個別指導での最高の達成感 (手作り教材のはまり具合と 支援の微妙な出し入れ)
2009-03-02
先日は、はるかちゃん(=仮名 5歳)の2回目の指導の日でした。お母さんと相談に来られた日に、机の上で寝っ転がって、ぐずぐず言ったり叫んだりしてさんざん私を困らせたあの子です(笑)
この子、検査場面でもこれやったらしく、これでIQ値が出るはずもなく、重度の判定もらっています。
今回も、教室に入る前から、「行かんのー」 「トイレー」 などの声が聞こえ、すでにお母さんを困らせています。
来た早々、いきなりトイレに立てこもってしまいました (笑)
しかし、私、今回、必殺技を用意してはるかちゃんをお待ちいたしておりました。(下の画像)
ですから、はるかちゃんがトイレに立てこもっていても、わりと余裕をもってやりすごすことができていました。
(この覚悟がなければ、個別指導教室なんて 看板はあげれません)

これぞ、今回の必殺技 オリジナル作品
「ひながなマスター くすりカード?? FORはるか」 です
↓ 以下は、実際の指導場面でのようすです。





クスリのパッケージが、はるかちゃんの心をしっかりととらえていることは、相談の時にお母さんからたっぷり伺っていました。
ならば、重度の判定をもちながら、ひらがなの読める (と聞いていた) はるかちゃんの指導では、これを教材化しないテはありません。
クスリのパッケージに、補助刺激であるひらかなを添えたカードを使い、メインの映像に、文字と音声情報をミックスさせて入力していく3系統同時刺激で、はるかちゃんを攻略していこうという作戦です。
このカードは、2枚をペアにして、30枚ほど作っておきました。
(クスリのパッケージの映像をネットでひっぱり、それをサービスサイズに焼いて、「ぱぶろん」 「るる」 「りぽびたん」 とひらがなを添え、ラミネーターでパックしておきました。
そして、指導用のテーブルに数枚、さりげなく (わざとらしく) 並べておきました。
はるかちゃん、お母さんを困らせながら、トイレに駆け込んではいましたが、私、はるかちゃんが横目でこのカードを見ながら、トイレに駆け込んでいくのをしっかりと確認しています。
この時点で、すでにこの日の私の勝利は、決定づけられているのです。
トイレで数分グズグズ言いながら、お母さんといっしょに出てきたはるかちゃんは、何とかいすに座ることができました。
(そりゃ、座るわなー 本当は早く座って、このカードが見たかったに違いありませんから)
座ってしまえば、もうこちらの完全勝利
さっそくカードを使って、映像・文字・音声の3系統での入力を開始しました。
心配そうなお母さんは、はるかちゃんのうしろにぴったり貼りついています。
私、普段は、指導場面での保護者の方の入室はお断りしています。
理由は一つ
お母さんが気になって、横でごちゃごちゃ言ったり、「ちゃんとしなさいー」 みたいなオーラを出すと、指令系統が2本に分散してしまい、子どもはどっちの言うこと聞けばよいのかわからなくなって、混乱してしまい、指導の効果が著しく低下するからです。
(でも、お気持ちは理解していますので、きつくは言いません。 でも、一歩この教室に入ったら、ご家族は、できるだけ子どもに色々言わない方がベターです。 教室を出たら、すべてご家族の方にお返しいたしますから、しつけは教室を出た後に、お願いしたいと思っています。 もし、私を信頼できないのでしたら、信頼できる他の所を探して欲しいと考えています。 そもそも信頼感がなければ、こうした個別指導は成立しません。 私がブロクを書いて、指導の内容を公開しているのも、一つにはこうした理由があるからです)
お母さんが安心された頃を見計らって、私は目で合図を送り、退室していただきました。
ここから45分間、私とはるかちゃんとのやりとりは、一度も途切れることなく、一度の離籍もなく、延々と続いていくのです。
> これなあに? (まず私が、はるかちゃんにカードを示して尋ねます)
> (2〜3秒間を置いて、私が小さい声で 「ぱぶろん」 と言います)
> すると、今度は、はるかちゃんが小さい声で 「ぱぶろん」 と言います
> すごーい 正解 (即時強化でレスを返します)
> 30枚のカードを全部クリアすると、拍手して、大げさに喜ぶ私 (一応、間欠強化スケジュールのつもりです・・)
はるかちゃん、うれしくて、途中から鼻歌が混じり始めました。
満足するまで、このカードでの学習は数回以上も続きました。
一定の時間が過ぎると、はるかちゃんのリクエストもあって、アンパンマンのひらがな表を提示しました。
絶対、この展開になると思っていましたから、要求があって1秒で教材をはるかちゃんの前に提示しました。
このひらがな表は 「あ」 → 「あんぱんまん」 「め」 → 「めろんぱんなちゃん」 「て」 → 「てんどんまん」 みたいになっています。
他のひらがな表ではダメです。 私はこれしかないと思って、自信をもって用意していました。
これも、はまりました。
こういうところの追求心は旺盛ですからね。 納得いくまで、私に尋ねてきます。 アンパンマンのキャラクター、事前に勉強してきましたからね。 私、1秒以内にすべてのキャラクター名をお答えさせていただきました(笑)
そして、仕上げは 「おしゃべりアンパンマン」 の電子ボードです。
これは、音声がクリアでないので、質的には気に入っていないのですが、いくら質がよくても、「あ」 という文字が、アンパンマンの絵と対応していなければ意味がありません。
はるかちゃん、 一文字一文字、指で押して、ひらがな表記と音声を対応させています。
この子ね、勉強したいんですよ。
私は、そこの気持ちを感じ、そのことを信じれたからこそ、こうした教材が作成できたわけです。
(でも、本当はせっかく作ったカードを破られたり、無視されたらどうしようかと不安でたまりませんでした。 何せ、オリジナル教材の打率は、イチロー選手の打率よりかなり下ですから・・)
はるかちゃん、楽しすぎて、なかなか帰ろうとしません。 来るときには、トイレに立てこもっていましたが、帰るときにはオリジナルクスリカードを手に持って離しません。
家に持って帰ろうとしているのです。 これも予想していました。 でも、このカード、まだまだここでの学習の動機付けに使いたかったので、あえて鬼のようにカードを返していただきました。 (笑)
帰る間際にお母さんが、「先生、太田胃散を忘れています。 はるかは太田胃散に目がないのです」と教えてくれました。
うふふ、お安いご用です。 ちゃんと作って、次回の時は、テーブルの上には、「太田胃酸」 の他、はるかちゃんの大好きなおクスリのパッケージが、ずらりと並んでいるはずです。
それに、次回は、オリジナルの 「アンパンマン」 のひらがなカードが出来ています。
今日の指導の最中に、そのカードを使っての次のステップがすでにイメージ化できています。
指導というのは、マニュアルではなくて、このイメージが重要なのです。
研修に行って、分厚い復命書いても、結局それだけで指導に生きないのでは何にもなりません。 それより具体的な明日の実践に生きる指導イメージを、一つでも思い描くことが大切です。
特に、何らかの指導の切り口をもっている指導者 (私の場合は、応用行動分析) は、どうしてもテクニカルな方に走りがちですから、逆に臨床場面では、そういうマニュアルやテクニカルな部分を捨てて、まっさらで子どもに向き合う方が、結果うまく行く場合が多いように思います。
ここまで来ると、アンパンマンのカードづくりも楽しいものです。
45分の指導のために、実はその何倍もの準備の時間が必要です。
しかし、このはるかちゃんへの教材開発のエキスは、他の子の指導や教材づくりにも、大きなプラスの影響を与えていきます。 教材づくりの工夫によって私の力量は確実に進歩します。
先日、ミニプリンターを購入しました。
それは、花子ちゃんの指導場園で、その日の学習の展開によって、1分以内に新しい教材をプリントアウトできるシステムを、ご家庭におじゃました時にもできるようにしたいと考えたからです。
マクドナルドで、注文してからパティーを焼いて商品を作る、あの感覚です。
これも、個別指導ならではの醍醐味です。
また、プロンプト(支援)を、子どもの手応えや表情・学習の展開によって厚くしたり、フェードアウトしたりする、いわゆる支援の出し入れが出来るレベルになると、指導していれゾクゾクするくらいの快感で、疲れもふっとびます。
個別指導、最高の場面で、やっていてよかったー と、思える瞬間です。
今の私の最大の悩みは、「散髪に行く時間がない」 ということ・・
今日も私は、散髪に行く時間を削りながら、アンパンマンカードをせっせと作っているのありました。
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