フランスの少子化対策の真剣度と英断 (してやってる感覚の抜けない日本の行政の大いなる反省点)
2009-02-12
先日の研修会で、読売新聞東京本社 榊原智子記者の 「フランスの育児支援策から見た日本の子育て支援」 という内容の講演を拝聴しました。ジャーナリストの方の講演と言えば、先日の品川裕香さんの講演もすばらしかったですが、榊原記者の講演も私の心に、大きなインパクトを与えるものでした。
データに基づき、必要以上な大げさな表現は控えながらも、その言葉の一つ一つに深く・そして熱いメッセージが凝縮されているような講演でした。 この方、まちがいなく本物です。 私の向かうべき方向を、明確に示していただいたように思っています。
結局、日本とフランスの子育て支援・少子化対策の何が違うかと言えば、行政の真剣度と基本的なスタンスの違いです。
すべての方がそうだとは言いません。 心をこめてお仕事されている行政関係の方、政治家の方には心から敬意を表し、期待もしています。
しかし、たくさんのお母さん方が、行政機関・関係機関の上から目線、あまりにも冷たい対応、心を踏みにじられるような言葉に、傷つき涙を流してきたことを、私は知っているのです。
「そんな希望が通るなら、誰だって申請しますよ」
ある機関の相談員は、保護者の方にそう言い放ったことを、私は決して忘れることはできません。
横で聞いていた私は、ついに堪忍袋の緒が切れて
「では、あなたは、個々のニーズに寄り添う特別支援教育の在り方をどう考え、何を目指して取り組んでいるのですか?」 と尋ねると、その方は急にシュンとなって、か細い声で 「上に聞いてください」 の一言・・
本当に情けない思いをしました。
では、榊原記者から聞いたフランスの子育て支援の中身をかいつまんでお伝えします。
まず、公立学校は、外国人の子どもであっても誰であっても、大学に至るまですべて無料。 しかも、新入生には、ランドセルや文房具を買うための費用も国から支給されるそうです。
日本人の子でも、フランスの学校に通うと対象になります。
また一人親支援として、バカンス手当なるものが支給されるそうです。 一人親にも、いや一人親だからこそバカンスで気持ちをリフレッシュする必要がある。 そのことがひいては、国の活力につながる・・
何という発想の違いなのでしょう?
また、パリには、母子支援センターなるものがあって、保育士・カウンセラーなどが、常駐し、いつでもサポートを受けられるばかりでなく、放課後児童(いわゆる学童保育)や長期休業中などのすきま支援も完璧だそうです。
子育てにはその隙間が大変なこと、私も多くの方から聞いています。
諸外国のデータでは、女性の就労率の高さが、子どもの出生率と相関しているのです。 つまり、働く環境が整ってこそ、出生率が向上するわけです。
フランスの公立保育園、赤ちゃん2ヶ月半から受け入れです。
これも、それも、社会の 「本気度」 が全然ちがうわけです。
特別支援教育にも、まったく同じ事が言えると、私は思います。
やれ予算がない・・ 前例がない・・ 公平性がどうのこうの・・・
そんなのばっかりじゃありませんか?
要は本気でやる気がるかどうか? その1点にかかっています。
このブログに参加されているご家族の方には、不可能を可能にしてきた方がゴロゴロいます。
みんな、とっくに自分の事は捨てています。
優しい心があるから、子どものためならばと、自分をあえて鬼の役割に仕立てているのです。
神原記者は、講演を 「従来の枠にとらわれない、真の保護者ニーズに寄り添える先生の活躍を期待しています」 と結びました。
勇気ある発言です。
信念のない方には、こうした言葉は生まれません。
この一言が、それまで私の心の中でためらいみたいなものを、きれいさっぱり拭い去ってくれました。
心なのかで、何かに火がついたのを、はっきりと感じ取っています。
さっそく、帰りの新幹線の中で、新しい取り組みのビジョンが膨らみ、ある方にメールお願いをすると、それを機会にとんとん拍子に物事が前に進んでいく感じです。 とても楽しみになってきました。 時期を見て、みなさんにも報告するつもりです。
私のやっていることは、ほんのささいなことです。 決してたいそれたことをしているわけでは、ありません。
でも、その本気度はMAXです。
何はできなくとも、この本気度が、何よりも大切なことだと考えています。 本気であれば、そこから新しい何かが、必ず生まれてくるものです。
通常学級での受け入れについても、先生方の本気度があるかどうか? それが何よりのポイントになります。
子どもの育ちが、以後の社会にどれだけの活力を産むか、どうして理解できないのでしょう?
社会に世話になって生きるのではなく、社会に貢献できる子に育てるのですよ。
その社会の費用対効果は、抜群です。 必ずリターンのある、未来社会への積極的投資です。
榊原記者の報告によると、GDPにおける日本の予算配分は0.6%=3兆円、フランスは2.8%で7兆円だそうです。 フランス並みの支援にするためには、10兆円という試算があるようです。
公共事業のシフトチェンジの流れを作って行かなくてはなりません。
小手先の、してやってる支援? なんか、もうたくさんです。
誰かと比べることはありません。
自分の持ち味を生かして、本気度を示せれば、それでいいのです。
そのことで、きっと何かが動く、そうでなければ何も動かない。
榊原レポートに大きな拍手を送りながら、私は強くそんなことを感じているのでありました。
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