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子どもの未来を信じてこそ 起こる奇跡がそこにある

 2008-11-01
現在、来年度に向けた新入児童の健康診断や就学相談(指導)が真っ最中の地域も多いのではないかと思います。

1年前に 「通常学級は無理」と、ドクターにはっきりと言い切られた太郎君、 通常学級の入級については、インクルージョン推進派の私も正直揺れました。 ドクターの社会的な権威は、やはり強いですから。

でも、ここでがんばったのは、私より太郎君のお母さん、「この子は集団で伸びる」という強烈な信念をおもちでした。

去年の今頃は、まだ表出言語は、ほとんど見られませんでした。 そんな太郎君は、この春、新1年生として小学校の門をくぐりました。 1年B組でした。 そこになすばらしい笑顔の担任の先生と、たくさんの友達が待ってくれていました。


「くじらぐも」 という1年生の国語の教材があります。

今から20年近く前、私が脳性麻痺のお子さんを通常学級で担任していたとき、この教材で研究授業をしました。 

「天までとどけ、1・2・3!」 

その子は少し体の不自由な面もありましたが、みんなと手をつないで、元気よくジャンプしたの笑顔が目に焼き付いています。 研究授業が終わった後、教室に掲示したでっかい雲のくじらを見て、わけもなく涙がこぼれ落ちそうになったことを、はっきり覚えています。

私にとっては、生涯の宝物です。


昨日、太郎君の個別指導をしました。 連絡帳を見ると、宿題で本読みがあったので、何だろうと思って見ると、その「くじらぐも」が宿題になっています。

私は、文節を区切ること、聴覚性のプロンプトを事前にいれて読ますこと、そして間違えても修正せず、うまく読めたところに即時教化を入れる、という自分流(名付けて、認知特性活用SHINOBU流ABA音読指導法=何のこっちゃ)の方法で、アプローチをしました。

これは、きっと私の力と言うよりは、太郎君のすばらしい担任の先生や、お母さん、学童保育の指導員の血の滲むような努力に支えられたからだと思います。

太郎君は、10ページにわたる 「くじらぐも」 を、一度もストップすることなく、私に聞き取れるように、最後までちゃんと読みました。


実は、先週のセッションのときに、太郎君が学習の最後に、わざと物を落としたので、叱って拾わそうとしたのですが、結局ふてて固まってしまったのです。 何かが、そこでずれ始めたのを、私は感じていました。

この後、お母さんと何度かメールのやりとりをしているうちに、わたしは、もう一度まっさらでこの子に向き合い、原点に帰ろう、と心に決めていました。

こうなると、最初からオーラが違っていたのでしょう。 最初の 「くじらぐも」 から、感動の嵐です。 指導をしていて、こんなに楽しい時間はありません。 私は、今、世界で一番すばらしい時間を、この子と共有しているんだと思いました。

1年前は、ほとんど表出言語がなかったことを考えると、奇跡といっても大げさではないと私は思っています。 結果は、完全にお母さんの勝利です。


ファイルの中には、算数プリントが3枚入っていました。 それは、すべて繰り上がりのあるたし算のプリントでした。

今の段階では、これをこの子にさせるのは、むずかしいだろうな、と思いました。 お母さんが 「算数の宿題のことも気になっているので、特別に今週、金曜日もみてほしい」 と言われたのは、このことかな、って思いました。

数の合成・分解のできない子に、どうやって繰り上がりの計算をさせるか? ここは、私の得意分野です。 ここもSHINOBU流ABA指導法算数編、フルプロンプト=なんのこっちゃ、でそのうちの1枚(B4・1枚、40問くらいありました)をかたづけ、残りの2枚は明日やろうね、と約束しました。

もちろん、フルプロンプト(ほとんど先生の支援)ですので、今の段階では、私がいないと太郎君だけで、この計算をすることはできません。

でも、太郎君は、まちがいなく、今日元気いっぱいで、算数のプリントをもって私のところに来るはずです。なぜなら、SHINOBU先生といっしょだったら、このプリントができるからです。太郎君は、SHINOBU先生に教えてもらえば、自分の力でできると思っているはずです。

後は、段階的にこのプロンプトをフェードアウトしていくだけです。 時間はかかりますが、その時間さえいただければ、私がいなくても必ずできるようになります。

これは、通常学級のあの先生が担任だったからできたことだと、私は思っています。 この1年生の先生は、宿題ができていなかったら、残り勉強という名目で、この子の個別指導を放課後してくれているようです。

本当にすばらしい先生です。 通常学級が無理と言われた太郎君は、入学以来1日も休むことなく、笑顔いっぱい・元気いっぱいのすばらしい1年生になっています。

岡山は全国でも珍しく小学生も制服なのですが、この日、冬の制服を着た太郎君のりりしい姿は、1年前、絵画語彙発達検査をしていたころの彼とは、まったく別人なのでした。

終わった後のごほうびタイムも、とっても楽しかったです。 どれだけ私に大きな幸せを運んでくれる子どもなのでしょうか? これから始まる今日の指導も、楽しみでなりません。

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コメント
就学相談というのを 「小学1年生だけのもの」と一般的には思いがちですが、毎年継続的に行われるようになっている所もあります。
本当は、毎年、相談できる環境があることが良いことなんですけどね・・・。
特別支援教育の改革によって、意識が進んでいるエリアは「就学相談の内容を改革」している所もありますが、私の住んでいるエリアは「未だに旧体制のまま」で 私が怒り心頭でお説教をしてきたくらいです!

入学時はみんなと一緒に集団で過ごすことが可能であっても、成長の過程や 学習の内容で みんなと一緒に行うことよりも 違う環境の方が 本人にとって落ち着いてくることがあります。気持ちだけで環境に置くのでは 子どもが学んだり成長してく段階の「成長の中の 丁度のタイミング」で学ぶことができない=ということもあります。
丁度のタイミングを逃してしまうと 何倍も時間をかけて学ばなくてはなりません・・・私の住んでいるエリアでは特別支援教育の推進が遅れていて そんな子どもたちがたくさん普通学級で学んでいます=精神的ないじめもあり、とても痛々しいことも聞いています。
保護者の方にも 特別支援教育の啓発・理解がたいへん遅れていますので、「普通学級」にかたくなな保護者の方も多くいらっしゃいます。

子どものことでは 保護者の思いは それぞれですが、子どもの将来のために何が良いのかを 保護者だけで考えるのはとても難しいことだと 我が身を振り返って感じています。「将来を考えて・・・」と言われても、今いまのことに精一杯で、小学校の低学年の時に、中学のとき、高校のときのことなど想像することもできなかったからです。

SHINOBU先生がついているお子さんとお母さんは 本当に恵まれていると思います。
インクルージョンも学校だけでは「不可能」です。家庭のサポートも 療育・学習のサポートも とても重要だからです。
それができて~インクルージョン教育が成り立つのだと思います。

インクルージョンと統合教育をごっちゃにしている方が多くいますが、全然ちがうものです(大汗)
支援無しに 丸投げして普通学級でまなばせることを統合教育といいますので、インクルージョンとはいいません!日本の特別支援教育は 米国の方式とは違います。
障碍のある子どもが 普通学級で支援無く学んで、放課後に教育支援を受けるからOKというのも インクルージョンではありません。
学級の中で計画性のある支援計画が必要になります。それは 学級の先生が学級の中で 支援したり、支援者が部分的についたり、TT方式でついたり、他の場所で部分支援を受けたりと形態はいろいろですが・・・。

インクルージョンを 統合教育と一緒に考える「保護者」や「先生」がいまだに多いので、何度もなんども 説明をして 「簡単なことなんだけど、はっきりとわかっていない」ことに 説明づかれしているこの頃です。

米国のインクルージョンと 日本のインクルージョンの考え方は 日米の社会構造や教育環境が違うので 違う物だ・・・ということも 知っていただきたいことですね。
【2008/11/01 15:04】 | マドンナ #CFnWuolQ | [edit]
マドンナさんへ

先日伺った小学校は、私の目には、日本型インクルージョンの香りのするものに見えました。

まずは子どものニーズと特性を理解する。その上で、その学校の特色や長所をを生かして、型ではなく、その子にあった内容を構成していく、こうした姿勢がそこにあったからです。

マドンナさんが願うような、ニーズに添ったスタイルを形成していこうという構えがそこにあるのです。

校長先生に、「よくこんなことできましたね」と、伝えると苦笑いされていましたが、ここ特別支援学級は希望者でいっぱいだそうです。

そりゃそうです。私が保護者なら、少々遠くてもここに入れたいと思います、と伝えました。

そこは、移転前の仮住まい校舎でしたが、子どもの作品などから、教育内容の充実感がうかがえ、先生方のチームワークも抜群、うまくいっている学校とはこんなものです。

穏和な校長先生の横顔から、揺るぎない教育への信念が伺えました。

教育のリーダーシップとは、かくありたいものです。

教育文化の違う中で、アメリカ版のインクルージョンは不可能だと私は思います。

「日本版のインクルージョン」  私の目指すところもマドンナさんと同じです。
【2008/11/01 15:52】 | SHINOBU #- | [edit]
校長先生の学校経営によって 子どもたちの環境も 先生の指導も大きく変化します。SHINOBU先生が 素晴らしい!と思った学校は 校長先生が体をはって、校長先生の人生をかけて創り上げてくださったものだと私は思います。
それだけ、この特別支援教育を創り上げている過程で、現役の先生方を説得し、理解してもらい、この教育は必要と思っていただき 学校全体でくみ上げていく協力体制を創り上げていく~ということは大変なことだと 私は経験してきたからです。

素晴らしい学校を創り上げようとして、体をこわし、精神を壊し、第一線を去らなければならなかった校長先生もいらっしゃいました。
政治に翻弄されてしまった=地域の教育政策を作られてきた素晴らしい校長先生もいらっしゃいました。いま思い出しても、ぽろぽろと大粒の涙がこぼれてしまうほど、校長先生達は 子どもたちのために命がけでがんばっていたのです。。。

SHINOBU先生のブログで 子どもたちの成長から、またこの素晴らしい学校の取り組みを 具体的に紹介してください。学校の現場の実戦を知ることは なかなかできないことだからです。

全国で 一生懸命に取り組まれている先生方の「勇気」になると思います。
素晴らしい学校の取り組みは 子どもの学校生活に不安を持つ親たちの「希望」につながります。
ぜひ、よろしくお願いします♪
【2008/11/02 00:23】 | マドンナ #CFnWuolQ | [edit]
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【2008/11/02 07:31】 | # | [edit]
私は、勝利だと思ってません。これから、いろんな問題も来ると思います。担任を上手に操り、利用出来た時、勝利だと。我が子が、伸びるのだったら 主導権は、先生なので それを上手に持っていき 関わっていくように。戦いだと思ってます。それだけの事が、言えるよう 日々勉強だと思ってます。やっぱり、子供は、先生を頼りにしているわけですから 周りが考えられない奇跡が起きるのかも知れません。
【2008/11/02 07:47】 | まーちゃん #- | [edit]
マドンナさんへ

週1度ですが、たくさんの学校現場へおじゃませせていただくことのできる機会のある者は、そうたくさんいないですよね。

ここの情報発信は、大切かもしれない。

何が大切なのか、こうあるべきではないのかという、モデルを示すことはとても意義のあることだと思います。

現場の先生の努力と情熱を、ご家族の方にお伝えすることも、価値のあることです。

わかりました。今回のマドンナさんのお気持ちを、深く心に刻んで活動に取り組んで行きたいと思います。
【2008/11/02 09:01】 | SHINOBU #- | [edit]
まーちゃんへ

目指すところは、お子さんの成長と幸せ。

そこに向けて、学校や担任の先生と深い信頼の絆で結ばれること。

真の勝利、本当のゴールはそこにあるということですよね。

それも、ご家族のご苦労と大切な営みがあればこそです。
【2008/11/02 09:06】 | SHINOBU #- | [edit]












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