心を傷つける知能検査

 2008-02-26
どこの自治体でもそうなのでしょうが,岡山市では,特別支援学級などに入級を希望される場合は,医師の診断書もしくは公的な機関での知能検査の数値が必要となっています。

就学相談の場面でも,学校の先生は言いにくそうな表情は浮かべますが,ほとんどの場合「診断名は?」「IQは?」など,量的なデータで判断される傾向があります。

そして,診断名を聞いた瞬間,IQ値を知った瞬間,本人のようすを知ろうともせず,ガチガチなイメージ固定化されてしまうことは,日常的にいろいろなところで起こっています。

それまで普通に暮らしていたわが子が,チェックリストなりスクリーニングにかけられ,専門機関に行ったとたんに障害児になり,いくら日常の生活の様子を伝えようとしても聞いてもらえず見てもらえず,「あの保護者は,障害を受け入れられない」なんて思われてしまう。何とも悲しい現実です。そんなことはないと思いますが,「診断がついてよかった。よかった」「これで専門家にみてもらえる」「障害児は,自分の担当ではないし・・」て思っているように見えてしまいます。

そしてこのIQの数値が,ななりクセ者です。特に60とか70とかだと,1Pの差で支援が受けられたりそうでなかったり,情緒となったり知的となったり,高校に行けたり行けなかったり,補助金が出たり出なかったり,そんな話,本当によく聞きます。

それに,田中ビネーとWISCも都合によって,上手に使い分けられているように思われます。大学などの講義では,知能検査の限界や功罪について,たくさん教えていただきましたが,口に出して言われることは少ないですが,多くの場面で,子どもや保護者の心を傷つけていることを,担当者はもっとしっかりと認識すべきだと思います。

こうした量的なデータに対して,日々の行動や支援をていねいに記録した質的なデータは,実際の支援に直接結び付く貴重なものですが,相手になかなかすぐに伝わらないのが,欠点です。

わたしの知っているお母さんは,小学校の先生が,保育園にお子さんの様子を見られた時に,「涙が出そうだ」とおっしゃっていました。子どもを見もしないで,数字や紙きれで決めつけられることへの強い抵抗感がそこにはありました。

私は「たとえ誰にどのように思われようと,このことを多くの方に理解していただくことは,自分の責務である」と思っています。
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Author:SHINOBU
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