子どもにとって大切なことを 焦点化していく家族の営み

 2008-10-15
当然のことですが、子どもが幸せに生きていくためには、ご家族の支えは不可欠です。

特に、発達面に課題のあるお子さんについては、その子の良さや価値を育んでいくご家族の営みが重要になっていきます。

学校教育の中で過ごす期間は、限られています。ただいろいろな体験を重ねるだけでよいのなら、それでもいいのですが、少しでも力を付けたい、能力を伸ばしたい、可能性を追求したいと願うなら、大切なことを焦点化していないと、方向感を失い、何をやっているのかわからなくなってしまうことになりかねません。

例えば、知識の記憶についても、生活場面での関連性の薄い内容は、当然繰り返しの刺激も少なく、脳内ではそれを消去する物質の分泌によって、こうしたものは消去・整理されてしまうメカニズムになっています。

きれいさっぱりお返しいただいて、あの努力は何だだろうという経験は、誰にだってありますよね。

エビングハウス忘却曲線というのをご存じの方も多いと思いますが、適度な繰り返しは、記憶の保持に大きな役割を果たします。

とすれば、この子のストレングス(長所)を育てる営みに関連づけて、知識を獲得していく営みであれば、記憶の保持も自然に容易になっていくわけです。


学校には教育課程があり、教科書があり、指導計画があり、全国ほとんど似たようなことが行われていますが、一定の基準やねらいをしっかり押さえた上で、本来は学校独自で創意工夫して作成するのがあるべき姿です。

みんな同じ金太郎飴、毎日同じのお任せ定食でよいわけはありませんよね。

文科省も厚労省も、個別の計画や縦糸を通す引き継ぎの重要性を唱え、それらしい予算をつけていますが、私の知っている保護者の方が、就学以外の場面で、こうした計画に参画したという話を一度も聞いたことがありません。

アメリカでは、IEP(個別教育計画)というものがあり、保護者との契約という形で、教育計画が作成されると聞いています。(実際に見たわけではありませんが・・)

何も形式的な、手間のかかる書類を作成しようというのではありません。 まずは、イメージや願いをもつことが、私はとても重要だと考えています。

積んでは崩し、積んでは崩し・・・まるで賽の河原のようなことを何度も繰り返すのではなく、ぱっと見はさえなくても、今後に生きて働くファンダメンタルな内容を、時間をかけてでもじっくりと育てていくような取り組みの方が、結果、正解だと思います。

私がここをするのにも、保護者への説明・理解・協力は不可欠です。

例えば、すごろく遊びを通して、私はルールの理解やゲームの楽しさを伝えたり、100までの数に親しませたり、会話やコミュニケーションの充実をはかったりしたいと考えています。実際、かなりの手応えを感じています。私とでないとできない、とても意味のある活動だと思っています。

「こんな遊びじゃなくて、ドリルをさせてほしい」 と、保護者の方に言われたら、続けることさえできません。

どんな子に育てていきましょうか? そこの話し合いの時間があればこそ、このすごろく遊びは、意味をもつのだと思っています。(もちろんすごろく遊びは10分もかかりません・・他の学習もしています)

その子にあった豊かな人生のあり方を探すのは、決して簡単なことではありません。 しかし、それが見えてくれば、なすべきことも焦点化されてきます。

特別支援教育を実のあるものにしていくには、保護者の参画が不可欠であると、私は考えています。
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コメント
こんにちは。
昨日のブログの内容とも関わるのですが、学校教育の場でこその学びとは何か?をこの数年ずっと考えています。

子供の一人が特別支援級に移籍し、4教科は普通級、支援級で1対2で5教科の取り出し授業を受けています。(同級生1人の2人しかいない支援級です)その時間数やおおまかな内容については担任はきちんと希望を聞く機会を設定し、その後もことこまかに話し合いをしています。

ドリルにかんしては「自宅課題」とし、学校では複数だからこそできる「討論」「相互意見交換」ができる「共通教材」を使っています。

「国語の森」的な読解や単位・正負の数などの算数基礎概念を実地をつみながら行っています。理科は実験をくみ、準備・実施・レポート作成・片付け等の一連の流れを学ぶ、社会は時事問題をからめながら地球儀を用いて世界地理を学ぶ等々「作業」「知識」「SST]「実行力」等々の複合的要素の授業内容かなと感じています。
英語も会話、基本的な単語の読み書きも含め、PCのローマ字入力等の作業などです。(将来の職種拡大も含め、親の希望もあり1年から情報の授業も組み込みPCを日常使わせていただいています。)

支援級だからこそできることだとは思いますが、将来を考えたとき、二人の生徒に今何が足りない部分で必要で、長所で何が伸ばせるかよくかんがえてくださっていると思います。

軽度2人のみのクラスで、今までの支援級の経験とも随分違うようでお互い試行錯誤の毎日です。ときには多少、「それは違うでしょう」と思うこともたくさんありますが、子供は非常に伸びました。

IEPや個別指導計画書は実は作成していません。当初に親のアセスメントシートを提出してあり、小学校からの書面もあって「大まか基本路線」だけ設定し「自由な発想、臨機応変」で行ってもらっています。最終的には書面作成はしますが、能力、センスの高い支援者(親・教師)間で「相互理解」がきちんとできれば「書面」は最初になくてもいいのかなと思っています。

この自由なかつ十分な支援を「普通級」でもと思うのですが、現実には厳しいです。支援級でも来年度新入生が入れば形も変化するでしょう。
ただ、「普通の中学」で「普通の先生」たちでこれだけのことができることも事実ですので、今後も連携してがんばりたいです。

中1の今からサポート校、養護学校、高等養護、技術連携校はじめ、将来を見通した高校進路の情報や見学に先生自らも動いてくださる担任です。
親の考え、親の情報も真摯に耳を傾けてくださり、そうした先生が一人でも増えてくれるといいなあと思います。




【2008/10/15 08:09】 | 双子の母 #PNOQ3fDM | [edit]
双子の母へ

驚きです。

これは間違いなく、今後のモデルになりますね。育ちや学びのラインがくっきりと見え、目指すものへの方向感があります。

また、家庭の役割、学校連携の具体的な形も示唆されています。学校の役割が焦点化され、先生も手応えを感じることができます。

貴重な実践の報告、ありがたいことです。
【2008/10/15 21:42】 | SHINOBU #- | [edit]
お褒めのお言葉ありがとうございます。

実際にはそんなに「先進的」なかたちではなく
「軽度~重度も含めた障害児教育の経験や地域での強み」を担任が生かし、
親の専売特許でもある「わが子に特化した先進的な情報や療育のあり方への取り組み」を親が親の会や書籍、専門機関との相談を重ねて学校へ提案している、そんな感じです。

支援級ですので「体力作り」や「作業」の時間も週4時間程度ありますが、その際にも「ルールを学ぶ卓球等ゲーム主体に」や「作業工程表を自分で記載する票」など工夫をされています。週2回の支援級で過ごす昼休みには「トランプ」等をしてSSTの一環として取り組みをしていますが、カードをきる、配るの様子で「手先の器用さ」や家庭での「ゲーム」への取り組みを推察してくれるような担任です。


PCも積極的に使われていますが、支援級での行事の感想文をPCに「ローマ字入力」「ひらがな入力」の両方でさせたり、計算ドリルもわが子は得意のため、待ち時間に電卓で確認させ丸付けをする。それでも時間があれば相手のお子さんのこたえあわせ役をする等々「支援級ならではの将来へのアドヴァンテージ(PC,電卓使用能力等)」を自然な形で行われています。

一番信頼できたのは「本人の特性を本能的に的確に判断」されていたことです。そして、強みを先行させ伸ばし、その後弱点補強をする形にするという点が親・学校間で無言のうちに一致していることでした。

おかげで子供の興味の幅がどんどん広がっていて、その成長に目を見張ります。支援級の二人は部活動も普通にこなしています。それを自然にできるのは学校全体の支える姿勢だと思っています。

「相互連携」(家庭、学校、専門機関)としてはまだ黎明期で手探りですが、お互いが好意をもって信頼してなんとか進めていけている状態です。

なんだか、まとまりない長文になってしまいましたが
中学での支援の具体例は意外にありません。
お役に立てれば幸いです。

最後に、こうした子供を本当に伸ばすには「個別支援対応」はやはり必要だと思います。普通級では人手がありません。中間的な「リソースルーム」が形でなく、理想的なプログラム実行可能な場所として欲しいと切に思います。


【2008/10/15 22:27】 | 双子の母 #PNOQ3fDM | [edit]
もう1点だけ。

子供の目は正直です。
移籍を決めたのは子供です。
同級生が全交流で同じクラスで指導してもらう様子をみて
その担任に自分が指導してもらいたかったからです。

移籍による気持の変化もありましたが
それを支え、前向きな気持を維持させたのも担任への信頼感だったからです。

子供の信頼感は先生のやる気も奮起させている気がします。

【2008/10/15 22:57】 | 双子の母 #PNOQ3fDM | [edit]












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