しゃぼん玉でつなぐ心 (ABA=応用行動分析の手法で 子どもとの信頼感を育む営み)

 2008-11-05
昨日は、かれんちゃん(3歳・ダウン症)の2回目のセラピーでした。

この日のかれんちゃんのターゲット行動は、「指示に従い 椅子にすわる」  

指導者としての私のテーマは、「何が最高の教化子(ごほうび)に成り得るかを探る」  ということでした。

初めてのセラピーでは、ボール、絵本、パズル、人形、風船などいろいろな物を用意しておきましたが、ヒットしたのは、風船、打楽器、くるくる回る系のおもちゃなどでした。何となく、かれんちゃんの喜びそうな物の、傾向はつかんだつもりでいました。

先日、ダイソーとトイザらスに行って、これだけあれば大丈夫だろうと言う位、教化子になりそうなものをいっぱい買い込んできました。

ピコピコハンマーだとか、くるくる回って落ちるおもちゃとか、押すと回ったり、音が出たり系の、感覚・操作遊び系のおもちゃが中心です。 便利な時代になりましたね、 ダイソーとトイザらスが同じ敷地内あり、思ったよりずいぶん安く、大きな袋2つ分のおもちゃを購入することができました。

初めての時のセラピーでは、風船やボールで多少からんできましたが、席に着かず立ち歩く、物を投げる、勝手に水差しの水をこぼす、事務机のパソコンのキーボードをたたく、など、さすがの私も少しあぶら汗の出る展開でした。 特に、物を手当たり次第、物を投げるのには、正直とまどいました。

今日、教室に入って来たときも、少しお母さんと離れにくく、ちょっと不安なスタートとなりました。

期待していたたくさんの教化子(おもちゃ)も、いくつかはヒットしましたが、あまり長続きしませんでした。 結構空振りのものも、ありました。 

教化子が空振りの終わると、離席が目立ち、「座りましょう」と言っても、「イヤ」と拒絶され、なかなかうまくいきません。

そこで、ついに真打ちのミニ水風船と、しゃぼん玉の登場となったのです。

シャボン玉を吹き始めると、いっぺんにムードが変わりました。 お菓子を教化子に使うこともあるのですが、私は3歳の子どもには、できればお菓子を使いたくなかったので、心の中では「やった」 と、ガッツポーズです。

教化子さえつかめば、主導権は、完全にこっちのものです。 いすに座ることをフルプロンプト(この場合は支援によって何とか座らせること)で教え、できたらしゃぼん玉をふーっと吹きました。

かれんちゃんは、キラキラ目で、しゃぼん玉を眺めています。 都合のよいことに、立ち上がって、手でそのしゃぼん玉をつかもうとしています。 抱きしめたくなる位、かわいい姿です。

しゃぼん玉で一旦立ち上がっていますので、もう一度「座りましょう」という音声指示を出し、最初はちょっとだけ、手を添えて座らせ(支援=プロンプト)、出来たらすぐにシャボン玉をふーっとやります。 即時教化と言って1秒以内が原則です。

これ、3回もすれば、「座ると → ふーっ」 が分かってきます。 何回かできたら、これまた別なごほうびとして、離席して自由なおもちゃ遊びを認めます。

そして、また 「座りましょう」と指示を出し、自分でこっちへ来たら、めちゃくちゃほめ、また「ふーっ」とやります。 後は、この繰り返しを何度かすれば、今日の目標は到達です。

この日のターゲット行動の、「指示に従い椅子にすわる」 は、見事にクリアです。 1週間後であろうが、10日後であろうが、しゃぼん玉さえあれば、いつでも私は、かれんちゃんに対して 「音声指示を出し、椅子にすわらせる」 ことができます。 シャボン玉で、私とかれんちゃんの心がつながった瞬間です。 

今はしゃぼん玉でつながった心ですが、やがてその強化子は、シャボン玉ではなくて、賞賛  → ほほえみ → 自己の達成感 → 社会での適応感 → 自己実現 などと進化していきます。大げさに言えば、私と歩むかれんちゃんの壮大なストーリーの幕が、今このとき開いたのです。 

来るときに半ベソをかいていたかれんちゃんは、帰るときには、私のひざの上に乗ってくるようになりました。 帰るときには、お母さんの前で 「座りましょう」 がちゃんとでき、いっぱいほめてもらいました。 強烈な間欠強化刺激で、だめ押しです。

初めてのセラピーの日は、つみきとかおもちゃを10回以上(もっとたくさんかも知れない・・汗)ほり投げましたが、今回は、最初の時にマラカスを1回投げただけです。 立ち歩きもシャボン玉が始まってから、私の手の届かない所へは1度も行かなくなりましたし、事務机のパソコンにも1回もさわりませんでした。

三角の目がまんまるになり、どんなにかわいかったことか・・

ダイソーとトイザらスに行って、袋いっぱい買ったけど、結局は、しゃぼん玉と水風船と風車くらいでよかったみたいです。 これもいい勉強になりました。

さあ、これからはどんどん作業課題・学習課題へ突入です。

我が子は3人育ててきたけれど、指導で3歳の子に接するのは初めてです。

SHINOBU先生、3歳児も結構イケルかも! 

私のABAは邪道で、心理学の応用ですが、自分の心にピンと来ないものは使わないし、その子のストーリーに添ってないことはしないことにしています。 変な言い方ですが、日本版・浪花節のABAです。 

かれんちゃんは、ママに手をつながれて、ちょこちょこと帰って行きました。 このときのかれんママの顔は、先日の講演会をプロデュースした臨床心理士さんの顔ではなく、愛情一杯のお母さんの表情そのもでした。 その後ろ姿を見送りながら、何だか、とってもうれしい気分になった1日なのでありました。

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コメント
先日は岩元綾さんのご講演でとても参考になるお話を頂き
とても勉強になりました。かれんちゃんセラピーとても順調ですね!
さすがだと思いますm(゚- ゚ )

私のブログで、こちらのカテゴリをご紹介させていただきましたので
勝手ではありますが、トラックバックさせていただきました。
今後のセラピー、ダウン症児の親としてとても期待しております(^^)
【2008/11/09 19:29】 | 派遣のヒロ #JalddpaA | [edit]
派遣のヒロさんへ

ヒロさんのブログで、いろいろとご紹介をいただき光栄に思っております。

私としましては、ご家族の願いを真摯に受け止め、それぞれのお子さんに真心を込めて向き合う、ただそれだけを心がけていきたいと思っています。

何かと勉強不足・経験不足の面もありますので、しっかりと研鑽を積まなくてはなりません。

これからも、応援よろしくお願いします。
【2008/11/09 21:38】 | SHINOBU #- | [edit]












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【2008/11/09 19:23】
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Author:SHINOBU
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