲求そのものだと思っています。

その主体性を信じないで、指導者のために子どもをダシに使うような形になると、一時的にテクニカルな面で成果はは上がりますが、子どもの学びのモチベーションはうんと下がります。

結局、どちらが、子どもを大きく育てることになるのでしょうか?


昨日は、まさと君 (高1) の指導の日でした。

まさと君は、中学の後半、学校に行きづらい状態の日もありましたが、ここに来て大きく変わってきました。

ご両親のお話によると、毎週木曜日の私の教室での勉強をとても楽しみに待ちかまえてくれているということでした。


まさと君は、勉強をしたいという気持ちが誰よりも強い子です。

「勉強がむずかしくなっったら、ここ止める」

初めの頃、彼は目を三角にして、何度も私にそう言っていました。

勉強したいからこそ、できない事が受け入れなれない、そういう気持ちがそこにはあるのです。


かれんちゃんが、初めの頃、パズルを何度も放り投げていたメカニズムも、基本的には同じではないかと私は思っています。


勉強が楽しい、の中身は何でしょう?

それは自分が向上している手応えそのものです。

成長のスピードや、学ぶ道筋は百人いれば百通り。

いろいろな形があるはずです。


学びの欲求を信じないでいて、何歳だからこの学習をと、無理強いすると、子どものモチベーションさがりませんか?

それは、そうまでしていますぐ身につけなくてはいけないことですか?

この子のスタイルで、もっともっと学びを深めていく道筋は他にありませんか?


昨日のまさと君の指導、本来なら第5週でお休みの日でしたが、ご両親のご希望を受けてさせていただくことにしました。

この子は、ここで学ぶことを楽しみにしており、そのことがこの子のコミュニケーションも含め、生活面にも大きな活力になり始めた、とご両親は伝えてくださいました。

私の勝手な都合では、なかなか指導をお休みにできないなと痛感しました。


かれんちゃんが、自分からアンパンマンのシャープソートを始めた姿

私は大きな可能性をそこに感じることができました。

カエルの 「があ」 の輪投げの色が緑であることが分かる日も、そう遠い日ではないはずです。

私はそれを信じて、かれんちゃんに寄り添った活動を構成し、彼女と一緒の道を歩んで行こうと思うのです。



※ この実践記録は、適切な教育によるダウン症児の成長の可能性を、より多くの方に理解していただきたいというご家族の願いと要請を受け、かれんちゃんの表情なども含め、リアルな指導の様子を公開させていただいております。また、平成21年度、福武教育文化振興財団による研究助成をいただいています。


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