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重度の困難にも負けない 学びの心

 2009-02-23
先ほど、あるお母さんがご相談に来られました。

養護学校高等部に通う脳性麻痺のお子さんで、食事・トイレは全介助だそうです。 表出言語はほとんどなく、運動機能面も、指で何かをさすのがやっと、という状況であると言うことを伝えてくださいました。


そのお子さんの中1の時のエピソードです。

子どもを電動の車いすに乗せてやりたい、そんな思いから、ご家族は病院で、お子さんをその電動車いすに乗せ、安全に配慮して、ひもで体をくくりつけて練習を始めたそうです。

もちろん、初めての試みでしたので、うまく行くなんて思ってもみなかったようです。 ところが、そのお子さんはその時自分の意志で指定の場所へ移動し始め、他の人が近づいた時には、車いすを端に移動することができたそうです。

つまり、表出言語もなく、意思を伝えるだけの運動機能もなかったけど、そこで初めて判断できる・認知できる力が我が子にあるということにいうことに気がつかれたそうです。

しばらくは、学校の先生もそのことを信じることができなかったので、ご家庭だけで細々と学習の営みを開始されたということです。

やがてその手も変形してしまい、電動車いすのレバーを操作する機能も低下してしまったということです。

今では、運動機能面だけから見ると、「○」 「×」 などの選択肢の中から、どれか一つをポインティングするというのがやっと、というのが現状のようです。


しかし、ここからは、私の胸を熱くたぎらせる、奇跡のお話をお伺いすることになります。

このお母さんは、私のところに、このお子さんの学習指導のことで相談に来られたのです。

このお子さん、現時点のコミュニケーションの方法は、選択肢の中から、一つを指さすという方法しかありません。

しかし、 例えば 「356+895」 の計算を、 「1250」 「2351」 「1251」 と例を示せば、ちゃんと正解を指で示せるというのです。  

お寺の写真を3つ示して、「東大寺」 がどれかを選んで、指で示すことができるというのです。

お母さんは、私の前に、これまで取り組んだ学習のファイルを広げてみせてくれました。

方法は、毎日養護学校の先生に宿題としてプリントを出してもらい、お母さんはそのプリントに選択しを設定したうえで、夜の7時からずっと勉強を続けられてきたようです。

このファイル、半端なものではありません。


> 先生、この教室2階ですよね、子どもを2階まで上がらせるのは、とても無理です・・

お母さんは、とっても残念そうな顔をされました。


> 首もすわっていないんです・・  物を持つこともできない・・  しゃべることもできない

> でも、勉強している時の、この子の表情はとても生き生きとしているんです

> 歩くことも、物をもつこともできない子だからこそ、勉強を通して知識を身につけ、豊かな心を育んでやりたい、心の豊かさを感じさせてやりたい・・


私、来月、このご家庭にお伺いさせていただく約束をしました。

まずは、実際に会ってみようと思ったのです。


> この子は、全国のご家族に、勇気と希望を与える子だと、私は思います。

> この子の生き方と可能性は、はかりしれないインパクトを人々に与えるに違いない・・

> それが、神様が、この子に課せられた使命なんだと、私は思います。

> そしてその手応えが、この子の自身の幸せを育んでいくことにつながってほしいと願っています。


私は、そのような意味のことをお母さんにお伝えしました。


コミュニケーションの方法は、ポインティングだけなので、知能検査などは測定不能です。

ですが、それでもポインティングだけで、検査をされたドクターがいるようです。

その数値を見せていただきました。 もちろん、それが高い数値であるわけがありません。

しかし、何と気高い数値であることでしょう。 私には奇跡の数値としか思えません。


この先この子と、どんな出会いが待っているのか、わかりません。

私は今、胸がドキドキして、言いようのない昂揚感に包まれています。

それは、子どもが学ぶと言うことの、本当の意味を、きっとこの子が私に教えてくれそうな気がしてならないからに違いありません。

ご相談を伺っただけでも、私には、何か強いエネルギーがみなぎってきたように思うのです。

みなさんは、このことから、何をお感じになるでしょうか?


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コメント
お子さんの状態は私にはよくわからないので、一般的な情報ですが・・・私の息子は喃語しか発しなかったし、意志の疎通もできませんでした。当時は 日本インリアル協会のHPを見て 可能性を探っていました(当時のインリアルは 今と少し違っていました)

お子さんの可能性と考えると・・・選択することは可能ですから・・・パソコンを使ってのアプローチかもしれません。私は息子が小さかったころ、アルキメデス・プロジェクトで日本に招かれたコンピューターの・・・視点をポインターにして 文字を選択する・・・というプロジェクトの可能性を考えていました~当時は大変高額で、一番早く確実な方法は渡米という条件でした。
あれから10年以上たっているので、技術はめざましく進歩していると思いますが・・・。
当時の私は眠る時間も削って 必死に 息子の可能性のために 情報を調べる毎日でした。

参考になるかどうかわかりませんが、プロップステーション(大変有名なチャレンジどのサイトです)の中に 参考になる記事がありました。可能性の一つとして参考になるかな~と思います。
http://www.prop.or.jp/challenged/open/heart/heart-jp3123-1.html#article3

私も息子がずいぶんと小さい時に、重度の青年にあってほしいと頼まれたことがあります。
幼稚園の時に 幼稚園の池に落ちて 重度の障害になってしまいました。
全身は寝たきりで動きません。 手も指も動きません。 言葉も全くありません。
両親は彼が何をいいたいのか全くわからないといいます。でも おばあちゃんは 彼とコミュニケーションができるので=霊感があるのでは??というのです
茨城県から東京にお子さんを連れてみえて、何の特別の能力の無い私・専門知識も無い私にどうしろというのでしょう?と思いながらお会いしました。
実際に会ってみると・・彼は 様々な「サイン」を出していることに気がつきました。とても表情が豊かなのです。といっても 健常者のように・・ではありません。彼は 彼の体の中の動く部分を使って一生懸命にサインをだしていました。おばあちゃんは このサインをキャッチできていた方だと感じました。ご両親には 脳性麻痺の特徴的な動きで どうしようもないのだといいます。

彼は 目玉を動かすことができました。舌を動かすこともできました。口は 麻痺があるけれど 感情を出すようにぎこちなくですが動かせました。 恥ずかしかったりしたときは ほほがぽっと赤くなりました。
彼は その時々の 家族の会話にあわせて それらの動きを使って 参加していました。
私は 彼がだしている「サインの見方」「気づき方」を ご両親にお話しました。
私が「○○くん、お母さんのこと わかるよね♪」と聞くと それにあわせて表情や動きが大きくなります。 ○○くんの嫌いなことを聞くと 本当にいやそうにしています。 彼の動きと 私たちの言葉と連動させると 一生懸命に彼がサインを出して 豊かな感情を持っていることに気がつきます。

「○○くん、ず~~~っとサインを出していたのに、私は あなたが何もできないと思い込んでいて、気づこうとしなかった。見ていたのに、見ていなかった。ごめんね・・・。」とお母さんが彼に話すと彼は全身で必死に表現をしようと応えてくれました。

子供は 植物状態であっても・・・心臓の鼓動を使って 自らの意志を母親につたえようとする・・・インリアルで知ったことでした。私は 当時、何も応えてくれない息子のサインを読もうと必死だったのです。

困難に出会うたびに、一人で 必死に情報を探す毎日でした。本屋に行っても いまのように情報は豊かではありませんでした。ネットもそんなに整っていませんでした。ちょっと違うことを言えば ネット上で袋たたきにあって 生きているのがいやになるほどでした。うつになりそうになったこともありました
いまの世の中の環境はそんな当時に比べると とても恵まれていると思います。

私が知っているのは 過去 10年前の情報で、プロップのようにがんばっている先人がいますからコンピューターも進化していると思います。
お子さんの可能性が拓かれていくことを祈っています。
【2009/02/23 23:12】 | マドンナ #NetAmKeg | [edit]
マドンナさん

貴重なご示唆、本当にありがとうございます。

彼の場合、キーボードはちょっと無理なようでした。

視点ポインターの現状は、どのようになっているのか、調べることは必要だと思います。

そこに大きな可能性があると、私も思います。

また、いろいろと教えてください。

このお母さんも、このコメント、まちがいなく読まれると思いますので・・
【2009/02/24 07:05】 | SHINOBU #- | [edit]
脳性麻痺のお話がでましたが、脳性麻痺も 人によって違います。
ご紹介されたお子さんとは 様子が違う方たちですが、社会の中で活躍されている方もいます。

どちらの方も体も動きますし、脳は正常発達なので、条件は違いますが・・・。

三戸学さん=秋田県で数学の教師をしています。手帳は1種1級です。
http://www.gakuchan.com/

茂森勇さんのHPです。英国で仕事をしていますが、今回リストラされてしまい、求職中です。
http://www.geocities.com/isamush01/index.html

野田さんのHP お子さんと動作法の訓練をしている様子です。お子さんが成長されたのでいまは更新されず、記録として公開しています。
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/6954/dousahou.html

私たちは 1つの障害のタイプに 1つの固定観念をもってしまいがちですが、子供の個性、環境によって違ってきます。多彩な方は たくさんいらっしゃると思います。
こちらにご紹介したHPは 私が歩み続ける中で たくさんの勇気をいただいた皆さんです。
学ちゃん先生とは 東京の早稲田大学でお会いしました。
そのときに、パラリンピック金メダリストの落合さんともお会いしました。

自閉症の東田くん~NHKやたくさんのメディアで紹介されている 童話作家で、現在 高校生です。指筆談という方法をとって お母さんとコミュニケーションしています。
http://info.linkclub.or.jp/nl/2006_04/dowa.html

「可能性をあきらめない」 一生懸命のお母さんを 私も応援しています。

早期発見・早期療育という言葉は 今は一般に知られるようになりましたが、まこちゃんが6歳の頃、日本ポーテージ協会の先生に どうしてもっと啓発をしないのですか?とお聞きしたとき、早期発見・早期療育には とても大きな反対の壁があると言われました。
まこちゃんの学校の図書館でも 早期発見・早期療育の「害」について語られた本が置かれていました。
私は いろんな場で「早期発見・早期療育がいかに大切であるか」をお話し続けてきました。
私は 大きな海の中の 小さな砂の粒にすぎませんが、少しでもできることを続けることで みなさんに知っていただくことはできると思っています。

大変でつらくて どうしようもない気持ちになることはたくさんあるけれど、「できた!」という表情で喜ぶ あなたを見たい 抱きしめたい・・・いつも母親は精一杯の ぎりぎりのところでがんばっています。がんばりすぎているママに がんばって・・・はつらすぎる・・・だけど、他に選べる日本語が無いから やっぱり「がんばって・・」と声をかけてしまう。

希望を持って歩む人が 光を見いだせるように・・・手をつないでいけるように 願っています。
【2009/02/24 08:09】 | マドンナ #NetAmKeg | [edit]
早速に、ありがとうございます。

きっと、読まれて、目の前に続く新しい道が見えるような、そんな気持ちになっておられると思います。

これも、マドンナさんのこれまでの歩みがあればこそ・・

その奥の深さに、改めて心を打たれました。

今後とも、どうぞよろしくお願いします。
【2009/02/24 08:31】 | SHINOBU #- | [edit]












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