かれんちゃんの瞳に映る世界の広がり (小さな種をまき、大切に育てるという営み)
2009-04-23
一昨日は、かれんちゃん (ダウン症・4歳) の、13回目のセラピーでした。
まずは、この日初めて取り組んだ 「ドキドキアンパンマン」 のようすをご覧下さい。





かれんちゃんは、あまりこうしたパズル・キャラクター系のものはあまり好きではありませんでした。ですから、私の方から 「これやりなさい」 みたいな感じでドンとテーブルの上に置くと、どこかへ放り投げてしまう可能性が高いのです。
そこで、目の付くところにしばらく置いておいて、かれんちゃんの方から食いつくのをしばらく待っていましたが、この日は、自分でこれをテーブルの上に持ってきてくれました。
アンパンマンの教材は、いろいろと作っていますからね。 これに食いついてくれると、私としては非常にやりやすいのです。
かれんちゃん、アンパンマンのスティックを、上下逆さまにしたり、左右反対にしたりして、なかなか思うように刺さりません。
こういう時私は、手を添えて、うまくいくようにアシストします。
自分で選んでここへ持ってきたわけですから、とてもモチベーションが高いのです。 支援を加えてでも達成感をもたせ、できるようになる寸前で、わたしの支援を無くしていく、プロンプトフェイデング法でいいわけです。
かれんちゃん、何とかアンパンマンといい出会いができたようです。
本当は、この日はこれで十分なのですが、ついつい欲張って、試しにアンパンマンカードをかれんちゃんに提示してみました。
ここで欲張りすぎると、かれんちゃんには 「やらされた感」 が残ってしまいますから、この日は予備刺激で十分というつもりで、見せておくだけにしようと、考えていました。




事前にドキドキアンパンマンをやっていたせいか、私が期待していたより、ずっとずっと手応えを感じました。 まだまだ完全とは言えませんが、マッチングみたいな活動にも、楽しく取り組んでくれました。
以前、あきなちゃん (ダウン症・5歳) の指導の時、なかなかカード系の入りが悪く、まずは実物のくだもののレプリカから入り、たっぷりとお買い物ごっこを楽しんでみましたが、それ以後、面白いようにパズルやカードに活動が発展していった体験があります。
かれんちゃんは、カードなどの平面認知より、実物などの空間認知が、今は得意なようです。
ならば、得意なことをメインに、苦手なことをちょっとミックスしていく二系統同時刺激でよいのではないかと考えました。
平面認知にかかわることと、空間認知に関わることでは、脳の機能局在が違うようです。
まだまだ未分化な子どもですから、そのネットワークはこれからどんどんと構成されていくわけです。
その構成の手順やルートは、画一的なものでなくても、その子らしいやり方でよいのではないかと私は考えています。
苦手なカードを何度も何度も繰り返しモチベーションを下げるくらいなら、得意なレプリカで、どんどん学習を進めていき、あっちこっちにシナップスやニューロンのひげを伸ばしておいて、その子にあったネットワークを構成するのを待てばよいのではないでしょうか?
ただぼーっとして待つのではなく、畑を耕し、種をまき、水を与えて待つわけです。
実は、今日のメインに考えていた活動は、野菜・くだもののレプリカを使ったお買い物ごっこ (野菜・くだものの仲間分け) でした。 (↓下の画像)




この日は、すっかりアンパンマンに食われた格好ですが、お買い物ごっこも、なかなかどうして楽しい活動でした。
どうです、このレプリカの野菜とくだもの 画面では本物に見えませんか?
100円ショップダイソー岡山中央店に1個〜2個100円で売っています。 こういうものが、100円ショップで購入できるなんて、本当によい時代になったものです。
それぞれ10個ずつ購入しましたので、将来、数の学習にも使えます。
かれんちゃんが、これを1個2個と数え、仲間わけをし、お金を払う日を今から楽しみにしています。
「まかぬ種は生えぬ」
この日にも、ちっちゃいですけど、大切な種をまた一つまいておきました。
育てるというのは、こういう事なのかも知れませんね。
願いを持ち、工夫して、だけども無理して引っ張っちゃあいけません。
お子さんの心に芽生えた小さな可能性
大切に大切に育てていきましょう
お母さんの深い愛情が、やがて花を咲かせ、実を結ぶ日も、きっといつかやってくるはずです。
それはきっと、世界に一つだけの花で、誰と比べるものでもないはずです。
土の中は見えないですから、毎日水をやるのも大変です。
芽を出すと信じていないと、出来ないことです。
すべては、種をまくことからスタートするのです。

※ この実践記録は、適切な教育によるダウン症児の成長の可能性を、より多くの方に理解していただきたいというご家族の願いと要請を受け、かれんちゃんの表情なども含め、リアルな指導の様子を公開させていただいております。また、平成21年度、福武教育文化振興財団による研究助成をいただいています。
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