見えている親や先生は 子どもを甘やかせない 

 2008-09-18
ある保育園におじゃましていた時のエピソードです。


運動会に向けての取り組みで、これから入場門に集まって、さあ練習をするよ~ という場面です。

突然、そのクラスの女の子が、しゃがみこんで泣き始めました。 きっと、何かのアクシデントがあったのでしょう。


このクラスの先生は、相当の力量のある先生とお見受けしました。

まず、その場面を見逃していません。 瞬時に気がついて、その子にかかわりました。 しかし、その子は先生が来ても、ずっと泣いたままです。 そのうちに、どんどん入場門に子どもが集まってきています。

見ていた私は心の中で、小さく 「クールダウン、クールダウン」 と叫んでいました。

すると先生は、その子の肩を抱いて 「後でわけを教えてね」 と言うと、鮮やかに体を反転して、入場門へ向かいました。

その先生のクラスの子は、頭が揺れていません。 先生は、指揮を若い先生にさせて、全体の構成を細かく見ています。 事前準備係の先生に目配せしたり、子ども一人一人の様子をきちんと把握しています。

もちろん、くつばこの近くで泣いていた女の子のチェックもしっかりできています。

先生がいなくなると、女の子は泣いていても、何の教化刺激も得られないので、すぐに泣きやみました。 やっぱりな~ です。


運動会の競技種目の玉入れが始まりました。 あの先生の構成がしっかりしているので、見ていてもとっても楽しそうです。 活動に方向感があります。

泣いていた女の子は、すっかり泣きやんで、いっしょうけんめいその様子を見ていましたが、自分もやりたくなっておしりがむずむずしてきました。 

すると、それを見ていた先生が、すかさずこっちを見て、おいでおいでのサインを出しました。

その子は、笑顔いっぱいで、走って先生の所に駆け寄っていきました。


まあ、どこにでもあるささいなエピソードです。

でも、下手な先生がかかわると、これだけでぐじゅぐじゅになります。 

まず、女の子が泣いたときに、個の支援ということだけを意識して、必要以上にかかわると、望ましくないマイナス行動に教化(ごほうび)を与えることになり、結果としてその子を甘やかして、だらしない子にしてしまう危険性があります。

その間に集団活動が停滞すると、なんかムードがよどんで、二次的なトラブルが発生したりして、わけがわからなくなっちゃいます。

その子が、立ち直ってがんばろうと思っても、迎える場所もなければ、ほめてやれる機会も失ってしまいます。


この子の「泣く」という行動を維持している要因は、おそらく注目の獲得だったでしょう。 

しかし、泣くという行為を勧めているのであれば、それでいいですが、先生としては 「ちゃんとわけを話せる子にしたい、泣かずにがんばる子になってほしい」 と、考えていたのではないでしょうか? 

だから、短い言葉ではあるけれど、しっかりとした口調で 「後でわけを教えてね」 方向性をしっかり伝え、行動で示しています。

そして、立ち直って笑顔で戻ってきた彼女に、おもいっきりプラスの教化(笑顔・賞賛・抱きしめ)を行っています。 一人一人の子どもに、、日々同様の体験があるから、子どもの頭が揺れないのです。

この先生が、応用行動分析の手法を知っているとは思いませんが、でも、まさに理にかなったセオリー通りです。


このように、やめさせたいターゲットと、向かわせたい方向と、子どもの心がしっかり見えている先生は、決して子どもを甘やかせません。 決してマイナス行動にかかわり過ぎて、ぐちゅぐちゅにしません。

いけない行動には、クールダウンや無視は有効な手段の一つです。

「しかる」 は、時として子どもにとっての快刺激(=注目の獲得)になって、罰ではなく、ごほうびになるときがあることを、理解していただければと思います。

いけないことは、冷たく突き放すが、同時に、ちゃんと望ましい方向を提示して道筋をつけ、できたらほめる。 これが王道です。 家庭でも、学校でも、ここの部分は同じです。 甘やかさない、とは、こういうことです。

おこるときは、高い声でキンキンやると、内的な興奮を高めるので、血も凍るような低い声と表情で、突き放したように攻めましょう。 子どもの顔つきがさっと変わりますよ。 (でも、しかるは即時性はあっても、継続性はなく、自己イメージも大きく低下するので、教育的ではない非常手段として考え、乱用は厳禁です)


運動会の練習が終わると、部屋に帰って、歌を歌う活動が始まりました。

出ました、必殺のオルガンブラインドタッチ。 やっぱりね~

オルガン弾きながら、後ろに顔を向けて、一人一人の子どもの顔見て活動進めています。

これで子どもが育たないわけがありません。

こうした先生もいるわけで、日本も捨てたものじゃありません。 でも、落差は激しいですが・・

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コメント
そうなんですよね・・・問題行動があった時は これが一番・・・と思いますが、親によっては「対応をしないのは けしからん!」と激怒するケースも多くあります。
そんな親の場合は 告訴する!とまできますから、手を焼きますよ・・・。
【2008/09/18 18:30】 | マドンナ #CFnWuolQ | [edit]
マドンナさんへ

教育は、保護者との信頼関係の下に成り立つもの、と何度も教えられてきましたが、ここ崩れると厳しいですよね。

信じられないような話、いっぱいあります。

ややこしくもつれた糸をほどく作業は、何の生産性もなく、果てしなく苦しい・・

何とかお互いそうならないように、ならないものでしょうか・・
【2008/09/18 18:50】 | SHINOBU #- | [edit]
ちいさな認可外保育園で、様々な状況のこどもたちと暮らしています。
この先生のように「鮮やかに」行きたいですが
まぁ7割は 血も凍るような声で終わらせたり、
力ずくで事を運ぶことが多く 反省しきりです。

マドンナさんのコメントを読んで
しかし 結局 私たちはこどもの成長を促すことでしか
親に伝えられないのではないか?
という
思いを新たにしました。

目の前の出来事に いちいち反応せず
こどもの内面をしっかり見つめ
こどもとの信頼関係を築くしかないのでは…と。
青二才が生意気なことを申しました(^-^;)
【2008/09/21 08:11】 | ばむせ #rFnwIxnM | [edit]
ばむせさんへ

ようこそお越しくださいました。

>結局 私たちはこどもの成長を促すことでしか、親に伝えられないのではないか? という思いを新たにしました。

>こどもの内面をしっかり見つめこどもとの信頼関係を築くしかないのでは・・

まさに、実践者の言葉ですよね。 様々な状況の子どもに正面から向き合っておられることが伝わってきます。

外野からなら、何とでも言えるのです。

今回のエピソードは、この先生の強みを私が感じ取り、その大切な部分を、それぞれの方の持ち味に生かしていくことができたら、という願いを込めて書きました。

よいところを切り取って、自分なりの解釈で紹介しています。

私だって、10個の工夫に3個リターンがあれば、大成功。7割は無駄な?努力です。

先生がご自身を見つめ、大切な何かをとらようとされている営みに、心より敬意を表します。

これを機会に、どうぞよろしくお願いします。

また、先生のブログの方にも、おじゃまさせていただきます。

【2008/09/21 08:33】 | SHINOBU #- | [edit]












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