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通常学級での学びと個別支援  その内容・目的・方法の精査

 2009-02-05
昨日巡回相談でおじゃました小学校は、週3時間モジュールの時間を設定し、漢字学習や計算、辞書引きなど、基本的なスキルを育成することに重点を置いた教育を行っていました。

学校での学習には、体験的な学習、知的好奇心を育てる学習、創造的な学習、問題解決的な学習など、様々な内容が含まれています。

しかし、その中で本当に大切な内容、いわゆるファンダメンタルな内容は、「読む」 「聞く」 「話す」 「書く」 「伝える」 「数える」 「作る」 といったようもので、たくさんの教材を使いながらも、鍛えていく・育てていく力そのものは、そんなにたくさんあるものではありません。


私、自慢じゃないですが、原子記号や化学式、昔習いましたけど今じゃ全然わかりません。

ほとんどの内容をきれいさっぱりお返しいたしましたが、その中で本当に大切な部分だけは残っていて、今の私の活動にも役だっているのだと思います。

漢字や計算、毎日そんなことばっかりやるのも、学習に方向感がありません。 

新しい事、未知の文化を、子どもたちに示すことも学校教育の大きな役割です。 こうした内容は、友達と共に通常学級で体験させてやりたい内容です。

一方、みんなと共に取り組んで行きながらも、それぞれが自分のめあて・目標に向かってスキルアップしていきたい基本的な学習というものがあります。 ここには、何らかの個別サポートがほしいところです。


昨日、巡回相談が終わった後、イチロー君の個別指導に伺いました。 昨日はイチロー君の誕生日でもありました。

繰り上がりの足し算の指導を行いながら、私、イチロー君の数学的な処理能力を鍛えていくための課題分析をしちゃいました。

どれだけ時間がかかるかはわかりませんが、私、絶対にイチロー君に、日常生活に困らない数学的な力を付けたいと思っています。


そのために、これからステップを刻んで育てて行こうとする内容は以下のようなものです。

① 1~100までを順に正確に、無理なく数えられるようにする。 (今やっているすごろく・数え棒ゲーム あと30回もやれば、かなりスキルアップすると考えています)

② 脳のワーキングメモリーの保持がやや苦手なので、できるだけマッチングなどショーターンで処理できる課題を用意して、徐々にそこを鍛える。

③ 「4+4は8」 と機械的に記憶している物もあるので、「一位数」 + 「一位数」 の中で、暗記しやすい物、覚えやすい物を中心に、そのレパートリーを増やす。

④ 数を量としてとらえる感覚を鍛えるため、本人にとってわかりやすい指の操作を、毎回どこかで取り入れるようにする。

⑤ 現在、使っている20玉そろばんの操作性がやや不正確なので、毎回続けて使用していくことで操作性のスキルを高める。

⑥ 当分は、あえて本人のやりやすい継次的な方法で数処理をさせ、一定の定着が確認できた段階で、視覚認知・数の合成分解といった数理的な処理を徐々にミックスし、そのよさを体感させる。

と、まあこんな感じです。


こういうことは、個別支援でなければできませんよ。

ここまで、その子に合わせた課題分析ができるようになるためには、一定の時間が必要だし、知識や経験も必要です。 でも、ここまで見えれば、半分できたようなものです。 指導の中で、体験を通して子どもは成長しますから、遠くても道筋さえみえれば必ずゴールできます。


現段階では、学校に個別支援の文化が、完全に定着しているとは言えないと思います。

でも、設計図と方法さえ示せば、ボランティア先生でも、大学院生でも、お母さんでも、きっと喜んで取り組んでくださると思います。

イチロー君のご両親にも、指導の後、いつも時間をとってその日の様子をお伝えしています。 毎回教材研究をご両親と一緒にしているようなものです。

宿題のようす、学校での取り組みなどいろいろな情報が入ってきます。


マンツーマンにはマンツーマンの良さはありますが、でもマンツーマンにすればそれで万能というわけでもないのです。

そこには、内容・目的・方法の精査は不可欠です。

そこをするのが、教育のプロである学校の先生の専門性が最も発揮される場だと私は思います。


私、学校で繰り上がりのできない子を見かけると、心の中で、教えたいという炎がメラメラと燃え上がってしまいます。

私より何倍も算数指導に詳しい先生って、学校にはいくらでもいます。

その先生が設計図書いて、大学生ボランティアが指導するなんて形も、あってもよいのではないでしょうか?


昨日、巡回相談が少し長引いて、イチロー君のお宅におじゃましたのは6時過ぎになってしまいました。

イチロー君、体調が悪くて昨日はお休みしていたのに、6時まで何度も外に出て私を待ってくれていたようです。

この日も、指導の中で、いろいろな手応えや気づきがありました。

そのことを何よりも敏感に感じているのは、イチロー君自身です。

アンキロサウルスのクラフトも楽しみなのですが、本当は、算数ができるようになることが1番の願いなのです。

この頃 「おれ、頭悪いから~」 と言わなくなりました。

指導が終わり、お母さんの手作りケーキを一緒にいただき、外に出るとまたぴょんぴょんはねて、とってもうれしそうでした。


算数、イケルかも

言葉にはしませんでしたが、その感覚はイチロー君にも伝わっているのです。

何ともいえない心地よい感覚を味わいながら、私は家路につきました。


きっと、全国いろいろな学校で、すばらしい教育実践が始まっていると思います。

本当に子どものベースとなる基本的な学力をつけていくための、生きた取り組みの輪が、全国に広がってほしい。

私は、そう願わずにいられません。


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