エンジンのかかりの悪い子ほど 有効な支援が生きる
2009-03-13
昨日は、まさと君 (=仮名・中) の第3回目の指導を行いました。指導3回目と言うことなら、今回が学習スタイルの定着のポイントです。 まさと君の学びの欲求に添った内容の構成ができるかどうか、その枠組みが試される場面です。
まさと君タイプのお子さんは、曖昧な時間、意味のない時間、見通しももてない展開が大きな障壁になってしまいます。
逆に言えば、もっともキモの学習内容を、整理して提示してやれば、食いつくように、むさぼるように学習を進めていきます。
こうした意味でも、スモールステップの長所活用型指導は有効です。
この日、まさと君に用意したプリントは、漢検プリント10枚、英検プリントは30枚以上になります。
前回の2倍近くになりましたが、私はイケルと確信していました。
これまでのアセスメント(調査)で、彼がこのプリントのどこでつまずき、どれくらいの時間がかかるかを、ほぼ見通すことができていましたから、その時の支援方法もしっかりイメージできていました。
一つのユニットをこなすごとにシールを貼っていきました。 途中 「う~ん、間に合わないかも知れない」 と泣きが入りましたが、これも予想済みなので、「絶対大丈夫、できることまでやればいいし~」 とさらっと流すと、またカリカリ鉛筆を動かし始めました。
途中リズムがつき、時間以内にできそうな手応えを感じると、途中鼻歌は混じるし、ニコニコ笑顔で学習をするようになりました。
ここに来ての集中力は、すばらしいものがあります。
息も付かず70分以上学習に集中し、残りの20分で、ごほうびで、楽しみにしていた英語のDVDを一緒に観ました。
DVDの途中で、電話がかかって来たもですが、まさと君はしっかりその間DVDを止めていました。 (私と一緒にそのDVDを観ることに意味があったのです)
指導後のご両親とのお話の中で、最近、学校にも行きにくい、宿題もしない、何も書こうともしない、すべてにやる気をなくしてしまったまさと君が、そんな風に集中して勉強したなんて、信じられないことだし、うれしくてたまならいと、何度も何度も頭を下げて帰られました。
今回の90分指導で、私も達成感を感じました。
マドンナさんコントでが、学習の手応えを感じることによって、よだれが止まった子どものことを教えてくれましたが、これは真実だと私も思います。
人間のいう生き物は、みんな伸びたいし、向上したいという基本的な欲求をもっています。
私の所に通って来てくれる子の多くは、その間口がちょっと狭い傾向がありますが、その分入ったときの推進力には、抜群のものがあります。
学びに飢えていた分、そのフィールドに立った瞬間、爆発的に学習を進めていく場面を何度も目にしてきました。
私の仕事は、その間口に子どもを立たせること。 それは子どもの特性(長所)に合わせたスモールステップの構成と、支援の出し入れ、そして形成的な評価や新たな目標づくりです。
そこまで出来たら、家庭や学校にその事を生かす環境を構成していくことです。
まさと君の前に、友里ちゃんの指導もありましたが、この90分もあっという間で、休憩なんかはいりません。 友里ちゃん、ここで勉強すること自体が楽しくてたまらないようです。
この友里ちゃんも、エンジンのかかりは悪いですが、方法をつかめば、イノシシのように一気に前へ進んで行くタイプです。
やりたいという気持ちの強いこほど、できないことを受け入れることがむずかしいようです。
ならば、例え簡単なことから初めても、勢いを付けて、上へ上へと目指す長所活用型指導はいかがでしょうか?
頑固・こだわりは短所矯正的な見方であって、長所活用型の発想では、それが爆発的なエネルギーとなって結びついていくのです。
昨日の友里ちゃんの国語指導で、全体的なアウトラインをつかませた上で、個々の文章の読み取りを行わせると有効であることがわかってきました。 これは、かれんちゃんの認知特性を考えていた時の気づきをベースにしたものです。
この辺りは、短い言語で端的に表現できるレベルではないのですが、人がものを認知するメカニズムの淵を覗いているような気分です。
その扉を開けて、子どもたちを、でっかい学びのフィールドで思う存分駆け回らせたい。
これからの指導には、そんな気持ちで向き合いたい。
今、そんな事を考えているのでありました。
↑どうかランキングも見てやってください。はげみになりますので,ご協力よろしくお願いします