子どもはテクニックではなく 心で動く

 2008-12-30
「うちの教室の指導には、マニュアルがないのですよ。 まずお子さんと向き合って、そのよさと特性を理解し、発達の最近接領域を見つけ、そこに願いと目標がが生まれ、オリジナルの教材を開発する・・  時間がかかります。 ご家族と何度も情報交換をして、何度も試行錯誤を繰り返します。 やることなすこと、とてもすべてパーフェクト、というわことになりません。  当然、打率も低いです。 何やっているのか、わからない時もあります。 それでも、よろしいですか?・・」

私は、保護者の方との相談の折には、必ずこうした内容をお伝えすることにしています。

この説明をすると、ほとんどの方は、ほっとした表情になります。 オリジナルで考えていただけるのは、とてもありがたい、と多くの方がそう伝えてくださいます。


定番指導マニュアルには、定番指導マニュアルの良さがあります。 失敗が少なく、一定の品質が担保され、開発費もロスも少なく、ある意味効率的です。

学校の教育課程などは、その典型です。

しかし、定番指導マニュアルが、完璧で、何の欠点もないのかと言えば、それはケースバイケースであると考えています。

1年生にできていたはずの学習が、2年生も後半になると、跡形もなく消え去っていることがあります。 取り組んだドリルやプリントの枚数だけがどんどん増え、できたつもりでいても、まるで賽の河原や積み木崩しのように、いつの間にかガタガタと崩れ、また1からやり直し、ということもあります。


ここで一番恐ろしいのは、学習者の心が痛んでしまうことです。

モチベーションが極端に低下したり、自分はダメだと思いこんだり、集団から疎外されたような気持ちになってしまうことは、本人にとって大きな不利益になってしまいます。

マニュアルは単なる一つの手段であって、それ自体が目的ではないはずです。

私は、子どもと向き合うときには、どんな子どもであっても、気持ちをまっさらにして向き合うことにしています。

そして、その子と共にできること・わかることを一つ一つ積み重ね、評価し、学習の意欲、分かる喜び、出来る楽しさを体感させ、学習の意欲を高めていきます。

いつもお知らせしていることですが、私の気持ち的には、モチベーションの育成5 : 学ぶ環境作り3 : 特性に応じたテクニカルサポート2 の割合で構成しています。


12月から、しゅう太君(=仮名 小1男子)が、隔週90分の指導を受けに私の教室に通ってくれるようになりました。

このお母さんは、花子ちゃんの認知力アップの記事(12/7)を読んで、確かその日にメールをくださり、次の日にはご相談にお見えになり、翌週には指導を始めさせていただいた方です。

この子と学習のゲームをしてほしい、形式ではない真の学力を付けて欲しい、この子の特性にあった内容を構成して欲しい、それがお母さんのご希望でした。 (ずっと前からこのブログを読んでくださったようで、私のスタンスを十分理解してくださっていましたので、私としては異例のスピードで指導を開始させていただきました。)


昨日が第2回目の指導の日でした。

しゅう太君は、勉強の最後にあるカーレースが楽しみで楽しみで、何度も何度も学習メニューの
 「カーレース」 の文字を見つめていました。

しゅう太君も、お母さんの事前の情報通り、形の認知、それも斜め系が苦手なお子さんのようでした。

さっそく先日紹介した 「十の画べえ」 と 「書字系統プリント」 などの学習に取り組みました。 半年間、花子ちゃんと格闘した分野ですからね、とこがどのレベルなのか、気持ち良いくらい感じ取ることが出来ました。

学習に手応えがあると、マンツーマンでも、盛り上がるんですよ。 本当に楽しい。


前回は、カーレースのパーツが1個足らなくて、しゅう太君、不完全燃焼でした。

なので、今回は、しゅう太君のために、おもちゃ屋を2件まわり、ネットでパーツを購入して万全の構えで待っていました(笑) こういうところは、マニュアルには絶対に無い部分です!

最後の学習メニューをこなして、 「カーレース」 をするときのしゅう太君、うれしそうでしたね~

お母さんのメールによると、帰りはかなりの上機嫌で、車の中でオリジナルの鼻歌を歌っていたようです。 (満足してもらえてよかった)


ABAの理論で説明すると、これがしゅう太君が熱心に学習に取り組んだことに対する、最高の強化子になると、私は考えたわけです。

時間に追われ、死にそうな中を、寒風の中2件のおもちゃ屋をバイクでまわり、それでも見つからない最後のおもちゃのパーツをネットで購入するド根性! これもマニュアルにはありません。

私は、しゅう太君に、私の気持ちや願いを伝えるには、この方法しかありえないと思っていました。 

君の大好きなこと、先生は知っているよ、そして君のこと、もっともっと理解して、これからも先生といっしょに、楽しく勉強していこうよ、そんな気持ちは、このおもちゃなくして伝えられないと考えていました。

この私のエネルギーの原動力となったのは、花子ちゃんの記事を見て、翌日に相談に来られた、このお母さんの思いであることは言うまでもありません。

人間って、こんな気持ちって、伝わるものじゃありませんか?


私はもこれまで、重度の障害をもつ子どもとも、何度も接触をもってきました。

そこで何度も感じてきたのは、子どもは理屈や口先やテクニックではなく、心で動くと言うことです。

それは障害の種別・程度には全く関係なく、その感性はどの子もみんな同じであるということです。


私は、しゅう太君が大好きになりました。 カーレースでのしゅう太君の喜び方は、私の予想を超えたものでした。 なんか、心つながったなって思いました。 と、なると、自ずから私の教材研究のモチベーションも上がりますよね。 人間ってこんなものです。

しゅう太君は、その特性から、同年代の子どもとのかかわりにやや苦手な傾向があるということを知っています。

だからどうしたら良いのか、それは誰にも分からない。 だからこそ、私はこのご家族と一緒に歩み、私でお役に立てることを探し続けていこうと考えているのです。

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