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小学校低学年の児童に対する 行動改善へのアプローチ

 2009-01-05
昨日、つよし君(=仮名 小1男子)の、第1回目の指導を行いました。

年末にお父さんが相談に来られ、行動改善に向けてのアプローチを中心にお願いしたい、ということで承りました。

お父さんと一緒に、高学年のお兄ちゃんも来ましたが、物腰と言い、態度と言い、どちらかと言えば、つよし君の方がお兄ちゃんを圧倒する雰囲気をもっています。

私は、小学校の現場にいるときから、このタイプのお子さんにはたくさん出会ってきましたが、その中でもトップクラスのムードです。 普通の1年生なら、即座に吹っ飛びそうな感じです。


第1回目の指導ですので、アセスメントを中心にした指導を行いました。

国語・算数の教科学習を中心としたメニューに、最後にお楽しみとして、子どもが好きそうないくつかのお楽しみゲームを用意しておきました。

つよし君、この時からお楽しみゲームの 「ベイブレード」 が気になって仕方ありません。 ベイブレード(現代版のベイ独楽です)で、SHINOBU先生を負かす、という闘志が、最初からギラギラと燃え上がっている感じです。 前回相談に来た時に、事前にえさをまいていたのが、もうしっかりと効いているようです。

言語・数量など、認知面では大きな偏りは無いように思えました。 しかし、鉛筆の持ち方は、今までに見たこともないような持ち方です。 握り箸というのは何度もお目にかかりましたが、握り鉛筆というのは初めてお目にかかりました。

で、文字自体はどうなのかというと、筆圧のしっかりとした、大きくて整った文字を書くことが出来ています。

それと、10分も経たないうちに現れ始めたのは、姿勢のぐにゃぐにゃと、貧乏揺すり系のガタガタ行動です。 なるほど、君はそういうタイプの子どもなのだね、と言うくらい、ある意味わかりやすいパターンです。

すごろくゲームにしても、じゃんけん数え棒ゲームにしても、勝負に対する意気込みと、その喜び方のスケールは抜群です。 ともすれば、こちらの闘争心も刺激される展開です。

途中、算数のプリントを5枚くらいさせました。 さすがにこの時はあごが上がりかけましたが、もちろんそういうときの支援は事前に用意しておきましたし、その後の 「ベイブレード」 が、しっかり心に食い込んでいましたので、学習面は予定していたメニューをすべてクリアすることができました。


さてこのベイブレードですが、さすがにこれは、なかなかの歯ごたえがありました。

ベイブレードというのは、昔のベイ独楽の現代版で、独楽と独楽を相撲のように対決させて遊ぶゲームです。 初めにちょっと練習しよう、と回し始めましたが、その勢いはとても1年生のそれではありません。 とて力強い回し方に、驚きの連続です。

こうして私とのガチンコ勝負が始まったのですが、これ、実はじゃんけんみたいに、独楽と独楽との相性みたいなものがあって、同じ力なら、AはBには強いけれど、Cには弱い、みたいな設計になっていて、そのすべてに勝利するというのは、システム的にとても難しい設計になっっているのです。

もちろんつよし君が、そんなことを知っているわけはありません。

全部勝つつもりで私に挑んできますが、結構何度かやられてしまします。

でも、決してその負けを受け入れることができません。

ここに、私がこれから目指していく大きな課題が浮かび上がってきたわけです。


私が、これから長い時間をかけてつよし君に培っていく力は、たとえ負けてもそのことを柔軟に受け入れることの出来るふところの深さと余裕、そして究極には、自分の短所も含めて、自分自身を肯定的に受け入れることの出来る理解力の育成です。

こんなことが、いきなり出来るのなら、苦労はいりません。

そこに向けての小さなステップ、そこへ食い込むための周辺のスキルの育成、総合的な認知力の育成などなすべきことは、いくらでも存在するわけです。


90分の指導が終わり、お父さんとお兄ちゃんが迎えにきました。

>今日の指導は、こんな感じでした・・ 

>明日から、いきなり行動が改善されるということは無いと思います。 ですが私、できれば長い期間、この子の指導にあたっていきたいと思っています。 私でなければできないことがあると思っています・・・

私が、お父さんにそう告げると、お父さんはほっとしたような表情で、こちらこそどうぞよろしくお願いします、と、深々と頭を下げて帰られました。


私は以前、情緒障害児短期治療施設という所で、何度か行動改善の取り組みを行ってきました。

しかし、そのかかわりは1年単位で、長期にかかわるケースはほとんどありませんでした。

ですが今回、つよし君とは、長期にわたってかかわることが可能であるかも知れない。

こうした子の行動改善のアプローチの重要な項目として、長期にわたってその子に寄り添うことの出来る、心の指導者の存在があげられています。

重要性のわりには、その実践例は多くないように感じています。

ぜひ、その具体的実践例を残し、そのことを世に問うていきたい。


この兄弟が、お父さんを慕っていることは、行動の端々から伺えました。

洗濯や掃除も、この兄弟が多くを担当していることも聞きました。

忙しい中、日曜日に、遠隔地から、わざわざ私の教室を選んで来てくださることにも感謝の気持ちでいっぱです。


お父さんへの報告が終わると、このご家族は、手を取り合うようにして教室を後にしました。

>学校では、友達につばをかけたり、けがをさせたりすることが何度かありました・・・

私は、私にしかできないことを、ぜひこのご家族のために行っていきたい!

新春のあたたかな日差しに包まれるご家族の後姿を見つめながら、私は心から強く、そう願っているのでありました。

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