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苦しい時でも 一つの事から展開は変わる (イチロー君 算数のつまづきから見事に復活!)

 2009-01-15
小学校1年生、算数の最大の難関は、繰り上がり・繰り下がりの計算です。

お子さんに、勉強ができるようになりたい・がんばりたいという気持ちが強ければ強いほど、ここの関所の坂は強くなります。

また、国語では、新年の書き初めが大きなハードルになってしまう場合があります。

これも、うまく書きたいけど思うようにできない、あるいは自分に賞状がもらえない、というようなことが、その子にとっては許容できない内容として重くのしかかる場合もあります。


イチロー君(小1)も、算数では大きな壁にぶつかりました。

それまでは、毎回はずむように私の指導を待ちわびていた彼が、そのころから極端に表情が変わっていきました。

投げやりな態度になったり、がんばりが効かなくなったり、わがままを言い出したり、ぐずぐず言ったり・・・

お試し行動の嵐です。

正直、私気持ちも、心の中で揺れないわけはありません。

どんな子どもの指導の時にも、必ずこういう場面が一度はやって来ます。 そして、そういうときにこそ私自身の中身が試されるのだと、努めてどっしりと構えるようにしています。


> もうしたくない

> そう、したくないんだな、気持ちはわかるよ、そういうときもあるよな、早くやる気がもどどるといいね

> ・・・・・・

> そう、もうそんなにやりたくないんなら、いいよ、きょうはせんせい帰るから、また今度元気になったときにがんばろうや、


そうまで言うと、たいていの子は顔つきが変わり、「じゃあ、がんばる」 と再び鉛筆を握ります。


こんな展開になったら、回り道を覚悟で、思いきって、その子の好きな体験的・活動的学習を中心に組み直します。

モチベーションの低い子どもにSHINOBU流の指導は成り立ちません。

しかし、ここで体験的・活動的学習の構成を考えていると、ほとんどの場合、私の方が 「最初からこんな風に工夫しておけば良かった、怠慢だった、工夫が足りなかった・・」 と反省させられます。


子どもがつまづいているのにもかかわらず、相変わらずのつまらない、単調な方法の繰り返し・・

その事に気づくのは、たいてい私の方です。

できるようになりたい → だけどできない → したくない

の構図を打破するには、その子にあったスモールステップが必要、そのスモールステップこそが、体験的・活動的だったりする場合が多いのです。


イチロー君の場合は、少し算数から離れ、大好きな工作に挑戦してみました。 工作から算数へのアプローチはできないかと、とんでもないこと? をひそかにたくらんでいました。


「ワクワクさんの牛乳パック工作」 を教材として選びましたが、結構収穫はありました。

イチロー君の場合は、算数についても、書字についても、形の認知の偏りが一つの大きな要因になっています。 でもそれは偏っているだけで、それを補う行動・学習レパートリーが、この子にはあるのです。


昨年の年末、牛乳パック工作を一緒にしながら、私はぼんやりと算数と、漢字の指導の事を考えていました。

紙に鉛筆で書く認知力は低いけど、工作など手でさわれるものの認知力は高いよなあ~

なら漢字指導に、「十の画べえ」 はどうだろう?


算数は、学校・家庭・そして私の指導の細かい系統が食い違ってるよなあ~

結局どれが一番本人に入りやすいんだろう、そこを見つけて、1から整理してやれば展開は変わってくる、結局は認知、そこの手がかりは きっと具体物、そこの重点化だよな~


そんなことを考えながら、昨日、本年第1回目の指導を行いました。

前半は、少しまだダメージの余波が伺えました。 この日のメニューにない 「パソコンの学習がやりたい~」 から始まりました。

でも、事前に冬休みに家庭で算数がんばっていた情報をいただいていますから、ここも何とかなると感じていました。

子どもが本当に喜ぶのは、勉強ができた・わかったの手応えのある時です。 パソコンなどは、そのための手段にしかすぎません。

10分ほど予定外のパソコン学習を済ませて、定番の学習プログラムに入りましたが、まずは順調な手応えです。 家庭学習の充実を、ダイレクトに感じることができます。

漢字学習では、満を持して 「十の画べえ」 の登場です。

これ見事に食いつきました。 まさに、わかる・できる 感覚です。 この子、紙の文字は見えにくくても、画べえの文字なら、しっかりと認知できています。

このあたりから、イチロー君の表情は、以前の弾むような生き生きとしたものに変わってきました。


次の算数でも、復活の手応えを感じることができました。


ます、「8」 なら 「8」 の認知を即座に両方の指を使って示しました。 そうか、そう理解したか、じゃあ、まずそこの認知方法をきちんと固めてから次へ行こう。

順序数もまだあいまいな部分が多いので、すごろくと数え棒ゲームを続けてそこも固めよう。

それができたら、「8」 の認知を、ショートターンメモリーにきっちりキープ出来るよう指導しよう。 これもゲームがいいかな?

それができたら、筆算、それと合わせて同時処理的なとらえを二系統で仕組んでいこう・・・

など、イチロー君の、「よっしゃできる!」 発言に合わせて、私の妄想もぐるぐると回転していきます。

結局、用意していた3枚のプリントを、本日は見事にクリアしていただけたのでした。

本日は、私もイチロー君も大満足な1日でした。


今回のつまづきについても、私の果たした役割はほんの微々たるもので、そのほとんどがご家庭の取り組みによるものでした。

私は、それにちょこっと参加させていただいて、ありがたいというか、申し訳ないような気持ちです。

もちろん、これでイチロー君の算数の課題がすべて解決したわけでも何でもありません。 たったひとつ手がかりをつかんだ、それだけのことでしかありません。

きっと、これからも次々と課題がおとずれることでしょう、

でもこのつまづきがあったからこそ、真剣に向き合えたし、多くの気づきや発見がありました。

大切なのは、そこに希望の光が見いだせるかどうか? そこにかかっている部分は大きいと感じています。

そして苦しいけど、一つのことを打破したら、それだけで展開がまったく変わるように感じるので、不思議なものです。


指導が終わって帰ろうと思うと、暗闇の中、外にはみぞれまじりの雨が降っていました。

イチロー君は、また以前のように元気いっぱい飛び跳ねながら、私の姿を見送ってくれました。


> そうだよ、それが君の本当の姿なんだよ

> わかる・できる こそ、最大のプレゼントだよね


苦しいとき、イチロー君を痛める発言をしなくて、本当に良かった。

おばあちゃんからいただいた、あたたかい手作りの鯛焼きをカバンに入れ、私は何とも言えない充実感を感じながら、家路に付くのでありました。

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